私たちの提案(2023)

第3章 実現めざし全力をつくします―日本共産党の重点政策

3、すべての障がい者が豊かに人間らしく生活できる川崎に

06年度から実施された「障害者自立支援法」。障がい者が福祉サービスを利用するたびに原則1割の利用料を負担し、障がいの重い人ほど負担が重くなるという悪法でした。障がい者と家族のみなさんの廃止を求める運動で2012年に「総合支援法」となりました。しかし、最も問題だった「応益負担」「障がい程度区分」が存続され、違憲の自立支援法の骨格を残したままであり、自立支援法の廃止を心から望んでいた障がい者のみなさんの願いを踏みにじるものでした。総合支援法を抜本的に見直すべきです。

障がい者の福祉サービスが低所得1・2の方は無料となりましたが、医療費の負担はまだ残っているため、国が無料にするまで市独自で無料化することが必要です。

2012年度から川崎市は心身障がい者手当の削減を強行。神奈川県が先行実施したことですでに大幅に減額されていたところに追い打ちをかけるものでした。支給対象者に精神障がい者を加えたものの、「重度重複障害者」に限定したため、2万人以上も受給廃止となってしまいました。2013年度からは、施設利用のない軽度障がい者や介助者の無料バス乗車証の廃止も強行。介助者なしには行動が困難な障がい者にとって、本当に過酷な削減で、関係者のみなさんからは悲鳴があがっています。

障がい者通所施設への定率加算を半減

2013年に当選した福田市長は、「障がい者雇用日本一を目指す」と公約しました。しかし、精神障がい者の雇用支援を専門におこなってきた社会参加支援センターの廃止を強行し、3ヵ所の就労支援センターに統合してしまいました。2015年には障がい者通所施設の運営費への市単独定率加算10%を5%に半減させました。この減額だけで2億9500万円。利用の少ない加算も廃止するとして合計約3億円もの予算削減を断行。しかも、事業者への説明の2ヵ月半後に削減実施という、非情なやり方でした。さらに「行革」で「重度障がい者医療費助成制度」も見直しの対象にしています。

親亡き後を見据えたグループホームの大幅な増設が必要です。市の計画では毎年90人分の増床に留まっており、テンポを上げた増設数にすべきです。

「総合支援法」のもとで、サービス提供事業者の経営は困難になっています。障がい者が地域で暮らすことを政策誘導しながら、その受け皿であるグループホームへの助成が低いため、運営から撤退する事業者も出ており、障がい者が利用できるサービスを提供できなくなる恐れもあります。障がい者施設などでの労働条件の悪化により、福祉労働者の離職が相次いでおり、職員を確保するための施策の充実が緊急に求められます。

障がい者差別禁止条例制定を

2017年4月から障害者差別解消法が施行され、差別は禁止され行政は合理的配慮を行うことが課されるようになりました。しかし川崎市は、具体的な差別の解消に有効な目に見える手立てを取っていないのが実態です。障がいのあるなしにかかわらず、この町で豊かに安心して生きていくことができる川崎にするために、だれでもどこでも公的な支援をうけられるよう、川崎市が行なう事業、予算を抜本的に増やすべきです。

《お約束》

  • 障がい者差別禁止条例を制定します。
  • 「障害者総合支援法」は、憲法と障がい者権利条約の趣旨にもとづき、当事者の参加のもとに改定するよう国に求めます。
  • 心身障害者手当を精神障がい者を入れて削減前に戻します。
  • 親亡き後の生活支援を図り、自立した生活を送れるようグループホーム、通所施設を増設します。ショートステイを増やします。ミドルステイを創設します。
  • 阿部前市政が廃止した障がい者施策を復活させます。
  • 低所得1・2の障がい者の医療費を無料にします。
  • 相談支援事業では実態に見合う相談員の確保をはかります。
  • 各施設への報酬引き上げを国に求めるとともに、当面、市独自で運営費補助を増額します。
  • 通所施設に対し2015年に強行した川崎市の定率加算5%削減を元に戻します。
  • 市独自の障がい児支援策を充実し、利用料は無料にします。
  • 無料バス乗車証を元に戻し、拡充します。
  • 障がい者雇用を増やします。
  • 災害時の障害者の命と権利を守ります。