議会報告

2008年9月24日

2008年第4回市議会(9月議会)で井口真美議員が代表質問


2008,09,24, Wednesday
08年第4回川崎市議会定例会が開かれています。9月17日、日本共産党の井口まみ議員が代表質問をおこないました。その質問要旨をお知らせします。

2008,09,24, Wednesday1

市職員の長期療養者の増加の現実に対して「職員はまだ余力がある」と市長が答弁

井口議員は、川崎市は、財政力の豊かさを表すとされている財政力指数が政令市の中で1位であるにもかかわらず、阿部市長が「新行財政改革プラン」で本市の財政環境は依然として厳しいと強調し、「行革」をさらに推進しようとしていることを批判。

受益者者負担増を前提に「市民自らが公共サービスを選択できるようにする」というが、介護サービスなど市民が負担の重さに耐えかねて利用を抑制している現実からすれば、「絵にかいた餅」であると批判しました。また、2千人を超える定数削減で職員が慢性的に時間外勤務を強いられ、メンタルヘルス不調による長期療養者が増加している事実を指摘、市長の姿勢を質しました。

市長は「組織スラック(余力)の活用で対応する」と、職員の間で余力が十分あるかのように答弁。

井口議員が、生活保護世帯が増えている福祉事務所で長期療養者が生まれると、その担当ケースを分担して国基準の80ケースを超える100ケース以上も担当して頑張っている職員の例を示したのに対し、市長は、長期療養者の補充をする責任を放棄しておきながら、「それこそが組織スラック(余力)を効果的に活用して組織運営が行われている証拠」と言い放ち、市職員が極限まで頑張っている現実に全く思いを寄せない冷酷な姿勢をあらわにしました。

地球温暖化対策について

産業部門からの排出量が8割を占める本市でも、東京都のようなCO2削減の義務化に向けた制度の導入を求めたのに対し、市長は「CO2削減は市内に限定することなく、地球全体での削減が重要」と答弁。個々の事業者の努力義務を評価するだけで、企業に要求する考えがない態度を示しました。

井口議員は温暖化対策に真剣に取り組むというなら、明確な数値目標を設定して取り組むべきだと主張しました。

妊婦健診について

国も14回の公費負担による健診を打ち出してことを示し、川崎市でも拡充することを要求。

保育緊急5か年計画、保育園民営化について

2010年度の民営化予定の5園で配布された説明資料で、民営化は議会で了解されている、と記載されているのは事実と異なると指摘したのに対し、健康福祉局長は「訂正する」と答弁。

また、民営化園の選定根拠が十分な説得力を持っていないことを指摘。保育の質を維持するためにもバランスの良い保育士配置が必要であるが、民営化により運営費が減らされ、さらに利潤追求により、人件費が削減されれば保育の質が保たれるか懸念されると指摘しました。

放課後事業について

市民活動センターが運営する「わくわくプラザ」のスタッフリーダーが5年間に半数退職している事実を示し、子どもたちへの支援の質を保つためにも雇用問題を事業者まかせにしないよう求めました。また、自主学童保育への支援も要求しました。

少人数学級について

少人数学級で県の研究指定校になった学校の報告書では、少人数指導よりも少人数学級が圧倒的に効果があると報告されている事実を示し、市独自で正規教員を配置し全学年で実現するよう要求しました。

中学校のランチサービスについて

はるひ野中学校のランチサービスの喫食率は他の学校と20倍もの差があることを指摘。同じ公立中学生間の不公平をなくすためにも公費を導入し、中学校給食を実現するよう求めました。

障害者施策について

国の制度見直しにあたって、市は障害者の皆さんの生活が変わらないように市独自の施策を後退させないよう求めました。また、グループホームなどで働く職員の確保や、障害児の応益負担をやめ、実質応能負担になるような支援を要求。

「川崎市心身障害者手当」の見直しについて

「新行革プラン」で見直しが検討されているが、ここに精神障害者もいれること、また、この制度の削減はしないよう求めました。

健康福祉局長は、精神障害者にも拡充する方向であると答弁えました。

川崎市リハビリテーション福祉・医療センター再編整備基本計画について

中央リハビリテーションや中央療育センター、入所機能施設、重度障害者等生活施設などについて質し、公設公営、直営にするよう求めました。

後期高齢者医療制度について

「後期高齢者医療制度」に市民の怒りが相次いでいることから、政府も09年度までの軽減措置を取らざるを得なくなったが、その結果、夫婦で同じ所得金額であっても保険料が13倍もの差がでる場合を指摘。廃止を求めていくとともに、広域連合に対して軽減制度を導入するよう求め、市単独の保険料軽減制度を創設をするよう要求。

介護保険事業について

来年保険料の改定が行われるが、37億円にもなる介護給付準備基金を取り崩して、保険料の値上げを抑えるようにすべきと要求。

特養ホームの建設の遅れについて、来年度からの介護人材確保支援の具体的な検討内容を質問。

「第4期川崎市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定にあたっては、市民説明会を開催するよう要求。

 

