私たちの提案(2023)

第3章 実現めざし全力をつくします―日本共産党の重点政策

5、中小企業と商店街への支援を強め、地域経済の活性化を

中小企業支援を中心にすえ予算大幅増額を

市内全企業数の99・2%、雇用者数の7・6割を占める中小・零細企業は、生産・流通・サービスの各分野で大きな比重を占めるだけでなく、市民の雇用を支え、生活を支える文字どおり「地域経済の主役」です。しかし、市の中小企業予算は、融資を除けば2018年度はわずか約7億円、一般会計に占める割合は約0・1%に過ぎません。そのため、中小企業の経営実態に立ち入って困難な事態を打開する施策がほとんどとられないできました。その一方で、10億円以上(中小企業の場合)を新たに投資する企業に、その1割を助成する「イノベート川崎」という助成制度を立ち上げ、2018年度までに3社に約15億円もの助成をおこなってきました。しかし、この制度で実際に助成を受けたのは資金力のある企業でした。

こうした税金の使い方を改め、地域経済活性化条例を制定した市として予算を抜本的に増やし、実効性のある施策を展開すべきです。中小企業にとって切実な要望は何よりも仕事起こしです。市の施策として、業者のみならず、市民にとっても要望の強い施策住宅リフォーム助成制度創設などに踏み出すべきです。

仕事おこし、消費の活性化を

2016年経済センサス活動調査結果(速報)によれば、市内の製造業は371事業所、建設業で291事業所も減少。従業員数が19名以下の小規模事業所は全事業所の86・7%、製造業では84・8%、建設業では92・5%です。小規模事業所への支援、中小企業が人材を確保する際の補助など具体的支援が求められています。

事業者にとって何より欲しいものは「仕事」です。「住宅リフォーム」や「住宅耐震化」を大幅に助成して促進することで、中小零細建設業の仕事おこしだけでなく、経済波及効果も高く地域経済の活性化につながります。市内の商店街は、2013年度234団体あったものが、2017年度には、211団体と減少。高齢者や障がい者にとって「歩いて行ける商店街」がなくなることは、重大な問題です。地域経済に欠かせない商店を守り、振興するための支援が求められています。

家賃・固定費補助でモノづくりへの支援を

大企業の海外生産移転がすすむ中で、優れた技術をもちながら仕事がない事業者への支援は待ったなしです。川崎の高度な技術の集積を維持するためにも販路拡大や仕事のマッチングを支援するときに、約8割が貸し工場といわれる町工場への家賃補助制度や固定費補助制度の創設が必要です。

市内業者がもつ製品・技術等を詳しくつかみ、他企業等のマッチングや販路拡大を支援し、仕事おこしにつなげます。技術革新・新開発の支援も積極的に行ない、販路拡大につなげます。

福祉・生活中心の投資へ切りかえる

何よりも川崎市の投資を福祉、生活中心に切り替えます。保育園や介護施設への投資は、建設業の仕事の増大だけでなく、地域内の雇用を増やし、地元商店街からの物品購入・消費などにつながります。生活・福祉の充実による市民生活の安定は将来不安からの消費抑制を解凍し、消費を促進します。

《お約束》

  • 地域経済の主役、中小企業への支援を強めます。
  • 公契約条例を改正し、実効性の担保を図ります。
  • 建設国保の補助金獲得と拡充、適用除外の広報を図ります。
  • 小規模改修登録制度の創設を図ります。
  • 地域経済に欠かせない商店街を守り、振興するための支援を強化します。
  • 融資対策を除く市内中小企業向け予算を一般会計の2%、140億円に増額します。
  • 融資制度を中小・零細企業が使いやすいものに改善し、大幅に拡充します。
  • 中小零細企業への経営支援を強めます。経営改善のための相談、計画立案や資金援助を行ないます。
  • 下請け相談窓口を開設し、大企業に下請けいじめをやめるよう働きかけます。
  • 川崎市内の高度な技術の集積を維持するためにも、約8割が貸し工場といわれる町工場への家賃補助制度を新たにつくり、固定費補助をおこないます。
  • 町工場へのものづくりへの援助・助成を強めます。中小企業が開発した製品を発表する自主展示会などへの会場費助成や発表会などへの出展支援と販路拡大の機会を積極的につくります。
  • 技術診断、新商品開発、販路拡大などを支援できる自治体職員の確保と育成に努めます。
  • 公共工事の中身を福祉・生活密着型に切り替え、地元中小建設業への発注比率を増やします。
  • 地元建設業者の倒産を防ぐため、緊急に生活関連公共事業、軽易工事の前倒し発注をします。また、福祉・生活密着型の投資を思い切って増やします。
  • 地震災害から多くの命を守るためにも耐震補強工事への助成制度を使いやすくし、助成額を大幅に増やします。
  • 市民が地元建設業者に発注する10万円以上の住宅リフォーム工事に補助する制度を創設します。
  • アスベスト被害の根絶、解体時の飛散防止策、診察できる医師の育成を図ります。
  • 川崎市の官公需契約の中小企業への発注比率(金額ベース)を当面70%以上に高めます。大きい工事でも市内の中小業者が受注できるように工夫し、市内業者ができない場合、準市内業者とのJVで市内業者育成をはかります。
  • 市発注の公共工事入札における最低制限価格を予定価格の85%に引き上げます。
  • 商店街の街路灯への電気料補助を引き上げ負担ゼロに。街路灯のLED化への補助を市独自で上乗せします。
  • 商店街の空き店舗をチャレンジショップ事業や高齢者のための会食サービス、配食サービスのための場所として提供し、助成を強めます。
  • 商店街の活性化に向けた若年後継者育成のため、専門性をもった市職員を配置します。
  • 商店街が行なうイベント等への助成を充実させます。助成をランク付けする「商店街ソフト事業」は見直します。
  • 業界やまちづくりのリーダー、後継者、中小零細業者、商店街を支援する市職員を育成するために、近隣の大学の協力も得て、本格的な教育・プログラムを実施します。
  • 川崎市税条例の減免規定を拡充し、廃業・休業に限らず著しく収入が低下した事業者も対象とします。