議会報告

2008年6月30日

2008年第2回定例会(6月議会)6月議会で石川建二議員が代表質問


08年川崎市議会第2回定例会で、6月12日、日本共産党の石川建二議員が代表質問をおこないました。その質問要旨をお知らせします。

2008,06,30, Monday3

市職員の時間外労働 過労死ラインこえが一年間で倍増
石川議員は、阿部市長の「行革」で6年間で2100人もの職員が削減され、仕事量にみあった職員増が認められず労働強化がすすんでいる実態を告発。
4月から発足した後期高齢者医療制度では担当課の増員が一人のみだったため、同課職員の平均時間外勤務は3月103時間、4月117時間に及んでいます。
一方、この5年間の市職員のメンタルヘルス不調による長期療養者数はのべ714人です。労働時間が月100時間以上、または2ヵ月平均80時間以上の「過労死ライン」を超えて産業医に相談した市職員数は、2006年度の108人から07年度は223人と倍増しています。
石川議員は「行革」で職員削減を優先してきたことが、いま職員の健康を破壊し、職場に深刻な影を落としていることに心が痛まないのかと追及。総務局長は「職員配置は適正だった」としつつも「代替人員を適切に配置する」と答弁。
市長は「能率的に仕事をするという意識が浸透していない」ことに原因があるとして職員に責任を転嫁し、「もっと改革をすすめる」として、健康悪化の実態に全く思いを寄せない冷たい態度をあらわにしました。

地球温暖化対策は事業者まかせではなく
産業部門からの排出量が温室効果ガスの8割を占める本市では企業の取組が欠かせないが、国の発表する推計値の把握に止まっているため、「公害防止等生活環境の保全条例」に基づき、事業者に排出量報告と温暖化物質削減計画を求めるよう求めました。
市長は、個々の事業者の努力義務を評価するだけで、企業に要求する考えがない態度を示しました。

大気汚染対策について
PM2.5の市観測所(田島・池上)の06年度の結果はWHOの基準の2倍を超える数値を示し、観測所を増やし、実態を明らかにするよう求めたのに対し、前向きな対応が示されました。

ゆきとどいた幼稚園教育の保障を
本市の私立幼稚園は、定員を3,253人超過し定員超過率116.2%、17政令市中唯一100%を超えている実態を示し、公立幼稚園が廃園された場合、行き場のない子どもをつくらないようただしました。私立幼稚園の保育料補助の拡大も要求しました。

保育緊急5か年計画について
08年4月1日現在の待機児童数も昨年より118人増えて583人にのぼったことから、計画の前倒しを要求。A・Bランクの待機児解消も年度内に緊急対策で対応すること、新規事業の小規模認可保育所への実態に見合った体制と補助などを求めました。

保育園の民営化及び指定管理者制度について
管理運営費の縮減を目的にする指定管理者制度では、ベテランの確保や正規職員の配置は不十分にならざるを得ないと指摘。仕様書には、「経験年数や年齢についてバランスのとれた構成」とあるが、委託料で本当に保障されるのかただしました。

放課後の子ども支援は学校、学童、放課後事業を連携して
子どもへのサポート体制として学校と放課後事業の連携について、本市でも全市的に取り組むようもとめました。
また、学童保育の経験を本市の放課後事業に生かすためにも、連携を強化し、ともに放課後を支えるパートナーとして位置づけることも要求しました。

特別支援教育の教員増員を
特別支援学級の教員配置は標準法では8人に1人だが、例年、神奈川県が教員を加配してきた。ところが今年は昨年度よりも学級数が増えたにもカ、かわらず、35クラスで加配できなかった事実を示し、増員を県に強く申し入れることと、市が独自にでも加配するよう要求しました。

特別支援教育コーディネーターの選任配置を
全小中学校に配置されているが、担任や他の校務分掌との兼任でよいため、普通級の担任の先生が兼ねているところもあるため、大規模校には市が単独でも専任のコーディネーターを配置するよう要求。

小中学校・特別支援学校の臨時的任用職員を正式教員に
2008年度の定数内欠員は4月1日現在で238人。依然として年度初めに大量の定数内欠員を出す結果になりました。欠員分は臨時的任用職員で4月から補充しているが、臨時的任用職員を正式採用すること、来年度の教員採用を増員することを求めました。

中学校ランチサービスについて
4月に開校したはるひ野中学校のランチサービスの喫食率は34%。他の学校の喫食率は2.3%と低いことの見解をただしたのに対し、教育長は、「はるひ野は近くにコンビニがないから」などと答弁。食育の観点上非常に問題のある態度を示しました。