不安定雇用の青年に対する総合的な支援について

不安定雇用労働者の相談は、労働相談と生活相談の区別がないことを指摘。

東京都で、こうした不安定労働者の実態を踏まえ相談窓口「東京チャレンジネット」を開設し、生活支援、居住支援、就労支援まで総合的に行っていることを示し、川崎市も住宅資金の貸付制度、家賃補助制度など必要な制度をつくり、生活支援、居住支援とあわせ、就労支援を総合的に行うことを要求。また、街頭相談の場所、回数を増やすことも要求。

原油・原材料高騰被害に対する対策について

原油・原材料高騰で中小零細業者の経営を直撃しているが、東京都渋谷区はクリーニング業者へコスト負担増のおおむね2分の1程度,1店舗当たり年額20万円を助成、練馬区は公衆浴場の燃料費助成を充実させるとともに、利率0,1%の「原油等価格高騰対策特別貸付」を始めた事実を示し、本市の不況対策資金を現在1,9%の利率を練馬区のように引き下げ、10月以降も継続するよう要求。

また、価格に転嫁できない浴場組合への燃油高騰対策や、石油高騰のあおりを直接受けるクリーニング業界など、深刻な打撃を受けている中小零細企業に対し、直接補てんするよう要求しました。

 

建設業者の緊急経済対策について

建設市場の縮小に加え、低価格受注の横行などで、で倒産が続いている市内中小建設業者の緊急経済対策として、子ども文化センターの補修工事、学校施設の修繕工事など、前倒しで発注するよう要求。川崎市市税条例の減免規定の拡充も要求。

粗大ごみの収集について

粗大ごみ収集運搬業務の落札業者は市内業者優先とすること、年間約2億円の経費が削減したというが、取りこぼしなどのサービス低下が起こる懸念はないのか、ただしました。

入札制度について

入札に参加する市内中堅建設業者が相次いで倒産していますが、国の通達でも弊害を指摘していることから、予定価格の事前公表を取りやめるよう要求。

単価設定について、歩切りは行っていない、適正だとするなら、積算単価や積算数量などを示すべきだと主張しました。

防災対策について

岩手県南部地震以後、耐震診断士派遣制度の申し込みが殺到し、4か月待ちという状況で、改修工事に至る件数は3年間で70件で約4万戸との対象戸数に対してわずか0,1%にすぎません。

名古屋市は耐震改修工事の講習会を実施し、登録業者816業者が携わり、耐震診断では03年から延べ1万5千件、耐震改修工事では1230件の実績であることを指摘、川崎市でも市内のすぐれた建築技術者の力をフルに活用できる制度に改善するよう要求。

経済的事情等から日常的に危険な環境に住まざるを得ないような被災確度の高い住民への防災対策について、渋谷区や横浜市などで実施している耐震シェルター、防災ベッド設置費への助成や、神戸市が旧耐震木造住宅の耐震改修を総合評点1,0未満の一部の耐震補強についても補助対象としている事業を川崎市でも検討するよう要求しました。

財団法人かながわ廃棄物処理事業団について

収支計算書を見ると、事業体としてはまったく収支が合わない事態が続いている事実を示し、今後の対応を質しました。

 

区役所、支所、出張所等の機能再編について

今後2011年までに支所・出張所を証明書発行サービス機能などに縮小し、区役所の市税部門を財政局直轄の市税事務所として3事務所と1分室を創設する計画について質問。

交通不便地域に住む人たちにとって、バスを乗り継いでいかなければならない区役所ではなく、歩いていける距離に区役所機能を分散することこそ、市民にとっての利便性につながるのではないかと質し、市民説明会を開催するよう要求しました。

神奈川口連絡道路について

日本野鳥の会が「羽田空港と神奈川県の道路は、国道と首都高速横羽線・湾岸線の3本が5Kmの間にあり、それ以上の連絡道路の必要性はあるか疑問です」などと疑問を表明していることを紹介。

また、これまで空港関連施設の誘導などが検討されたが、いずれも白紙になっていることを示し、市長の姿勢を質しました。

****************以下質問全文********************************************

私は日本共産党を代表して、2008年第4回川崎市議会定例会に提案された諸議案、ならびに市政一般について、質問をおこないます。

最初に、農薬やカビ毒に汚染された輸入米が食用として流通し、焼酎や菓子、給食にまで使用されていたことに、国民の怒りと不安が広がっています。非食用の汚染米を食用と偽り販売した企業の責任は重大です。同時に、汚染米を廃棄せず流通を容認してきた政府の責任が問われています。太田農水相は、汚染米への不安が広がっていることについて、「人体に影響はない」から「あんまりじたばた騒いでいない」と発言しましたが、汚染されているとわかっていながら、廃棄もせず流通させた大本の責任を投げ捨てた、許しがたい態度です。今回の事件は、政府が義務米といって何が何でも毎年77万トンの輸入米を確保しようとするなかで起こったことです。政府は輸入がWTO協定上の義務であるかのようにいいますが、輸入は義務ではありません。国会で徹底的に事実と責任を究明し、再発防止を行うとともに、先進国中で最低の日本の食料自給率を引き上げるため、日本政府はコメの輸入を中止し、輸入を押し付けるWTO協定の抜本的改定を追求することを強く求めるものです。

