私たちの提案

第3章 実現めざし全力をつくします ―日本共産党の重点政策

1、安心して子育てできる川崎、子どもたちにゆたかな教育を

子どもの医療費を所得制限なしで中学卒業まで無料に

首都圏に広がる「中学生までの医療費無料化」しかし川崎は・・・

 川崎市の子どもの医療費助成制度は、現在小学校1年生までのため、小学校2年生になると、病気になってもがまんさせるなど子どもの受診抑制につながっているケースが多いことが明らかになりました。
 2014年4月に小学2年生になった児童数は1万2千人余、その多くの父母が「医療費が3割負担になってしまう」と不安でいっぱいです。また、所得制限があるために、いま対象年齢でも助成を受けられない子どもが6歳では2割を超えています。
 神奈川県下では9市町村が中学卒業まで、12市町村が小学6年生までと拡充が次々広がっています。東京都は、高校3年生までの千代田区、日の出町をはじめ、23区と9市町村は所得制限がありません。千葉市では、市長選で小学6年生まで拡充すると公約した市長が市民要望が強いとして中学校卒業まで拡大しました。
 福田市長は、2013年の市長選で多くの子育て世代の保護者の強い要望を受けて、「小学6年生までの医療費無料化はすぐに議会に提案する」と明言していましたが、当選直後から財源などを理由に先送りし公約違反を続けています。
 所得制限の撤廃と中学卒業までの拡大を一刻も早く拡充すべきです。

認可保育園の待機児童ゼロへ 用地を確保し、緊急大増設を

 09年の市長選挙で阿部前市長は、「保育園待機児童ゼロへ」と公約しましたが、当選後の2010年4月、川崎市内の認可保育園の待機児童数は1076人と、前年の1・5倍に。人口比で政令市ワースト1位を記録しました。
 保育園への入所をめぐる活動、「保活」の激しさがマスコミでも大きな話題になるなか、2013年の市長選挙でも保育園待機児童解消は大きな争点になり、待機児童ゼロを1年で実現すると公約に掲げた福田氏が市長に当選。2014年4月には待機児童が「62人に大幅減少し、ゼロに近づいた」と報道されました。
 しかし、2014年度、申請しても入れなかった「不承諾者数」は2570人。市の発表した62人との差は2508人になり、マスコミでも「隠れ待機児童」「潜在的待機児童」と取り上げられ、その数は川崎市が政令市の中で最多と報道されました(左表)。同年10月時点で希望しても入れない児童数は3866人にのぼりました。認可保育園を大量増設することは、川崎市政の緊急課題です。
 認可保育園に企業参入がすすみ、2014年8月現在、公設公営52園、公設民営15園、民設民営175園、民間保育園は190園にのぼり、そのうち、株式会社は82園で全保育園242園中の34%(民間保育園中では43%)を占めています。企業参入をめぐっては、08年にハッピースマイル園が突然閉鎖、13年には日本保育サービスが経営する園が予定より開国が3カ月もずれ込むなど安定的な事業運営が危ぶまれるうえ、職員の勤続年数が1年の保育園が7園もあり、開設後5年を経過しても同様の事態があります。保育園の運営費に占める平均人件費率は社会福祉法人に比べて低く、最低は39%です。利益をあげるため人件費を切り詰める企業参入は保育にはなじまないものだといわなければなりません。

潜在的待機児童

人件費削減が目的、公立保育園の廃止・民営化やめよ

 公立保育園の民営化がすすめられてきました。民営化することで待機児解消を行なうという主張は、民営化してもわずかしか定員が増えなかったことからも、完全に破たんしています。公立保育園の民営化方針を見直し、公私間格差の是正措置を拡充するなど、保育水準を全体的に向上させるべきです。

政令市で一番高い私立幼稚園の保育料、補助増額と入園料補助創設を

 川崎市の私立幼稚園の入園料・保育料(平均額)は、いずれも政令市の中で一番高く、2014年度は合わせて46万9936円にも(次頁グラフ)。川崎市以外の政令市平均より保護者負担が年間約15万円も高くなっています。市民アンケートでも、高い保育料負担が子育て世代の生活苦の要因になっている実態が浮きぼりになっています。入園料10万円補助創設と保育料1万円補助増額が必要です。

幼稚園が足りないのに、「行革」理由に公立幼稚園を全廃

 市民アンケートでは、公立幼稚園が市内に1つもないことへの不満の声もたくさん届きました。毎年11月の入園願書提出日には2日前から徹夜で並ぶという保護者もいます。
 川崎市内の私立幼稚園の定員超過率は毎年100%を超え、2014年度は104%。100%を超えている自治体は、全国政令市でも、県内の市町村でも川崎市だけです。
 県議会でも「川崎市はお母さんたちが幼稚園を選ぶのに非常に困難な状況も出ている」「定員超過というのは、良好な幼稚園児の教育環境を守るという面でマイナスです」(県学事振興課長の発言)と指摘されたほど、川崎市の幼稚園不足は深刻です。ところが市は、深刻な実態を問題にせず、「民間に十分な受け皿がある」と開き直り、09年度末で公立幼稚園を全廃しました。共産党は「市が幼稚園不足に拍車をかけるのでなく、公立幼稚園の増設こそ市民の願い」と主張してきました。

