私たちの提案

第2章 日本共産党川崎市会議員団の3つの値打ち 市民の願いを行政と議会に届け、市民要求を実現

1、福祉・くらしの守り手として、市民要求を実現してきました

《子育て支援策と教育環境》

産後ケア事業が創設される

 出産後、女性の体はホルモンのバランスが大きく変わり、また母体への負担等で心身ともに疲労しやすいことから、この時期に適切なケアを行ない、体が回復するまでサポートする体制が必要です。高齢出産の場合は親も高齢になっており、若年出産の場合は親も働いていることが多くサポート体制が取れない実態を指摘し、「産後ケア事業」の創設を2010年から繰り返し求めてきました。すでに実施している東京都世田谷区の視察もおこない、出産後4ヵ月未満の体調不良、育児不安を解消し、年々増える児童虐待の対策としても、必要な制度として要求してきました。2014年、ようやく予算化され、10月から実施されました。

市民と共産党の運動で子ども医療費無料化の拡充が市長選の大きな焦点に

 お金の心配をしないで子どもをお医者さんに連れて行きたい―小さいお子さんをもつ若い親にとって、小児医療費の無料化は切実な願いです。共産党は、そうした願いに応えて、中学3年生まで所得制限なしの医療費無料化を一貫して要求し、一歩一歩前進させてきました。
 小児医療費助成制度の拡充は、市長選のたびに争点となり、福田市長も「小学6年生までの医療費無料化をすぐに議会に提案する」と公約していました。が、当選後、実現する姿勢がありません。自民党が議会で「財源の裏付けがない。公約は撤回することもあるのか?」と迫ったのをはじめ、各会派も公約を実現しない福田市長に責任追及する姿勢はありません。
共産党だけが「自らの公約に責任をもち、小学6年生まではすぐに実施せよ」と迫り、さらなる対象拡大を求めています。

就学援助制度の運用が大きく改善

 視察をしてきた足立区方式など議会で提案し、川崎市でも2014年度から、全員に就学援助申請用紙を配布し、全員から回収する方法に申請方法が改善されました。さらに中学校のクラブ活動費・部費や遠征費、学校名入りユニフォーム代などが認められるようになりました。

認可保育園増設で市政をリード

 川崎市は、前市長時代から認可保育園の待機児童数が政令市比較でワースト1、2でした。保護者らによって「待機児童をなくす会」が結成されるなど、毎回の市長選でも大きな争点となってきました。福田市長も「待機児童をゼロにする」と公約し、14年4月には〝待機児を62人まで減らした〟と発表。しかし、そこには、保護者が「自宅で求職中」などの場合は待機児にカウントしないなどのカラクリがありました。日本共産党は、一貫して入所申請して入所できなかった児童数を公表させるとともに、待機児童とカウントすべきであり、潜在的な希望者数にこたえる増設計画にすべきだと主張してきました。くり返し要求するなかで、市にはじめて年度途中の保育園増設計画の引き上げをおこなわせました。(表参照)
 また営利企業の参入が増えるなかで、公立では7~8割を占める人件費割合が企業立ではわずか3~4割にとどまり、市の補助金が「国債購入費」などさまざまな名目で企業の収入になっている実態をあきらかにし、営利企業の参入に警告を発してきました。

認可保育園増設で市政をリード

少人数学級の拡充に力を尽くす

 保護者・教員の切実な願いである少人数学級。2012年度から国が小学1年生の35人以下学級の実施に踏み切りました。川崎市は市民からの強い要望と粘り強い運動で2010年から小学1年生まで実現していましたが、国の予算と合わせ、小学2年生まで実現することになりました。共産党は、川崎市の不登校児童生徒数が減っていない現実に鑑みるならば、その対策としてもっとも有効な少人数学級を小学3年生以上にも拡充すること、また、「中1ギャップ」を乗り越えるためにも、中学1年生まで実施することを求めています。

中学校給食がついに実現へ

 前市長がかたくなに拒否してきた中学校給食の実施―共産党と保護者のみなさんとの20年以上にもおよぶ長い間の運動が実り、市長選で大きな争点となり、ようやく福田市長が実現に向けてふみ出しました。
 多くの保護者や生徒の願いは、安全・安心な自校調理方式です。共産党市議団は、市内の中学校49校全部(全51校中、改築中などを除く49校)を市民とともに視察し、自校調理が可能な土地・場所を調査してきました。その結果をまとめて市に提出し、市が建設費用の「安さ」などを理由に採用しようとしているセンター方式の試算根拠が恣意的でずさんなものであることも暴露しながら、自校調理方式を原則とするよう迫ってきました。福田市長は市民の願いに背を向け、「早期実施」を口実にセンター方式をPFIの手法で実施することを決定しましたが、今年1月、市教委はその開始時期を10ヵ月程度延期し、一方で自校調理2校を予定どおり2016年度中に実施すると発表しました。