では質問に入ります。

市長の政治姿勢についてです。

市長は「新行財政行革プラン」において、本市の財政環境は依然として厳しいとして行財政改革の継続の必要性を強調しています。本市が未だ厳しい財政状況にあるのは国の三位一体の改革の影響等による一般財源の減少が大きな要因です。歳出面でも、市長は扶助費や公債費など、義務的経費のさらなる増加が見込まれ、行革を行わなければ「財政の硬直化」が懸念されるとしていますが、扶助費増の要因は構造改革路線の格差拡大の影響で生活保護世帯増の影響が大きく、公債費の増もバブル崩壊後の国の経済対策に誘導された普通建設事業費の急増を市債充当率を引き上げながら行ってきた結果、現在、その借金の返済である公債費がピークとなっているからです。まさに国の政治の失策の影響が色濃く反映しているのです。

それでも2006年度普通会計決算における川崎市の財政状況は、財政力の豊かさを表すとされている財政力指数では、政令指定都市の中で第1位であり、財政の弾力性を表す指標である経常収支比率は指定都市平均を下回るなど、相対的に優位といえるとしています。

そういう状況である本市が市民生活を守るためにはどういう市政運営が必要でしょうか。市長は、新行財政改革プランで、依然として財政状況は厳しいので行財政改革を継続する必要があるとして、公務労働のいっそうのアウトソーシングを推し進めようとしています。

アウトソーシングした民間に対しては、市場における競争性とコスト優先による公共サービスの質の低下を懸念して、「徹底した監視や指導を行」うとはしていますが、行政からサービス提供事業者への「支援」は一切含まれていません。「競争性とコスト優先」の立場からは当然の帰結といえますが、そのことがどういう事態をもたらすかについて重大な関心を持たざるを得ません。行革プランでは「画一的な公共サービスを、本市から一方的に受けるのではなく、民間部門のさまざまなサービスの中から、自らのニーズに最も適合したものを、自らの判断で選択できる」といいます。しかし、現実は介護保険制度でも明らかなように、サービスを選択しようにも、負担の重さに耐えかねて抑制せざるを得ない実態が広がっているのです。こうしたサービスの抑制も「自らの判断で選択」したものというのですか、うかがいます。

また、このアウトソーシングとは、受益者負担の増が前提となるのではないでしょうか。そうなれば「最も望ましい公共サービス」を享受できるのは限られた市民になってしまうのではないかと懸念されますが、伺います。

そして、この具体のとりくみとして、「新たな公共サービス提供手法を推進するガイドライン」を定めようとしています。「それぞれの民間活用手法とプロセスごとに作業内容や留意事項等を整理し、最適な民間手法を選択」するというのですが、人によってサービスが提供される部門においては、「官製ワーキングプア」などといわれるような処遇では安定したサービスは継続できません。これが介護保険制度や障害者自立支援制度の実態からの教訓です。

「契約等の締結」においては、賃金などの労働条件をはじめ、従事者の処遇について明確にすることこそ求められていると考えますが、見解を伺います。

市長は、2003年4月からの6年間で2,181人の職員を削減したことを成果として強調しています。それでも市長は「業務に見合った適正な職員配置を行っている」というのですが、はたして本当でしょうか。

本市では大規模マンションなどに若い子育て世代の転入が増加しており保育所への需要増に対応すべく保育園の定数増を図っています。当然、保護者からの様々な問い合わせ、相談、申請数の増、実態把握、入所判定と結果の通知、殺到する苦情への対応などなど繁忙期には昼休みもままならないという実態です。そして、この担当課の業務は保育所関連業務だけではないので、今や通年繁忙期です。

このような業務量に見合った適正な職員配置は行われてきたのでしょうか、うかがいます。

この課だけではありません。今や、ほとんどの職場で、正規の時間帯は市民からの苦情や問い合わせの対応で終始し、通常業務は早出を含めた時間外で処理せざるを得ない実態が広がっています。それでも時間外手当は6時までは付けない、早出も付けないで多くの職員がけなげに頑張っていることを市長はご存知でしょうか、うかがいます。
こうした職場環境のもとで、メンタルヘルス不調による長期療養者が増加しています。長期療養者が出た職場への応援態勢はどうなっているのか、うかがいます。

長期療養者、とくにメンタルヘルス不調による長期療養者の職場復帰までの取組みと配慮事項について、うかがいます。
メンタルの場合は同じ職場への復帰は難しいのではと考えます。

違う職場でのリハビリ勤務はできないのでしょうか、うかがいます。

当事者に辞めるという選択肢があることも理解していただく、というような対応は、よもや、していないと考えますが、うかがいます。

中途退職者数の10年間の推移について、うかがっておきます。

地球温暖化対策について伺います。

東京都では、環境確保条例が6月25日に全会一致で可決され、全国に先駆けてCO2削減の義務化に向けた制度が導入されました。他都市でも企業のCO2排出量の把握に努め、具体的なCO2削減の計画を企業に求める自治体も増えています。

