私たちの提案(2023)

第2章 日本共産党川崎市議会議員団3つの値打ち

2、税金ムダづかいをやめさせるために奮闘

かつて川崎港の第2バース建設計画を中止させました

川崎港コンテナターミナルに市費145億円をかけて第2バースを建設する計画が浮上した際、共産党はくり返し中止を要求。マスコミも次つぎムダづかいの公共事業として報じるようになりました。2000年12月議会の代表質問で共産党が「中止すべき」と迫ったとき、ついに市長が「第2バースについては当分の間、整備を見合わせたい」と答弁。新聞各紙が「第2バース整備、当面見合わせに」(朝日)と報道。また、浮島への7万人サッカー場建設などの臨海部イベント事業(約1千億円)なども市民の署名運動と力をあわせ中止に追い込みました。

臨海部での不要不急の大規模開発、ムダづかいの開発事業やめよと主張

1メートル1億円の高速川崎縦貫道路の建設、水江町・殿町3丁目など企業誘致のための莫大大な用地取得、川崎港コンテナターミナルの巨大化事業に今後10年で1千億円(その後870億円に修正)かかるといわれる「国際コンテナ港湾整備」、すでに300億円もつぎ込んでいる「京浜臨海部ライフイノベーション総合特区構想」、約300億円かかる「羽田連絡道路建設」、新たに取り組み始めた、約300億円かかると予想される、まちこわし鉄道整備計画「川崎新アプローチ線事業」など、不要不急、税金ムダづかいの大規模開発事業に反対し、中止を求めているのは共産党だけです。

3、議員・議会ほんらいの役割を果たす

市民の声を行政・議会に届けるパイプ役市民アンケートの取り組み

市民から負託を受けた議員の仕事は、市民の声・要望をしっかりと聞き、その声を行政や議会に届け、実現するために働くことです。そのために共産党市議団は、市民・住民団体と懇談して要望を聞き取ったり、視察調査、市民の生活相談に親身にのるなどの活動に全力をあげています。

①全市民を対象にしたアンケートを2年に一度のペースで配布して生活実態や地域要求など、生の声を寄せていただくための「市民アンケート」を実施してきました。

毎回のアンケートには約4千通~5千通の回答が寄せられ、その中には身近な地域要求や、子育て・福祉施策などへの切実な要望がびっしりと書かれています。7行政区の各議員は地元の公園整備や道路のデコボコなど地域要求について各議員が出向き、市や区の担当者に対応を求め、改善を進めてきました。さらに市長宛に要望を提出し、市政運営に生かすよう要求してきました。

広く市民の声をしっかり聞き、要求実現に頑張るのは議員として当たり前の活動ですが、こうした全市民に向けたきめ細かなアンケート活動は共産党以外の会派には見られません。

2018年市民アンケートに寄せられた回答4500通超
2018年市民アンケートに寄せられた回答4500通超

②各団体の皆さんとの懇談会―毎年、約40団体と毎年、各分野の皆さんと懇談を重ね、お聞きした要望やご意見を議会で質問したり、予算要望書にまとめて市長に提出しています。

その結果についても皆さんにお返しするようにしています。弁護士会から寄せられた法律相談の回数改善など議会質問で要望が前進した例が数多くあります。

共産党市議団が4年間で行った研究委託

共産党市議団が4年間で開催した学習会・講習会

チェック機能を発揮、マスコミも「議会で丁々発止のやり取りをするのは共産党だけ」

議会と首長が互いをチェックしつつバランスをとる二元代表制のもと、地方議会の存在意義は、市長と市政運営のあり方、税金の使い方を住民の目線でチェックすることにあります。 共産党は、市民のくらし・福祉を犠牲にして不要不急の大規模事業に税金投入するやり方を厳しくチェックし、中止するよう議会のたびに要求してきました。しかし、市長の提案する議案にすべて賛成してきた市政のもとで、こうした役割は共産党以外は発揮されませんでした。

「議会で丁々発止のやり取りをするのは共産党だけ」(東京新聞03年2月25日)といわれる状態が続いています。

議案提案権を行使して、市民の立場に立った条例案を提案

共産党は毎年3月の予算議会で「予算組み替え」を提案するほか、「住民投票条例」「地球温暖化条例」の修正案、「水道料金値下げ案」の提案、「住宅リフォーム助成条例案」の提案など、議案提案権を積極的に行使して、条例・議案の提案を行なってきました(その要旨は以下の通り)。共産党以外の自民党、公明党などは、市長の提案にすべて賛成し、住民からの批判が厳しくなると、実効性のない“附則”をつけるなどでお茶を濁すやり方をとってきました。

▼市民の暮らしを応援する予算へ、毎年予算の組み替えを提案

市民の目線から分析すると、毎年の市長提案予算は賛成できるものではありません。共産党はただ反対するだけでなく、毎年財源を示して予算組み替え案を提案。税金ムダづかい・不要不急の大規模事業を中止し、市民のくらしを支える予算にと、福祉や教育、地域経済の活性化に重点配分するよう要求してきました。