《高齢者施策》

特養ホームの大幅増設を要求

 特別養護老人ホームの待機者は、14年10月1日現在で5369人にのぼり、高齢者人口当たりの待機者は、百万人以上の政令市比較でワースト2です。市は、高齢者施設の整備を怠ってきたのみならず、2010年からは、特養ホームの整備目標数を要介護度3以上の方を基準にして設定し、要介護度1・2は、待機者数から事実上はずすという姑息な手法をとってきました。共産党は、待機者の切実な実態をしめし、土地の確保から民間任せという状況を改め、公有地活用などを提案し、待機者解消に全力をあげるよう要求してきました。その後、市有地活用による整備計画が公表されました。

介護保険料の値上げを抑えるために奮戦

 介護保険制度が開始されたときの介護保険料(基準額)は2953円でした。その後、3年ごとに改定されるたびに3218円、4033円へと値上げされてきました。
 共産党は、根本的には国の負担部分を増やすことを求めるとともに、介護給付準備金を全部取り崩し、県の介護保険財政安定化基金からも充てること、保険料段階を細分化すること、そして一般会計からの繰り入れをおこなうことで値上げをできるだけ抑えるように要求してきました。2012年の第5期計画のときには、準備基金の取り崩しや県基金の充当などの提案は取り入れられましたが、一般会計の繰り入れをしなかったため、5014円と県内で一番高い介護保険料となってしまいました。次期の改定では、据え置き、引き下げを求めていきます。

後期高齢者の保険料減額を

 75歳という年齢で否応なしに後期高齢者保険に加入させられる制度が後期高齢者医療制度。2008年に始まって以来、共産党は一貫して廃止を求めると同時に、川崎市独自に保険料減免の制度を創設するよう要求してきました。
 2012年、後期高齢者に大量の短期保険証が発行されたことが分かりました。川崎市の発行は全県2036人中814人を占めていました。横浜市では滞納額が30万円以上に限定したため189人にとどまりました。
 共産党は、年金額が下がり、介護保険料基準額が県内で唯一5000円を超える川崎市として、こうしたみせしめのような短期保険証の発行は止めるよう強く要求しました。

《地域経済活性化に向けて》

公契約条例―政令市初の制定

 2010年に政令市初の公契約条例が制定されました。市発注の予定価格一千万円以上の清掃・警備・事務などの業務委託契約、または予定価格6億円以上の工事請負契約を受注した企業に、市が定める額以上の賃金を支払うよう求めるもので、長い間の業者のみなさんの願いが実った瞬間でした。

融資の拡充、改善をはかる

 市内の中小・零細企業は、長引く不況のもとで必死に頑張っています。そこに光をあて、実効的な支援をおこなうことは、ものづくりの基盤を支えるためにも必要です。融資については08年のリーマンショックを受け、不況対策のための低利の融資事業を要求。実現後も業者のみなさんが使いやすい制度に改めるよう改善を要求してきました。2014年12月には「不況対策資金」の利率をさらに0・1%引き下げることができました。
 金融機関への確認書が不要なため業者の皆さんに喜ばれている「小口零細対応小規模事業資金」は金利が高い(2007年には2・5%以内)ことから、東京都大田区では返済期限の7年間金利ゼロ、世田谷区も融資限度額500万円で5年間金利ゼロ、信用保証料も2分の1を区が補助していることを紹介、改善を要求しました。その後、1・7%~2・1%に改善されましたが、引き続きの引き下げ等が必要です。

住宅リフォーム助成制度創設を

 建設業のみなさんの切実な要望を受け、共産党は、住宅リフォーム助成制度創設を07年度から毎年の予算要望書で要求項目に入れるとともに、議会でもたびたび求めてきました。2010年にはこの制度を創設して大きな成果をあげている岩手県宮古市を視察。視察内容も生かし、2011年3月議会には「住宅リフォーム資金助成条例」を提案。オール与党のもとで否決された後もねばり強い論戦を続け、ようやく市は住宅リフォーム助成をおこなった場合の経済波及効果について、一時的なものという限定をつけつつも認めざるを得ませんでした。

工場アパートの整備を提案、市が「検討する」と答弁

 川崎のすぐれたものづくりの中小工場が集積している準工業地域である「宮内・下野毛地区」や「久地・宇奈根地区」。ここで、撤退した工場跡地に住宅の開発が進行し、その結果、工場の騒音や振動が法令上の基準に適合していても近隣住民との関係から操業環境、条件が制限される問題が発生しています。大田区では、5階建てのすべてが工場という工場アパートを整備し、家賃を安く設定することで集積をはかっています。共産党は、こうした工場アパートの整備を提案、市から、「工場アパート等の施設整備は、中小製造業の場の確保から効果的な手法の1つである」と考えており、その整備のため、「物件情報の把握に努め、運営手法等について検討を進めている」との答弁が得られました。

《雇用を守る取り組み》

若者・市内高校生の正規雇用の拡大を

 市内でも増える非正規雇用労働者の実態、未就職のまま卒業していく高校生の現状を調査し、市長が率先して正規雇用拡大に動くこと、ハローワークとの連携や市立高校と若者サポートステーションとの連携などを提案してきました。2013年度、市立高校定時制において、若者サポートステーションが就職を希望する高校生の相談支援を行なう事業として結実。大きな成果をあげました。引き続きの事業継続へ力を尽くします。