横浜市は、環境モデル都市に選ばれました。5つの選定基準をクリアーしたというのがその理由ですが、選定基準の第1には、温室効果ガスの大幅な削減を掲げています。川崎市も提案しましたが、選定されませんでした。選定されなかった原因は明確に第1の選定基準を満たしていなかったということではないでしょうか。洞爺湖サミットをきっかけに、国民の環境対策への関心が高まる中、自治体でも、具体的な温暖化物質削減の取り組みが求められていますが、改めて、市長の見解を伺います。

その第一歩として、現行条例においても可能な企業のCO2排出量の把握について、間接的ではなく、市が直接、把握をすべきと思いますが、市長に伺います。

さらに、公共施設等への太陽光発電施設の設置など自然エネルギーへの転換について、目標値をもって積極的に取り組むべきと思いますが、対応を伺います。

子育て支援策についてです。

最初に妊婦健診についてです。

日本産婦人科医会は、7月に「本会は14回の妊婦健康診査がすべて公費で負担されることを希望します」との見解を示しました。これを受けて、8月、舛添厚生労働大臣は、妊婦健診の公費負担を拡充し、「来年度予算に組み入れ、できれば来年4月から実施したい」と、14回分を無料で受けられるよう検討する考えを表明し、国は交付税措置で対応しようとしています。川崎市は国に対して助成制度の財政措置を講じるよう求めるべきです。また国の動向にかかわらず市独自ででも助成回数を14回に拡充すべきですが、伺います。

保育緊急5か年計画についてです。

まず、平成22年度に5園を民営化することについてです。

保護者への説明会で保護者からだされた主要な疑問や意見について伺います。

選定理由は「将来においても継続的な保育需要が見込まれる地域であること」としているはずですが、3園についてはなぜ定員増がないのか伺います。

「長時間延長保育などの利用が多く見込まれる地域であること」も選定の根拠としていますが、選定に当たってニーズ調査を5園について行なったのか、午後7時の時点でのお迎えが実質何人いるのか伺います。

説明会の配布資料『民営化についてのQアンドA』の内容についてです。

「民営化は決定事項ですか?」と設問し「民営化の方針については市民の代表である市議会の了解を得て策定した『新総合計画・川崎再生フロンティアプラン第2期実行計画』『新行財政改革プラン』『保育基本計画(改訂版)』にて明確に位置づけており、施策の方針としては決定事項です」とし「今回の公営5園の民営化については、すでに議会の了解を得ている」と記述しています。また「なぜ保護者の意見を聞かずに民営化を決めたのか?」の設問に「行政の意思決定の後、市民の代表である議会に了解をいただいた上で公表している」と記述しています。説明会では「8月1日に議会で了解をいただいた」と答えているようですが、委員会の報告がなぜ了解になるのか、事実に反します。

こうした記述は削除すべきですし、発言も訂正すべきと考えますが伺います。

また「保育内容は落ちないですか?」の設問に「保育内容は認可保育所として開設するから現行水準は守られる」「保育方針は保育所保育指針に基づき作成するのでどの保育所も基本的に違いはない」と記述しています。保育は保育士が毎日の保育を通じて子どもにどう向き合うかであり、保育者集団の中で保育内容を高めていくものです。だから専門性、継続性、経験が必要です。保育方針に沿ってどう実践するかは、その裏付けがあってはじめて、保育内容が落ちないといえるのではないですか。うかがいます。

保育基本計画、及び保育基本計画(改訂版)に基づく保育所整備の運営主体をみますと、08年度、09年度開設園に、企業参入が目立ちます。利益を上げるためとなれば、人件費を抑制せざるを得ないわけですから、職員の定着率が心配です。毎年の監査で職員の定着率も含めた調査をすべきと考えますが伺います。

放課後事業についてです。

川崎市市民活動センターは、現在、子ども文化センター55館、わくわくプラザ106施設の運営を行っていますが、08年3月に発表された「中長期計画」の中で「スタッフリーダーの給与体系を含めた雇用条件が若い職員のライフスタイルに沿わないなどを理由により定着率が悪くなっている」として「職員の雇用対策の検討が必要」と指摘しています。スタッフリーダーが5年間に183名退職し、そのうち任意退職が146名とのことでした。現在の職員数は館長を含めても294名です。おおよそ、半数が入れ替わったことになります。

