私たちの提案

第3章 実現めざし全力をつくします ―日本共産党の重点政策

7、災害に強く、環境にやさしい、公害のない川崎を

 2011年3月11日東北地方を中心に襲った、わが国史上最大のマグニチュード9の大地震と大津波など東北地方太平洋沖地震による「東日本大震災」では、観測史上最大の被害をもたらし、死者1万5000人を超え、行方不明者も約4000人と、人的・物的被害は極めて甚大で広範囲に及び、4年たった今も避難生活を強いられている人は約23万4千人もいます。東日本大震災は、これまでの防災に対する常識を根底から覆し、切迫性が指摘される首都直下型地震に対する想定や備えについて検証が迫られました。

2013年3月発表の川崎市地震被害想定調査結果

耐震補強工事の助成拡大を

 阪神・淡路大震災では犠牲者の約8割が建物と家屋の倒壊による圧死だったといわれています。市の被害想定では、川崎市直下地震による建物被害は全壊約2万2300棟(約9%)、半壊約4万9800棟(約20%)。建物被害による直接経済被害額は3兆3941億円、避難者数(震災1~3日後36万人など)も住宅の全壊・焼失・半壊では100%避難すると想定して試算しています。これらの想定を踏まえるならば「予防対策」として、まず何よりも建物倒壊・被害を減らすための住宅の耐震化をあらゆる手段を駆使して最優先で推進すべきです。
 ところが、それを推進する最も有効な市の支援策である木造住宅耐震改修助成事業は、旧耐震基準(1981年以前建築)で助成対象となる住宅が約8万3千戸もあると推計されているのに、2014年度の耐震診断件数は321件で、そのうち、耐震化工事の実績は95件にとどまり、3割に過ぎません。
 診断結果が改修に結びつかないのは改修工事への助成が率でなされ(補助率2分の1)ていることが原因です。助成を率でなく、横浜市のように金額で助成する制度に改善すべきです。
 川崎市では、単年度予算の関係で、1月末までに工事完了でなければ助成申請ができない状況です。横浜市では「改修工事計画承認から1年以内の改修工事完了の報告」が条件となっており、年度をまたいで工事は可能です。川崎市も、こうした柔軟な対応を行うべきです。
 また、厚木市や茅ケ崎市、海老名市などのように、住居内の1部屋を鉄骨で補強する耐震シェルター設置費助成制度や、東京都渋谷区のような「木造住宅簡易補強工事助成制度」など、災害被害を軽減するための耐震化工事を促す制度創設にふみ出すことが必要です。

脱原発、再生可能エネルギーへの転換を

 2011年3月11日の東日本大震災は、福島第一原発事故による放射能被害を伴う大災害となりました。わが国史上最悪の福島第一原発の事故は、いまだ収束しているとはいえません。
 原発はひとたび重大事故が発生し、放射性物質が外部に放出されると、それを抑える技術は存在せず、被害は空間的にどこまでも広がる危険があり、将来にわたって危害を及ぼします。原発周辺の10万人以上の方が避難を余儀なくされ、農水産物にばく大な被害をもたらしたように、人間社会、地域社会を破壊します。
 日本共産党は、現在の原発の技術は未完成で危険なものだとして建設には一貫して反対してきましたが、いまこそ、原発から撤退し、再生可能な自然エネルギーへの転換をはかるべきです。
 全国各地の自治体で計画的に再生エネルギーを飛躍的に導入する取り組みが始まっています。川崎市でも、担当部署を設置し、臨海部や市内に存在する未利用エネルギー(太陽光、太陽熱、風力、地中熱、工場の排熱など)を種類別に可採量について調査を行ない、期限と目標値を決め、川崎市のエネルギー政策を再生エネルギー政策へと抜本的に転換すべきです。

川崎市内の二酸化炭素排出量の部門別構成比

大企業の事業所ごとのCO2削減目標を明確に

 地球温暖化対策はいま世界が緊急に取り組むべき課題です。東京都では2010年度から事業者に未達成の場合の罰則も含めたCO2削減を義務づけています。産業部門からのCO2排出量が8割を占める川崎市においては、現行条例でも事業者にCO2排出量の公表を求めることは可能ですが、市は「企業活動は国際社会に大きく貢献し」、「市内に限定することなく地球全体での削減が重要」と、企業に削減を求めず、擁護する態度に終始しています。東京都のように事業者にCO2排出量の公表を求め、未達成の場合の罰則も規定した削減も義務付けるものにすべきです。

太陽光発電への補助増額を

 原発依存をやめ、安全で再生可能な自然エネルギー中心の社会への転換を目指す取り組みの1つとして太陽光発電の普及を大幅に増やすことが求められます。
 市は2011年度、太陽光発電の補助件数を900件から1500件へと拡充しました。ところが、件数拡大と引き換えに補助金額1kwあたり3万5千円を2万5千円に、また、県の補助金と合わせ、上限を24万円から13万9千円に引き下げてしまいました。
 2013年度は補助件数も1500件から1300件へと引き下げ、上限13万9000円を8万7000円に引き下げました。さらに2014年度は補助件数を1300件から1000件に引き下げてしまいました。東京都では、多くの区が独自で1kwあたり10万円、新宿区では10万円、上限30万円補助をしています。
 太陽光パネル設置には一戸あたり平均200万円必要なことから、住宅用太陽光発電施設をさらに促進するために東京都のように大幅に補助金を増やすべきです。

太陽光パネル設置への補助金実績

公害対策の抜本的な取り組みを

 大気汚染の状況は、工場から自動車排ガスへと広がり深刻な状況がつづき、その結果、ぜん息に苦しむ市民が増えつづけています。公害患者や家族の方たちのねばり強い運動により、全市全年齢を対象とするぜん息患者の医療費助成事業が07年1月から実施されましたが、医療費の一部負担が導入されました。自己負担1割の撤廃、対象疾病の拡大など大気汚染公害裁判の到達点に立った改善をはかることが必要です。

《お約束》

  • 地球温暖化対策として、東京都のように事業者にCO2排出量の公表を求め、未達成の場合の罰則も規定した、削減も義務付ける条例改正をおこないます。
  • 公共施設等への太陽光発電の設置計画を抜本的に引き上げ、自然エネルギーへの転換を目標値をもって取り組みます。
  • 木造住宅耐震補強制度を使いやすく改善します。住宅の一部を補強して安全な部屋をつくる改修事業を創設します。
  • 市民のライフラインを確保するため、水道事業におけるバックアップ機能を強化し、即応性の高い地下水を供給できる生田浄水場を存続するよう求めます。
  • 「緑の基本計画」で決めた緑の総量30%の目標達成の重要な要素である、市内に残る斜面緑地を買い取り、借上げ、保全協定などあらゆる手法を駆使して、緑の大幅な保全に努めます。
  • 農地を保全するため、生産奨励金の増額、学校給食への地元農産物の利用など販路の拡大などの施策をおこないます。買い取り申し出のあった生産緑地は市が買い上げ、市民農園として活用します。相続税軽減の法整備を国に要求します。
  • 「川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例」は患者1割負担をなくし、大気汚染被害者の救済制度と位置づけ、改善・充実をはかります。
  • PM2・5を新たな指標とする公害健康被害補償法を創設し、被害者救済を行なうよう、国に働きかけます。
  • 普通ごみの収集回数を週3回にもどします。家庭ごみの無料収集を堅持します。