議会報告

2008年3月18日

「平成20年度川崎市一般会計予算」等の組替えを求める動議を提出


2008,03,18, Tuesday
共産党は3月17日、「平成20年度川崎市一般会計予算」等の組替えを求める動議を川崎市議会会議規則第15条の規定により提出しました。

「議案第32号 平成20年度川崎市一般会計予算」等の組替えを求める動議

「議案第32号 平成20年度川崎市一般会計予算」、「議案第33号 平成20年度川崎市競輪事業特別会計予算」、「議案第35号 平成20年度川崎市国民健康保険事業特別会計予算」、「議案第42号 平成20年度川崎市港湾整備事業特別会計予算」、「議案第46号 平成20年度川崎市公共用地先行取得等事業特別会計予算」、「議案第49号 平成20年度川崎市下水道事業会計予算」、「議案第50号 平成20年度川崎市水道事業会計予算」及び「議案第51号 平成20年度川崎市工業用水道事業会計予算」について、市長は別紙要領により速やかに組替えをなし、再提出することを要求する。

(別紙)
1 組替えを求める理由

いま、国民の間で貧困と格差拡大がすすみ、労働者、高齢者、障害者、中小業者などあらゆる層の暮らしと営業が「底が抜けてしまった」かのような不安と危機にみまわれている。貧困と格差拡大が進んでいる今こそ、市政運営の軸足を社会的弱者への行政サービスの維持、市民の暮らしを守ることに置くべきである。こうした立場から、次の組替えの基本方針及び内容により、2008年度の予算案の再提出を要求する。

2 組替えの基本方針

(1)貧困と格差がいっそう拡大しているもとで、「受益と負担の適正化」「持続可能な制度基盤の確立と施策の転換」の名のもとに行われようとしている、生活保護受給世帯への福祉措置による特別乗車証交付事業の廃止などの行政サービスの削減・廃止をやめさせ、拡充する。
また、この間、高齢者に増税・負担が集中し、さらに後期高齢者医療制度の実施でいっそうの負担が課せられようとしているなか、老人医療費助成事業の廃止を凍結し、高齢者福祉の切捨てをやめ、負担軽減をはかる。特養ホームの待機者が約4,700人という状況から、特養ホームを緊急増設し、在宅で介護している家族への介護援助手当を後活する。さらに、介護報酬などの相次ぐ引下げで人材確保が困難な施設に、職員の定着・確保をはかるための支援を行うものとする。
さらに、障害者自立支援法のもとで、障害者が過酷な負担にあえいでいるなかで、さらに負担増を押し付け、受診抑制を招くことにつながる、医療結核・精神医療付加金制度の廃止をやめ、サービスを利用できなくなる人が出ないよう、障害者の負担を大幅に軽減する予算に組み替える。

(2)子育て・教育にかかる費用が子育て世代の大きな負担となっており、この負担を軽減し、子育てしやすい環境を整えることは、少子化を克服するためにも緊急の課題である。そのための有効な手立てとして、認可保育園の緊急増設、私立幼稚園保育料増額と入園料補助創設、小児医療費助成制度の所得制限撤廃など子育て支援を充実する。
どの子もわかる授業を実施するため、少人数学級を拡充し、また、教育費の負担が高額になるなかで、保護者の負担を軽減するための施策充実をはかる。
(3)不要不急の大規模事業を中止し、一般会計および水道・工業用水道事業会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図り、市財政の倹全化に向けた一歩を踏み出す。

3 組替えの内容

不要不急の大規模事業の中止並びに基金からの借入れなどにより、約75億円を確保し、下記「(2)歳出予算の組替え」の施策を実施する。

(1)歳入予算等の組替え

ア 高速川崎縦貫道路関連事業(川崎縦貫道市負担金(約1億7千2百万円、市債発行の抑制約15億5千2百万円)、縦貫道関連409号新設改築・共同溝工事(約1億4千2百万円、市債発行の抑制約11億2百万円)、409号共同溝直轄負担金(水道事業会計)(約5千1百万円、市債発行の抑制約4億5百万円)、409号共同溝直轄負担金(工業用水道事業会計)(約2千7百万円、市債発行の抑制約2億3千万円)、川崎縦貫道路関連調査事業(約9百万円))の中止(約4億1百万円、市債発行の抑制約32億8千9百万円)

イ 羽田再拡張に伴う「神奈川口構想」関連事業(羽田空港再拡張事業貸付金(約1億8千6百万円、市債発行の抑制約16億7千1百万’円)、羽田空港再拡張・国際化関連事業(約3千5百万円))の中止(約2億2千1百万円、市債発行の抑制約16億7千1百万円)

ウ 水江町地内公共用地有効活用事業の中止(市債発行の抑制約161億4千4百万円)

エ 先端産業創出支援制度(イノベート川崎)の中止(約230万円)

オ 基金
競輪施設等整備事業基金(約40億円)、港湾整備事業基金(約30億円)、土地開発基金(約98億円)等の当面使用する予定のない基金の中から約68億円借入れ

(2)歳出予算の組替え

ア 高齢者介護援助手当の復活
イ 特別養護老人ホームの緊急増設
ウ 介護保健施設、老健施設の人材確保のための補助
エ 老人医療費助成制度の復活
オ 敬老祝品・長寿夫妻記念品の復活
カ 障害者の福祉サービス利用料を低所得1・2の方をゼロにする
キ 結核・精神医療付加金制度の復活
ク 被保護世帯への上・下水道料金の基本料金減免を復活する
ケ 被保護世帯入浴援護事業をもとに戻す
コ 福祉措置による特別乗車証の復活
サ 妊婦健康診査事業を4月から14回に拡充する
シ 小児医療費助成の所得制限を撤廃する
ス 私立幼稚園保育料補助を月1万円増額(AからDランク)と入園料10万円を補助する
セ 認可保育園を緊急増設する
ソ 小・中学校の就学援助費を復活する
タ 自主学童保育への助成
チ 少人数学級の実施
ツ 小・中学校の自然教室の食事代補助を復活する
テ 中学校給食をデリバリー方式で実施する(喫食率5割)
ト 高校奨学金を平成16年度の実績に戻す
ナ 定時制高校の夜食費を復活する

2008,03,18, Tuesday1 ナ 定時制高校の夜食費を復活するの後

注)
*1 平成20年4月~9月までの現行制度-平成20年10月~21年3月までの新制度
(9,088万円×2)-(1,371万円×2)=154,340,000円→15,434万円
*2 小・中学校就学援助費 H18年度予算額-H20年度予算額
(232,069,000円+156,468,000円)-(227,963,000円+156,677,000円)=3,897,000円→390万円
*3 H14年度デリバリー方式試行時の1食当たりの補助額×公立中学校生徒数(H19)×167日
273円×25,573人×167日=1,165,898,643円 ×5割=582,949,321.5円→58,295万円
*4 H16年度予算額(450人×123,500円)-H20年度予算額(350人×123,500円)=12,350,000円
*5 H20年度A~Dランク見込(13,010人×10,000円×12ヶ月)=1,561,200,000円(A)
H20年度2才+3才児見込(6,442人×100,000円)=644,200,000円(B)
(A)+(B)=2,205,400,000円
*6 1施設当たりの整備費(2億~2.5億円)×3施設=675,000,000円→67,500万円
*7 [H20年度予算額(366,557,000円)-H19年度予算額(203,844,000円)×1/2)]×14/5×2-H20年度予算額(366,557,000円)=1,153,990,000円→111,540万円