職員が安心して継続的に働き続けることは、直接、子どもたちへの支援の質にかかわります。雇用問題を事業者任せにせず、職員増加のための指定管理料の見直しを行うなど、市として必要な手立てを打つべきです。伺います。
学童保育事業についてです。わくわくプラザでは、07年度、学童保育事業を行っているとして放課後児童健全育成事業の国庫補助を約6230万円受けています。補助には専用スペースや専任職員が必要とされていますが、わくわくプラザにそのような実態はありません。補助の内容に見合った事業の実態を作るべきであり、少なくとも学童保育の専任職員をわくわくのスタッフとは別枠で確保し、きめ細かいサポートを可能にすべきですが伺います。
現在も市内7か所で自主学童保育が活動しています。しかし、運営費を利用者の保育料のみに頼る自主学童保育は、一人当たり月額2万円から2万5千円かかるなど、その負担は家計を圧迫しています。実際に、自主学童保育で生活している子どもがいます。その子どもたちに市の財政的支援を始めるべきです。対応を伺います。

少人数学級についてです。

国の後ろ向きの姿勢のなかでも、多くの自治体で少人数学級を実現してきました。先日視察した広島市では、「基本的な生活習慣の確立と基礎・基本の学力の確実な定着を図り、個性や能力を伸長する教育の充実を目指すことを目的とする」として、少人数教育推進のための段階的プランを策定し、今年度から実施しています。10年計画で、最終的には小中学校・全学年で20人程度の学級をめざすというものです。川崎でも08年度から小学1年生のすべてで35人以下学級を実施したことは、評価するものです。

実際、35人以下学級の担任になった現場教師はそのよさを「全員発表の機会がたくさんある」「児童同士に親密さが生まれる」「大きな声を出すことがない」「学級に落ち着きがある」「教師に時間的なゆとりが生まれ、多彩なことができる」など語っています。さらに07年度の「少人数学級県教育研究校の実施報告書」では、多くの学校が少人数授業よりも少人数学級を選択したことについて高い評価を与えています。

貧困と格差が広がる中で、本来、塾に行かなくても、みんなの力がつくシステムをどうつくるかに心をあつめるべきです。そのなかで少人数学級こそ子どもたちに力をつけさせる最大の保障ではないでしょうか。少人数学級への評価を改めてうかがいます。

学校現場でそのよさが明確になって、評価を得ている少人数学級です。いまこそ学年の拡大に取り組むべきですが、うかがいます。

現在35人以下学級の実施にあたっては、市単で非常勤講師を配置しています。今後は広島市など他都市で実施しているように正規教員を配置していくことも検討すべきです。うかがいます。

中学校のランチサービスについてです。

4月に開校した、はるひ野中学校のランチサービスの喫食率は、5月34%、6月37.4%、7月42.3%と、上がり続けています。5月の34%についての分析について、先の議会での答弁では、ランチルーム方式や、コンビニがないなどの立地条件とのことでしたが、毎月上がり続けている喫食率については、どう評価されているのか伺います。
一方、他の学校のランチサービスは、WEBシステムを実施しても、5月は2.2%、6月は2.4%、7月は2.4%とほとんど横ばいで、一向に変化がありません。保護者に対し、周知を図ることで喫食率が上がると答弁されていましたが、見通しはあるのでしょうか。伺います。

はるひ野中学校の喫食率と、他の中学校の喫食率には20倍もの開きがあります。この差をどう解消していくのか、伺います。

障害者施策についてです。

障害者自立支援法は施行後3年で見直すことになっており、今年が最終年度です。厚生労働省は審議会を開いて関係団体からのヒアリングをしているようですが、どの団体からも「応益負担はやめてほしい」「上限額を下げてほしい」と切実な声が上がっています。日本障害者協議会は「障害者自立支援法の(見直し)にあたっての意見」で、「自立支援法から応益負担的な考え方を消去することこそが、本来の意味での「抜本的見直し」に値するもの」と述べています。応益負担は障害者にはなじまないのです。本市においても、障害者福祉の本来の立場に立った支援を行うべきです。

その第一の課題が、低所得1、2の方たちの負担はすべてなくすことです。この方たちは従来なら利用料はかからなかったのです。さらに、本市では同じ低所得の方でも、就労移行支援や就労継続支援というサービスを受けている人は利用料が無料ですが、障害の程度が重いために就労支援が受けられずに生活介護サービスを受けている人は同じ作業をしていても利用料がかかります。障害の重い人ほど負担が重いのは矛盾であり、全員を無料にすべきですが、うかがいます。
市の多くの施策も3年間をめどと考えられてきました。本市は自立支援法が始まったとき、障害者の皆さんの生活が変わらないようにということを第一に考え、様々な支援策をとりました。それが途切れることがあってはなりません。現段階では法律はどうなるか全くわかりませんが、市独自の支援策を機械的に今年で打ち切ることなく、実態に合わせて継続すべきと思いますが伺います。

とりわけ、グループホーム・ケアホームの運営費補助の中で、激変緩和加算は今年で打ち切りになります。この加算を受けている法人はとりわけ小さくて運営が大変なところばかりであり、このままだと、来年閉鎖するところが軒並み出てくるのではないかと、本当に心配です。この加算は継続するべきと思いますがうかがいます。