▼小児医療費助成条例の修正案を提案

2015年予算議会で「川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例」の修正案を提案。

これは、通院医療費の助成対象となる年齢を中学校卒業まで引き上げるとともに、所得制限を撤廃するための修正案です。東京都内をはじめ、政令市の京都市、千葉市やさいたま市など首都圏などでは所得制限なしで中学校卒業までの無料化・助成が主流であることに加え、神奈川県内でも小学6年生や中学卒業までの自治体が増え、小学校2年生の川崎市(当時)は最低レベルである状況で、しかも、所得制限のために対象人口のうち約1万9千人、16%の子どもたちが助成を受けられない著しい不公平、負担感が生じていると指摘。本来、子どもの医療費は親の所得に関係なく無料にすべきであることから、条例提案したもの。

2016年予算議会では、新年度から通院助成の対象が小学校3年生まで1歳だけ拡充されるという条例の改正案が提案。しかし、依然として所得制限があるため、これでは1万6741人13.3%が助成を受けられない実態を示し、所得制限の撤廃と中学生までの医療費無料化拡充を求める条例修正案を提案しました。

2016年9月議会では、2017年度から通院の助成対象を小学校3年生から6年生まで年齢を引き上げるとともに、1回上限500円の窓口負担を導入するという条例改選案が提案されたのに対して、窓口負担の導入をやめ、所得制限の撤廃と中学生までの医療費無料化を求める条例修正案を提案。

市長は窓口負担の理由に「持続可能な制度にするため」とするが、地方交付税交付団体の県内25自治体が窓口負担を導入していないのに、政令市トップの財政力を誇る川崎市が導入するのは矛盾していると批判。子どもの命、健康と親の所得は関係ないものであり、「子どもの権利条例」を制定している川崎市として所得制限は速やかに撤廃すべきであると強調して、提案理由を行ないました。

▼介護保険料条例の減額修正案を提案

「川崎市介護保険条例の一部を改正する条例」に対する修正案も提案(2015年予算議会)。

3年に一度改定される介護保険料。第6期介護保険料(2012年~2015年)が現行の5014円から524円値上げし5540円とする条例案が提案されました。しかし、高齢者の皆さんは、年金の給付が減るもとで消費税率引き上げや円安による物価の上昇、医療費の引き上げなどでかつてない厳しい生活を強いられており、市の高齢者実態調査でも、現行の基準額5014円でさえ高いと感じている方が76%にのぼる実態を示し、これ以上の値上げをしないよう修正案を提案。第1号被保険者の基準保険料を据え置き、低所得者の負担軽減策として所得水準の低い第1、第2段階の方の負担割合を引き下げ、保険料率を現行の基準保険料の0・5から0・45にすること、所得水準の高い被保険者に応分の負担を求めるため、介護保険料段階を現行の13段階から15段階に細分化するというもの。

▼住宅リフォーム資金条例の提案

市民が市内業者により、住宅リフォーム工事を行った場合に経費の一部を助成する条例案を提案(2015年予算議会)。市内建設業者の仕事不足は深刻な状況です。住宅リフォーム助成制度は、市内建設業者の仕事起こしにつながり、経済波及効果も高いことから、全国約630自治体、県内でも12自治体で(当時)取り組まれていることを紹介。同時に、住宅の耐震化、バリアフリー化も対象にいれた制度創設は安心安全に、住みなれた住宅に住み続けたい市民の願いにこたえるものであり、川崎市でも導入に一刻も早く踏み出すよう提案したもの。

▼環境・みどりを守る―温暖化防止条例をめぐる論戦

地球温暖化は、地球環境に深刻な影響を与える恐れがあることから、その防止策は避けて通ることができない人類共通の課題として数値目標を定め、着実に取り組むことが求められています。2020年までに温室効果ガス(CO2)を1990年比で25%削減するという政府の目標を達成するには、川崎市では市内排出量の8割を占める大企業(産業部門)への実効ある対策が求められます。

ところが市長が提案した条例案は、削減目標を定めず、「罰則を課すことにはなじまない」としてCO2排出業者に自主的取り組みを促すだけの実効性のないものでした。共産党は、25%削減の目標を盛り込み、指定・特定の事業者に削減目標と計画書の提出を義務づけ、企業への勧告、罰則を含む条例に改めるよう修正案を提案しました。

▼水道料金の値下げは市民に手厚いものに

09年9月議会に阿部市長が提案した水道料金改定案は、全体の96%が大口利用者・大企業向けの値下げで、市民の値下げ分はわずか4%というものでした。大型商業施設ラゾーナ1社で月額1600万円の値下げになりますが、市民には3年間の基本料金をわずか月50円値下げするだけで、市民よりも大企業奉仕の値下げ案でした。共産党は、大口利用者など企業の負担責任を継続して財源を確保し、平均家庭(月20t使用)では月320円値下げするなどの修正案を提案。不況に苦しむ市民の生活実態から、市民に手厚い値下げをと主張しました。

