私たちの提案

第3章 実現めざし全力をつくします ―日本共産党の重点政策

8、安全で安心、いつまでも住み続けられる川崎を

拠点開発による環境破壊やめよ

 川崎市は国の都市再生・規制緩和路線にのり、土地の有効利用を理由に次つぎと地区計画を変更し、拠点開発に集中的な投資をおこない、ターミナル駅周辺地区の再開発や臨海部の再編整備、民間都市開発の誘導と事業化を推進してきました。
 中原区の武蔵小杉周辺は、こうした再開発によって高さ60㍍を超えるビル・マンションが駅周辺地区に23棟建設される予定で、うち16棟は100㍍を超えるとされています。大型商業施設の進出も顕著です。こうした開発で1万5千人もの人口増となり、今後も1万人以上の増加が見込まれ、07年~2016年度の間に約2万5500人の人口増となります。再開発事業に関係する企業は、鹿島、大成、東急、前田、竹中、清水、三井など大手ゼネコンが名を連ねています。この開発が住民や地元業者からの要望で始まったものではなく、大手ゼネコンやデベロッパーによる利潤追求のために進められてきたことは明白です。

小杉駅周辺地区再開発に総額589億円(市費376億円)

 04年度~12年度までに小杉駅周辺地区再開発に投じられた公費は、総額で589億円、うち市費は376億円にものぼっています。
 当初から危惧されていた社会的インフラ整備の不足が現実の問題となり、保育園不足や小中学校の過密化の問題が顕在化。また、日照妨害、風害、交通混雑など様々な環境問題が深刻化しています。
 歴代政権のもとで推進された、“国際都市間競争に勝ち抜くために大都市づくり”の具体化が「都市再生緊急整備地域」であり、「国際戦略総合特区制度」であり、安倍政権のもとで新たに打ち出された「国家戦略特区」です。「特区」という名前はついていませんが、「再開発促進地区」指定による開発推進も同様の手法です。
 それは、交通の結節点などのあるエリアを拠点地区として定め、その拠点整備を促進するために、都市再開発法にもとづき、都市再開発方針で「再開発促進地区(2号地区)」を指定、そこに規制緩和的都市計画手法を重ね、あわせて公共施設の整備を集中的にすすめていく手法です。
 武蔵小杉周辺地区はまさにこの方式で開発されたもので、広域拠点として位置付け、再開発促進地区(2号地区)を指定、駅付近では市街地再開発、周辺では究極の規制緩和手法といわれる再開発等促進区(建築物の用途、容積率などの制限をさらに緩和)を定めました。これにより、容積率の大幅な緩和がなされ、超高層マンションが林立する地域になったのです。この結果、容積率は268%が600%にまで緩和され、これによる企業の受益額は、研究者の試算では約340億円にものぼるとされています。こうした大企業本位の開発、まち壊しにつながるこれ以上の規制緩和をやめ、大規模開発をやめさせるよう知恵と力を尽くすときです。

武蔵小杉駅周辺地区に適用された都市計画手法と容積率緩和

強権的な土地取り上げに市が加担
 小杉町3丁目東地区再開発計画では、一方的に都市計画区域内に組み込まれた住民がいました。その方たちに事前に何の説明もなく、また、再開発への合意を得る努力もせず、市は都市計画決定をしてしまいました。
 都市再開発法では、地権者の3分の2の同意があれば行政処分権によって同意しない地権者も再開発組合に強制加入させられ、土地建物に関する権利は本人の意思にかかわらず権利変換によってビル床を与えられるか、補償金を得て立ち退くかを迫られます。
 市の決定を聞いて、親の代から住み続けてきた住民は、「死刑判決が下されたようだ」、97歳と96歳の母親を介護している女性たちは、「高層マンションへの移住は母親の死を意味する」と落胆の声をあげました。
 市長は、「全員の合意を得るのは難しい」と突き放した態度をとっていますが、川崎市は最大の地権者であり、この再開発には77億円もの公費が投入され、公共施設も入ることを考えれば、市の責任で住民合意をはかるべきで、それが得られない以上、都市計画手続きを中止すべきです。市がここまで住民の声を無視するのは、都市計画関係資料に「どうしても容積率600%を確保したい」とあるように、まさに市民よりも大手デベロッパーに眼が向いていることの表れです。