グループホーム・ケアホームの職員の確保についてです。

グループホームは日中は利用者がいないことが前提になっていますが、現実は違います。病気になったり、精神的に外に出られなかったりすれば、看護が必要ですし、病院に付き添うことも日常的に行われています。そのための人件費はないため、賃金は安く、長時間労働になり、どんどんとやめてしまいます。職員確保のため、実態に合わせて日中の支援への加算をつけるべきと思いますがうかがいます。

障害児の応益負担についてです。

本市も工夫していますが、措置の時よりも負担が増えている世帯は明らかに増大しています。障害を早期に発見し、早期にその子に合った方法で発達を保障するために、少なくとも子どもは自立支援法からはずして、児童福祉法の中で療育を行うこと、応能負担にすることを国に強く求め、市としてもそれに相当する支援をするべきと思いますが伺います。

新行革プランでは、川崎市心身障害者手当の支給要件などを2010年度から見直すとしています。本市では19年度決算で2万490人、総額6億8500万円が支給され、今年度はさらにふえて2万1000人が利用しています。横浜市と神奈川県が同様の制度の見直しについて方向性を打ち出すと報道され、川崎も横並びで切り捨てられるのではないかと、大変な不安が広がっています。多くの在宅の重度障害者は障害者年金しか収入はなく、自立支援法で負担が増え、物価の高騰でいっそう生活が苦しくなっています。こうした実態に思いを寄せるなら、いま求められているのは支援策の拡充であって手当ての削減ではありません。川崎市心身障害者手当ての切り捨てはやめるべきです。うかがいます。

また、県の在宅重度障害者等手当の現状での存続を強く求めるべきです。うかがいます。

国が7月から所得の計算方式を変えたため、それまで負担上限額の高い一般世帯だった多くの障害者の皆さんが低所得1,2に移行しました。本市はこれまで独自に一般世帯の方への軽減策を行っていましたが、この措置により市が負担していた分は軽くなるわけです。これまで述べたような、様々な施策に付け替えるべきと思いますが、うかがいます。

川崎市リハビリテーション福祉・医療センター再編整備基本計画についてです。

はじめに中央リハビリテーションセンターについてです。

高次脳機能障害、若年性認知症者、強度行動障害の支援機能の強化とありますが、考え方とどのような支援内容を考えているのか伺います。

「診療機能」は、リハビリテーション科、整形外科、精神科、小児神経科等10科の診察を行ない、総合診療体制を整備するとありますが基本的な考え方と運営体制について、入院機能、短期入所機能をもつ科があるか伺います。
中央リハビリテーションセンターは「21世紀の高齢社会にも対応した、障害者への専門的支援の拠点」の位置づけであり、多くの専門機関と専門職種の連携を必要としています。総体的、一体的に運営する必要があることから、公設公営にすべきと考えますが伺います。

次に、中央療育センターについてです。

「医療・専門療育機能」として、診療所認可を取得するとありますが、医療体制の基本的な考え方と運営について伺います。

中央リハビリテーション内の診療体制とは別に独立して設けるのか伺います。

「総合通園」はゼロ歳から就学前まで、頻度は週1回から5日まで、「発達上必要な効果が期待できる通園日数を確保する」とありますが、そのためには十分な体制が必要です。定員を100名としていますが、職員体制をどのように考えているのか伺います。

入所機能施設について、これまでしいのき学園では、子どもたちと人間関係を蓄積してきました。このノウハウを生かし本市が公営で継続するべきと考えますが伺います。

中核的な「相談支援部門、医療・療育部門」は行政機関としての企画・調整機能が不可欠であり、児童相談所の障碍児部門として整備することの必要性を検討するとのことですが、検討状況を伺います。

中央療育センターは各地域療育センターや医療機関、保健所、保育、教育機関等と連携し専門的な支援や調整を行なうのですから、本市のこれまで長年培ってきた貴重な人材を生かし、公設公営とすべきですが伺います。
重度障害者等生活施設についてです。精神障害者の退院促進を丁寧に進めるために、体験宿泊の場を確保すべきですが対象者も含めうかがいます。

広島市の総合リハビリテーションセンターは身体障害者更生相談所、リハビリテーション病院、自立訓練施設を一体的に運営するため、直営にしたとのことです。本市の総合リハビリテーション福祉・医療センターは中央リハビリテーションセンター、中央療育センター,重度障害者等生活施設を一体的、総体的に運営するのですから、直営にすべきと考えますが伺います。

後期高齢者医療についてです。

国民的怒りが高まる中、6月に入って政府は09年度までの軽減措置を取らざるを得なくなりました。この特別対策で、均等割7割の人は8,5割減額になりますが、例えば、夫の年金額250万円、妻48万円のA夫婦、夫の年金額150万円、妻が148万円のB夫婦、合計年金額はいずれも298万円の場合どうなるでしょうか。A夫婦の合計保険料額は15万1900円、B夫婦は2万3800円、A夫婦とB夫婦と差は6倍強ありましたが、今回の特別対策ではB夫婦は均等割7割から8,5割の軽減を受けることになり、その差は13倍強になります。