専門家への研究委託、講演会の開催、旺盛な現場視察で調査、論戦力を高め、市民要求実現に奮闘

二元代表制のもとでも、憲法は合議制をとっている議会に議事機関としての役割を与え、少数意見を含めた住民意思の反映が期待されています。

「議会こそ第一義的な住民代表機関」(小林武愛知大学法科大学院教授)としての役割を発揮することが求められています。

共産党は、先進的な取り組みをしている自治体への視察を行ない、学習・講演会を取り組み、また、専門家にその時々の課題について研究・分析を委託し、その結果を市に示すなどして解決の方策をともに考える姿勢を貫いてきました。

子どもの居場所を考えるつどい16_03

介護保険法の学習会TPP・種子法廃止についての学習会

 「働き方改革」法案の学習会 「川崎市の低炭素都市づくりに関わる」研究委託冊子
「川崎市の低炭素都市づくりに関わる」研究委託冊子↑

共産党市議団が4年間で行った視察
こどもの里(大阪市)兵庫県立神出学園

浪江町山王こどもセンター(大阪市)

伊達市障がい者グループホーム鹿児島しょうぶ学園

《議会改革》

▼開かれた議会へ、傍聴者に資料が配布されることに

議会の役割を果たすためには、ガラス張りの議会にすることが必要です。川崎市議会は、常任委員会も基本的に傍聴が自由ですが、議員に配布される資料が傍聴者には配布されないため、傍聴していても内容がよくわからないとの声が出ていました。共産党は、傍聴者が審議内容を理解するうえで審査内容の資料配布は不可欠だと、傍聴者への配布を求め、2010年12月議会から無償配布することが決まりました。

▼共産党の提案と独自のとりくみが実り、政務調査費(現在は政務活動費)は1円から領収書添付で公開へ

市民への充分な情報公開につとめると同時に、清潔・公正な議会にすることが求められています。こうした立場から、共産党は、政務調査費の使い道について1円単位で領収書付きで公開することを要求し、01年には条例提案もおこない、自民・民主・公明・ネットなど他党の反対で否決された後も、共産党市議団は独自で1円単位から公開してきました。ようやく、08年度から1円以上から政務調査費の収支報告書が領収書付きで公開。2013年予算議会に、政務調査費の使途を、「従来、認められなかった陳情の要請活動のための旅費」などまで「その他の活動」として支出できるように拡大する、政務調査費の条例改定案が共産党以外の会派から提案。共産党は、使途範囲を広げる条例改定は行うべきでないと反対。条例が改定された後も、拡大された使途項目については支出をおこなっていません。

▼民主主義・住民自治の立場をつらぬく、住民投票条例の修正案提案

市民が投票によって市政を動かせるものとして期待が高かった住民投票条例。ところが、09年6月議会に提案された市長案は、住民投票“拒否”条例といえる代物で、市民の期待を大きく裏切るものでした。市民から、見直しを求める請願・陳情が短期間に13件も出されるという川崎市議会はじまって以来の異例の事態に。

条例案が審議された委員会では大勢の傍聴者が見守るなか、公明党議員が審議打ち切りを提案し、自・民・公が強行採決。共産党は、憲法と地方自治法の理念に基づいて「主権者は住民」の立場で、真に使いやすい条例の仕組みにするよう修正案を提案。与党が「実施後、適切な時期に見直しを行なう」との附則を追加せざるを得なくなるところまで追い込みました。

日本共産党の勝利で、自治体の役割を発揮する川崎市政へ転換を

地方自治体は、住民の福祉と暮らしを守る仕事を果たさなければならないのに、これまで見てきたように、福田市長の大規模事業に前のめりな市政運営に対して自民党も公明党も批判するどころか一緒になって推進しています。自治体本来の役割を投げ捨て、市長にもっと「行革を」と迫り、市民生活に追い打ちをかけてきた自民・公明党です。そのなかで、11人の共産党市議団は市民のみなさんとの共同で、市民要求を前進させ、数多くの実績を挙げてきました。共産党が提案した国・県への意見書案や決議に他党も賛成し、全会一致、あるいは多数で成立するという場面も多々ありました。※下表参照

共産党がもっと大きくなり、市議会での発言力が高まれば、さらに影響力を増すことができます。

くらしと福祉を守り、市民の願いを実現する確かな力となることは間違いありません。

市民の福祉・くらしを守るために働かせていただくためにも、2019年のいっせい地方選で日本共産党への大きなお力添えを心からお願いいたします。

共産党市議団が4年間で提案した意見書案と各会派の態度

減債基金残高等推計(一般会計分)(単位:億円)表②人口1人あたりの減債基金残高(全会計)及び市債残高(普通会計)政令市比較