私立幼稚園の入園料・保育料平均額

「わくわくプラザ」の改善、自主学童保育への財政支援を

 阿部市長が当選直後に「行革」の名で強行したのが、40年間、市民の運動でつづいてきた公設公営の学童保育115ヵ所の全廃(03年)でした。同年4月から全小学校で始まった「わくわくプラザ」事業は、子どもの数に対してスペースが狭すぎる問題、スタッフリーダーの役割など改善要望がたくさん寄せられています。引き続きの改善が必要です。
 学童保育事業が放課後児童健全育成事業として条例化され、2014年12月議会で、設備・運営基準が制定されました。これまで定めがなかった最低基準が示されたものです。児童の放課後の生活の場として保障するものとなるよう改善を求めていきます。また、子どもたちの成長を大切にする場をと、父母たちの力で運営されている自主学童保育が増えつづけ、現在市内8カ所で活動しています。運営費はすべて利用者の保育料でまかなっているため、1人あたり月額2万円~2万5千円かかるなど父母負担は大変です。共産党は、市の財政支援を求めています。

小学校低学年、中学1年生に少人数学級の拡大を

 川崎市はようやく小学2年生まで35人以下学級になりましたが、すでに8つの政令市(札幌、仙台、千葉、名古屋、広島、北九州、福岡、熊本)が道府県や市の上乗せ事業として、中学1年生で少人数学級を実施。共産党の質問に教育長も「小学校低学年で学習指導・児童指導の充実には少人数学級の効果が期待される」と述べ、必要な教員加配を県などに要請すると答弁。川崎市でも県頼みでなく、市独自で小学校3年生、中学校で少人数学級を導入すべきです。

中学校給食は自校調理方式の箇所数を増やすなど市民要望をよく反映したものに

 長い間の市民の願いであった中学校給食がようやく実現することになりました。共産党は、生徒、保護者の要望に応える安心・安全・適温・食育が真に生きる中学校給食の実現をと、最大限自校調理方式の実現を求めてきました。北部の2校は自校調理方式で実現することになりましたが、大規模センター3ヵ所を中心とする中学校完全給食実施方針が決められました。しかも、PFⅠ方式で設計・建設・維持管理・運営まで一括して発注するというものです。PFI方式は、特定の事業者に長期にわたって大きな便宜を与え、特定事業者との取引関係の長期化によるリスクが以前から指摘されており、地元事業者へ発注し、地域経済活性化のためにも、食育の充実とアレルギー対応のためにも、自校調理校を増やすよう求めています。
 「早期実施のため」を理由に大規模センターPF1方式を導入したのに、今年1月、市教委は開始時期が10ヵ月程度延期されると発表。一方で自校調理2校は予定通り2016年度中に実施されるとのことです。いまこそ、運動場に影響なく自校調理が可能な10数校をはじめ、自校調理校を抜本的に増やすよう、計画を見直すべきです。

高校奨学金は希望する生徒全員に支給すべき

 格差と貧困が広がるなか、川崎市の給付制の奨学金は経済的に困難な家庭の高校生にとってなくてはならない制度です。12年前の03年度の予算は5557万円でしたが、年々減額され、2012年度には4322万円と1千万円以上も減額されました。応募者数は年々増え、2012年度には1277人にも及ぶのに採用は350人にとどまっています。
 こうした事態に市は、2014年度から予算総額を変えず収入基準を生活保護基準とし、さらに成績面を3・5以上とし対象者と給付額を見直す(公立高校3年生の場合、12万3500円の支給額が4万6000円に7万7500円も減額)条例改定を提案。受給資格の絞り込みと給付額の大幅削減を内容とする大改悪でした。
 格差・貧困の増大に見合った規模に予算を抜本的に拡充し、希望するすべての生徒が受給できるようにすべきです。