さらに容積率を緩和するための“低炭素のまちづくりガイドライン”

 野放図ともいえる規制緩和による再開発で環境破壊がおきているときに市はこうした環境破壊を反省するどころか、2014年10月、最高、従来の1・6倍の容積率緩和を可能にする新たな規制緩和基準、「低炭素都市づくり」のガイドラインを策定。低炭素を口実に容積率をさらに倍まで緩和しさらなる開発推進の姿勢を打ち出しました。規制緩和はとどまるところを知らないありさまです。

斜面地マンション建設など脱法的開発規制を

 マンション建設をめぐる周辺住民とのトラブルが後を絶ちません。
 原因の一つはマンション建設によって生じる日照時間の短縮や眺望のさえぎりなど、周辺住民の住環境の悪化です。周辺と調和のとれた住環境を保障する仕組みづくりが必要です。
 04年には住民のねばり強い運動で斜面地マンションを規制する条例ができましたが、意図的な盛り土で架空の地盤面をつくりだすという、条例の抜け穴を使った斜面地マンションの建設や、本来一体的に開発すれば都市計画法に基づく開発の許可や、川崎市の総合調整条例に基づく近隣住民との事前調整と行政との協議などが必要とされる土地を、それらが不要な500㎡未満に小分けして開発をくり返す行為が横行しています。こうした脱法行為の規制が必要です。

市民が安心して外出できる交通体系の整備を

 身近に交通手段がない交通不便地域に住む方々から、「買い物や病院に出かけるのが大変」という切実な声が寄せられています。丘陵地などにくまなくコミュニティ交通(ミニバス等)が走り、高齢者・障害者・子どもたちが安心して外出できるような交通体系を整備することが求められています。

《お約束》

  • 「川崎市民がいまも、これからも快適に暮らすことができる」まちをつくることを目標に、マスタープランの抜本的な改定を市民参加でおこない、市民の声がまちづくりに生きるようにします。
  • 大規模マンション建設に道を開き、まち壊しにつながるこれ以上の規制緩和は止めるよう求めます。大規模マンションなど一定規模の開発の際は、保育園や学校など、公共施設の提供を義務付けます。
  • 斜面地に脱法的に何層もの階を重ねるマンションなどの問題の改善へ条例改正をおこないます。
  • 高齢者や障がい者施策に対応したバリアフリーの公共交通網の整備を行います。
  • 交通体系を住民本位に整備します。
  • 交通不便地域や高齢化の進んでいる地域に、コミュニティ交通・ミニバスを導入するために車両購入費など初期投資とともに運営費への補助の新設を求めます。
  • 地下鉄事業は、市民の声を聞き、市の財政状況を見極めながら検討します。
  • JR南武線、久地駅、中野島駅の橋上駅舎化の早期事業化を求めます。
  • 武蔵小杉駅は横須賀線新駅ができて以降、乗り換え客でたいへんな混雑になっており、ホームドアの設置を含め、安全対策をJRに求めます。
  • すべての駅にエレベーター・エスカレーターの設置を促進します。
  • 小田急線の混雑緩和と踏切解消のため、向ヶ丘遊園駅前-新百合ヶ丘駅間の複々線地下2層化を進めるよう、小田急に働きかけます。
  • バス路線の再編整備は、不採算路線であっても市民が利用している路線は廃止・縮小しないよう求め、運転手、車両を増やして、新しい路線を要望する市民の声にこたえる交通体系となるようにします。
  • 市内のバス専用レーンなどを拡充し、定時運行を確保できるよう、改善します。
  • バス停上屋の設置は、各種条件があるとしても、年間10カ所程度では少なすぎるので、予算の増額で箇所数を増やします。ベンチの設置を進めます。
  • 自転車等駐車場の増設を急ぎます。機械式の普及、利用率の悪い多層式駐輪場を改修するなど、導入数を増やします。利用料金の値上げには反対します。