さらに夫の年金額250万円、妻は0円の場合、減免は受けられず、保険料は15万1900円で、B夫婦より年金合計額は少ないのにかかわらず、13倍以上の保険料を支払わざるを得ないという矛盾がでてくると思いますが、この格差についてどう認識されているか、さらにこうした問題がおきるのは、保険料を個々に算定し、減免は世帯所得でおこなうという制度そのものにあるのではないでしょうか。この点についても見解をうかがいます。

年金からの天引きから条件付きの口座振替への変更も行われました。通知そのものが、黄色の封筒に黄色の文字でまず、読みづらい、口座振替すればどうなるのか、まったく説明も書いてない、さらに手続きまでの期間が短時間だったことなど高齢者の方々、家族ふくめて区役所窓口への問い合わせが殺到したとききました。

まさにこの制度は部分的な手直しではよくなりません。一刻も早く衆議院で後期高齢者医療制度廃止法案が審議され、早期に可決、成立できるよう努力していきたいと思います。

同時に神奈川県の場合、全国一高い保険料の引き下げは切実です。引き下げは東京都をはじめ、北海道、京都、奈良など8都道府県が独自の軽減措置を設けています。神奈川でもできないことはありません。川崎市も神奈川県に財政支援を強く求めていくべきですが、伺います。

これができない場合でも川崎市独自の減免を今こそ検討すべきですが伺います。

介護保険事業とこれに関連して伺います。

第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定作業がすすめられています。

策定にあたっては、いま川崎で喫緊の課題になっている施設整備、介護人材確保の問題をどう具体的にしていくかなど、確実な解決策がもとめられていると同時に、平成19年度におこなった「川崎市高齢者実態調査」の結果を活かしていくことが大切です。この実態調査結果から見えてくる課題、短期間に解決するべき課題、そのなかでも緊急の解決が求められること、長期間にわたって解決すべき課題、そのなかでも重要課題をどう認識されているか、さらに解決に向かって年次計画をたて取り組むことが必要と思いますが、伺います。

切実な施設整備についてです。特別養護老人ホームは、約4,900人の待機者数、毎月30人以上増え続けています。

実態調査でも、いわゆる待機期間は「3年以上」が28.9%でもっとも高い割合になっています。川崎市としても、喫緊の課題として、「関係局長による整備手法等に関する施策検討委員会」を設置し、整備手法について検討をすすめているということでした。整備を飛躍させるために何が課題なのか、この数年の遅れをどう取り戻すつもりなのか、伺います。

介護人材確保も喫緊の課題と認識を示されました。福祉人材バンクや高齢社会総合福祉センターと協働してワーキングとして立ち上げ、検討しているとききます。来年度から川崎市として人材確保支援をはじめると思いますが、具体的な検討内容をうかがいます。

介護保険料についてです。

実態調査でも、保険料の負担感について「高い」と答えた人が80,3%、平成16年度調査時の69,5%と比べて10,8%も増えています。自由意見でも「年金生活者ではとてもやっていけない額」など、経済的負担の記述が一番多くなっています。

今年はもっと負担感は大きくなっているのではないでしょうか。このような中、来年保険料の見直しが行われます。第3期の介護給付費準備基金残高はどの位になるのか伺います。

このままだと保険料は確実に上がります。準備金は保険料の軽減に使うべきです。そして、実質値下げにすべきです。準備金を2分の1取り崩した場合、保険料基準額でみた1人当たりの保険料に与える影響額についてうかがいます。

保険料の普通徴収者の収納率は平成13年から19年までみても92.82%から85.57%へと確実に落ちています。しかし、保険料及び利用料の低所得者減免件数のうち生活困窮では平成15年度の保険料減免650件、利用料減免88件をピークに平成19年度12月末では保険料318件、利用料48件と半減しています。

これは生活保護基準より低い要件が大きなネックになっています。さらに、負担軽減策は平成18年より実施されていますが、件数はわずか85件にすぎません。保険料滞納によってペナルティーを課せられる人もでている今、この減免規定を「使える」減免基準―国保の減免基準と同水準に改善すること、市民への更なる周知と窓口での親切な対応をすべきと思いますが、伺います。

さらに、利用者負担軽減のため、介護援助手当を廃止せず、対象者を拡充すべきと思いますが、うかがいます。
「第4期川崎市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定は、11月末の骨子案策定を予定しているようですが、市民の声が十分に反映されるためにも今年12月中に市民説明会を実施してほしいと思いますが、うかがいます。

不安定雇用の青年に対する総合的な支援について伺います。

不安定雇用労働者の相談は、労働相談と生活相談の区別がなくなっています。先日受けた相談も、最初は労働相談ということでしたが、話を聞いてみると会社が倒産して15年間ネットカフェやファーストフードを転々としながら日雇いの仕事をしてきて、身体をこわし、どうすることもできなくなったということでした。生活保護の申請を勧めたら、「自分が『生活保護の対象』と思ったことはなかった」と、相談できる場があって本当によかったと喜んでいました。