大企業の無法なリストラ許さず

 市内にある大企業の無法なリストラを許さない論戦を共産党国会議員団とも連携し、川崎市として大企業に社会的責任を果たさせる立場から、不当なリストラ中止の申し入れ、リストラの実態調査と聞き取り、周辺の商店街、下請け事業所への影響調査などを行なうよう求めてきました。

《防災・震災対策》

 2011年3月の東日本大震災発生以来、共産党は、ただちに対策本部を設置。全議員が市内の被災状況をつかみ、奮闘してきました。そして市の地震・防災対策についてただすと共に、震災被害者・避難者の支援や被災地への支援活動に力を尽くしてきました。被災地への視察・調査・聞き取りは7回にも及びます。また、市の防災対策について緊急申し入れを3度にわたっておこなってきました。

住宅耐震化の促進

 防災対策として何よりも有効な木造住宅の耐震化への補助拡充と、範囲の拡充を強く求め、木造戸建て住宅のみならずアパートにも補助範囲が広がりました。また、補助金額が横浜市と比べてあまりにも少ない実態を指摘し拡充を求めた結果、一定拡充されました。

コンビナート災害対策で論戦

 臨海部コンビナート災害の問題では、早稲田大学教授の濱田政則教授に研究委託し、現状の分析と対策について報告書を作成してもらい、その内容にもとづいて議会論戦するとともに、川崎市に対しても申し入れをおこないました。

放射線の影響について調査と測定

 放射線量測定では、市と同じ条件で測定することで市民の皆さんに客観的な判断材料にできるよう川崎市と同じ測定器を購入し、各議員が、子どもたちの遊ぶ公園やプールなどを重点的に、この4年間継続的に測定を続け、測定結果をまとめて発表してきました。また、市民の不安に応え、放射能の問題で専門家を招いての学習・講演会を4回おこなってきました。

税金を使う仕事で〝ワーキングプア〟をつくらせない
政令市初の公契約条例を実現賃金ルール確立へ一歩

一斉に報じる建設業界の新聞 2010年12月議会で、市発注の予定価格1000万円以上の清掃・警備・事務など業務委託契約、または予定価格6億円以上の工事請負契約を受注した企業に、市が定める額以上の賃金を労働者へ支払うよう求める「公契約条例」(市契約条例の一部を改正する条例)が成立しました。
 委託業務に従事する労働者の賃金は「生活保護額」を、請負工事労働者については、「公共工事設計労務単価」を基準として、最低賃金を定めます。事業者に、市の事業に携わる責任を自覚させ、労働者が生活できる賃金を確保させることで、「安値入札競争」などによる労働環境悪化に歯止めをかけ、工事や業務の質を確保することが目的です。この中には、自らが労働力を提供する「一人親方」も含まれます。
 条例施行後、対象となった契約は、工事・委託・指定管理の合計でのべ1076件、関係労働者はのべ27万8654人、毎月平均では7740人です。

◆市民のねばり強い運動で

 川崎市建設労働組合協議会は1998年から毎年、市との交渉で公契約条例の制定を求めてきましたが、市は「条例が労働条件に介入することは、憲法違反の可能性がある」と主張し、足を踏み出そうとしませんでした。
 それでも協議会は川崎労連と連絡会を立ち上げるなど、ねばり強く運動を続け、05年には「公契約条例の制定を求める請願」を市議会に提出。委員会では、共産党議員が請願採択を求める論陣をはりましたが、他の会派が採択を拒んだため継続審議となり、事実上の不採択になりました。

◆視察や質問を重ねた共産党市議団

 党市議団は、公契約条例への発展をめざして「調達に関する基本方針」を定めた東京都国分寺市の川合洋行市議(当時)らを招きシンポジウムを開く(08年)など、運動と学習を重ね、制定に力をつくしてきました。
 建設業界の民主団体らが世論を広げたことに後押しされ、全国各地で公契約条例制定をめざす動きが進みます。09年9月、千葉県野田市が全国初となる公契約条例を制定。同市を視察した市議団は12月議会の代表質問で野田市の制定を紹介し、低入札価格のしわ寄せで、低賃金に苦しむ下請け業者や労働者のために条例を制定するよう、強く求めました。これに対して、阿部市長(当時)は「条例制定に向けて検討を進める」と答弁。
 10年3月議会では「一人親方」を対象労働者に含めること、最低賃金の決め方などについて労働組合など関係団体との協議・懇談に応じることなどを要求して、条例制定を促してきました。
 条例案が出された12月議会では、雇用不安が課題となっている短期契約について「雇用継続の努力義務を入れるべきだ」と改善点をただしました。市は「課題と認識している。関係局と協議していきたい」と述べています。

◆市内中小企業発注比率の向上を

 今回の改正のもう一つの注目点は、「市内中小企業者の受注機会の増大を図ること」を初めて条例に明記した点です。
 共産党市議団は、これまで市内中小企業の発注率(物件・工事・役務の合計金額の比率は2007年~2011年平均で56・6%)が低いことを指摘し、これを引き上げるとともに、発注比率の目標を持つよう求めてきました。