高校奨学金の給付額を大幅減額する改悪阿部市長が廃止した生活困難な家庭の子どもへの支援策

《お約束》

  • 産科医師を増員し、分娩できる病院を増やします。救急搬送の迅速化、周産期医療体制を拡充します。
  • 小児医療費助成制度を、通院を含め、所得制限を撤廃し、中学卒業まで拡大させます。
  • 待機児童ゼロをめざし、認可保育園の増設の規模とテンポを引き上げます。保育士の安定確保のための支援を強めます。
  • 園庭のある認可保育園を増やすため、用地確保に全力をあげ、国有地・県有地・公有地の活用を推進し、民有地を含め有償でも用地を確保して増設をすすめます。
  • 園庭のない既存の認可保育園の外遊び・プール遊びを保障するよう求めます。
  • 市の保育士(人件費)を減らすことを目的とした待機児解消策にもならない公立保育園の廃止・民営化をやめさせます。
  • 子ども・子育て支援制度の実施にあたっては、市民要望に応え、児童福祉法24条1項にもとづき、市町村の保育実施義務を明確にしている認可保育園の整備を基本とします。
  • 私立幼稚園の保育料補助は月1万円増額、入園料への10万円補助を創設します。
  • 幼児教育への公的責任を明確にし、公立幼稚園を各区に1ヵ所以上新設するよう求めます。
  • 子どもの増加にみあった公園・遊び場の整備をすすめ、雨の日も遊べるログハウス(横浜市は各区1ヵ所整備済み)を各区1ヵ所整備します。運動広場を増やします。
  • 小中学校の少人数学級を推進し、当面、全校の小学校低学年と中学1年生で35人以下学級を実施します。
  • 小中学校の教員欠員を解消します。
  • 市内の児童・生徒に差別・選別を持ち込む中高一貫校をこれ以上設立しない。
  • いじめ・不登校対策にとりくみます。
  • 放課後児童健全育成事業は児童の生活の場を保障するものとなるよう改善を求めていきます。「わくわくプラザ」の改善をすすめ、自主学童保育への財政支援をおこないます。
  • 児童虐待の防止対策を強化し、相談対応する児童福祉司など専門職員を大幅増員します。
  • 貧困から子どもを守る各種支援策(ランドセル、メガネ代、卒業アルバム代補助等)を就学援助で復活・拡充します。
  • 安全・適温・食育が真に生きる中学校給食は自校調理方式の箇所数を増やすなど市民要望をよく反映したものにします。
  • 高校奨学金の予算を大幅増額し、希望者全員が受給できるようにします。
  • 市立高校定時制の夜食代補助を復活します。

子どもを貧困から救い出す手立てを

“時計が読めない”高校生

 2014年11月、高校生の就職内定率聞き取りのため市立川崎高校定時制課程を訪問したときのこと。「時計が読めない生徒がいる」という話を伺いました。この衝撃的な事実の背景には、小さいころからの経済的な貧困があるといわれています。
 「生活保護自立支援 川崎モデルの実践」(川崎市生活保護・自立支援室編 ぎょうせい)にも、「分数がわからないため、日常会話で『だいたい二分の一だから…』と言われても、それが『半分』を意味することが解らない。九九が苦手で割り算ができないから、ご飯を食べに行っても割り勘ができない。基本的な漢字が書けないので日報が書けない」という、ある市立高校定時制の教師の話が載っています。
 市立川崎高校は2014年4月に中・高一貫校として開校。「将来の川崎のリーダーとして」「国際社会で活躍する生徒」を教育理念に全市の小学校から選抜し、修学旅行は海外、一人ひとりにパソコンが与えられるなど恵まれた教育環境が整備されています。その同じ校舎の定時制で起きている生徒の実態です。

弁当をもって来れないため、お昼休みを校庭で過ごす中学生

 市内のある中学校での聞き取りでは、弁当を持ってこられないため昼食時を校庭で過ごす生徒、給料日前には小さな菓子パンしか持ってこられず、それも買えなくなると学校を休む生徒、ケガをしても病院にかかれないため自宅で治るまで学校を休む生徒など本当に心痛む実態が報告されました。
 2014年7月の「平成25年国民生活基礎調査」によると、18歳未満の子どもの貧困率は16・3%と過去最悪を更新しました。
 「休み中は十分な栄養がとれないためか、夏休み中にやせる児童生徒が増加している」「永久歯32本中26本がむし歯でも医者に行かない、視力が0・06でもメガネをかけない」(『保健室から見える子どもの貧困の実態』より)など、子どもの貧困は、学力、健康などへの影響にとどまらず、大人になっても影響があり、貧困の連鎖が指摘されています。
イメージ 2013年、子どもの貧困対策法が成立しましたが、自治体においても、子どもの成長に応じた様々な段階で「貧困」から子どもを守る施策が求められています。
 子どもの医療費無料化、保育園への入所、就学援助の拡充、学習支援、高校・大学進学奨学金の拡充など進学のための支援、高校卒業後の就職支援などのように、子どもが自立するまでのきめ細やかで寄り沿い型の支援が必要です。
 子どもたちを貧困から救い出し、貧困の連鎖を断ち切るために、前市長時代に削られた子どもへの福祉施策を復活し、子どもの自立までの支援施策をつくっていきます。