低所得者障害者の負担をゼロに
国の障害者自立支援制度見直しで負担額が変わるこの機会に低所得1・2の方の負担をゼロにするよう要求しました。

報酬見直して障害者施設等の職員確保を
ヘルパーを市の報酬単価では確保できないため事業所が人材を確保できないでいる現実を示し、ふれあいガイドと移動支援は統合し、利用者負担は増やさずに報酬単価を見直し、事業所と働く人たちを支えるよう要求しました。

地域生活支援センターの整備について
介護保険制度のケアマネージャーの役割を地域生活支援センターが担うことになっているが、相談支援専門員の資格を得ることができる人がいる事業所や法人を調査し、希望するところは直ちにセンターにすること、現在相談支援専門員が1人のセンターも、資格のある人がいれば、墓幹型に移行させることや増員の手当をするよう要求。

川崎市リハビリテーション福祉・医療センター再編整備基本計画について
市立井田病院の再編整備基本計画では急性期のリハビリに対応するとしているが、回復期初期の治療・リハビリも行うこと、回復期後期からのリハビリヘの対応としてリハビリ病床を整備する井田病院との連携を十分行い、急性期から社会復帰まで、一貫したリハビリを保障するよう要求。陽光園に入所している方たちの処遇について、市が責任を持つよう要求。

後期高齢者医療に保険料軽減、プール無料利用の創設を
「後期高齢者医療制度」に市民の怒りが相次いでいる事実を示し、市長の見解をただすとともに、広域連合に対して軽減制度を導入するよう求めると同時に、市単独の保険料軽減制度を創設をするよう要求。
75歳以上高齢者へのプール利用無料制度等の創設の検討状況をただしました。

高齢者介護について
特別養護老人ホームの待機者は今年4月1日で約4900人、毎月30人増えている現実を示し、公有地の積極的活用と全庁的な取り組みを含めた打開策をただしました。

介護現場の人材確保策を
人材がなかなか確保できない大きな要因は介護報酬が低いからであり、東京都千代田区や横浜市のように人材確保のため支援策を講ずるよう求めました。

商店街の支援の要綱見直しと予算増額を
今年市内51の商店街等が独自のイベントを計画していますが、年一回(3ヶ月以内)の制限があり、一年を通してのイベントにも補助されるように生活コア商業活性化支援事業補助金交付要綱の見直しをおこなうよう要求。
補助金交付要綱で補助率は「経費の2分の1以内であって予算の範囲内」と定められているが、要望件数に対し予算が確保されていないため実際は平均26パーセント台であることを示し、補助金総額の引き上げを要求。

青年の雇用問題・就業確保への支援体制と生活支援について
住居を失い、住所が定まっていない青年に対して、就労支援とともに実情にあわせた融資制度や家賃補助、賃貸物件の紹介、生活費の貸し付けをおこない、自立した生活につないでいく総合的な支援を要求。青年の生活困窮者に対しておこなっている相談内容などもただしました。

入札制度について
建設資材が上昇しつづけ、施工時には設計時より資材価格が上がっていて、請け負った業者の経営を大きく圧迫しています。そのために、建設資材の標準積算基準を3カ月に1回ではなく、毎月更新すべきと3月議会で求めたが、その後の見直し内容、最低制限価格の見直し、総合評価一般競争入札の除算方式の見直しなどの進捗もただしました。

紛争調整条例にもとづく事実の公表を
昨年8月22日に、トナミ運輸倉庫棟建設計画の見直しを求める請願がまちづくり委員会で審議され、全会一致で趣旨採択され、その後住民側は、9月28日に紛争調整条例に墓づく調停申請を行った。しかし事業者は、紛争調整条例に基づく川崎市からの再三の「受託勧告」に応じないことから、紛争調整条例に墓づく「事実の公表」を行うよう要求しました。

神奈川口連絡道路について
これまで川崎市は「大田区側も跡地利用基本計画の中で位置づけている」と説明してきましたが、これは大田区の説明と明らかに違います。この点について改めて見解をただしました。
さらに、5月14日付で大田区長から、川崎市長あてに「大田区の考え方について」が提出されているが、その中で、連絡道路のいずれのルートも跡地利用の具体化に障害を及ぼすものであり、従来から表明している『空港跡地利用を阻害しないようにすること』という地元大田区の考えと反するものと言わざるを得ません」としています。石川議員は大田区の意向を無視して大田区の同意なしに連絡道路整備が可能なのか、市長の見解をただしました。

住民投票条例について
市政に係る重要問題で住民の直接意思を確認するために、住民投票は特に住民の請求・発議の場合、様々なハードルを加えるべきではないとの立場から、市長が判断する「市政に係る重要事項」の問題、11万人以上の署名提出が必要である問題、議会の同意が必要である問題などについて質しました。