東京都では、こうした不安定労働者の実態を踏まえ「ネットカフェ難民」を支援する相談窓口「東京チャレンジネット」を開設し、生活支援、居住支援、就労支援まで総合的に行っています。病気などで働くことが困難な人に福祉事務所で手続きするための援助・多重債務者への法律相談を行い、希望者は無料で健康診断が受けられます。一番の相談は居住支援で、住居がないことで仕事に就けなかったり、福祉サービスを受けられない人がたくさんいることから、住宅資金の貸し付けを始め、巡回相談を夜8時から行っています。

川崎市においても川崎市独自の住宅資金の貸付制度や、家賃補助制度など必要な制度をつくり、生活支援、居住支援とあわせ、就労支援を総合的に行うべきです。うかがいます。

川崎市が行なっている街頭相談は増加し続けています。街頭相談の場所、回数を増やし、夜8時以降など対象者に合わせた時間の設定をすべきです、伺います。

原油・原材料高騰被害への対策についてです。

原油・原材料高騰が中小零細業者の経営を直撃しています。

神奈川県商工労働部は、この6月に「原油・原材料高騰に関する緊急中小企業経営実態調査結果」を発表しました。9割近くの企業が収益に影響していると答えています。業種別での収益への圧迫は、建設業、卸売業、飲食店の順で、9割台に達しています。深刻なのは価格転嫁ができないと回答した企業が6割を超えていることです。

本市は、原油・原材料高騰対策として特別相談窓口を開設し、6月からの3ヵ月で1024件の相談がありました。県の調査を裏付けるように、燃油高騰に苦しむ運送関係業者や、相次ぐ倒産のあおりを受ける建設関連業者を中心に、資金繰りの悪化に対する相談が主ということです。国も深刻な事態に対象業種を拡大し、セーフティネット保証を継続するとしています。特別相談窓口での実態を踏まえ、中小企業の待ったなしの現状をどう受け止めているのか、市長の見解をうかがいます。

原油・原材料高騰による一刻も猶予できないこうした事態に対して、総務省自治行政局は地方自治体がきめ細かく実施する対策に要する経費について、特別交付税措置を行うことを明らかにし、地域の実情に応じた適切な対策を講ずるよう指示しています。自治体も独自の対策に乗り出しており、東京都渋谷区はクリーニング業者へコスト負担増のおおむね2分の1程度,1店舗当たり年額20万円を助成し、練馬区は公衆浴場の燃料費助成を充実させるとともに、利率0.1%の「原油等価格高騰対策特別貸付」を始めました。

本市でも、4月から1.9%の利率で不況対策資金を開始させましたが、9月30日までです。事態は開始当初より深刻になっています。不況対策資金の利率を練馬区のように引き下げ、10月以降も継続すべきです、伺います。

さらに物価統制令で価格に転嫁できない公衆浴場や、石油製品を大量に使うクリーニング業など、深刻な打撃を受けている中小零細企業に対し、直接補てんすべきです。市長に伺います。

 

建設業者の緊急経済対策について伺います。

川崎市内の中小建設業者は、建設市場の縮小に加え、低価格受注の横行、重層下請構造による不当な単価の押し付けが横行する中で、建設労働者の昨年の平均年収は、400万円前後で、給与所得者の平均年収を大幅に下回り、ワーキングプア状態の建設労働者も少なくありません。第一生命経済研究所はこのほど、改正建築基準法の影響で2007年度の実質GDP(国内総生産)が3兆7790億円(0.7%)減ったと推計するレポートを発表しました。さらに、原油高騰、資材の高騰が追い打ちをかけ、市内中堅建設業者の倒産も後を絶ちません。これらの状況は、建設事業者個々の責任によるものではなく、政策的にもたらされたことは明白です。

札幌市では、地元建設業者は、災害時の応急対策、復旧対策をボランティアで行うなど、地域の防災に欠かせない役割を担っているとして、市独自の支援策を強化しています。

本市も、市内中小建設業者の緊急経済対策を実施すべきです。子ども文化センターの補修工事、補修されずに積み残されている学校施設の修繕工事など、前倒しで発注すべきですが、伺います。

収入が著しく減少しているなかで、緊急措置として川崎市市税条例の減免規定を拡充して、これまでの廃業・休業に限らず、著しく収入が低下した事業者についても減免対象とすべきと思いますが、伺います。

粗大ごみの収集についてです。

4月より、粗大ごみの収集運搬業務が民間業者に委託されましたが、落札した5つの業者のうち市外業者が2社入っています。横浜市は市内に本社または、主な事業所があるものに限るとしておりますが、川崎市としても市内業者優先を担保するために横浜市のように入札条件を改めるべきと思いますが伺います。

直営の時と比べると年間約2億円の経費が削減され、そのほとんどが人件費だとのことです。この仕事は、まちの中をよく知り、毎回違うコースを間違いなく走って、取りこぼすことなく収集するために熟練が必要といわれています。2億円も削減されて、今後、職員が継続的に働き続けられず、取りこぼしなどのサービス低下が起こる懸念はないのか、うかがいます。
入札制度についてです。

入札に参加する市内中堅建設業者が相次いで倒産しています。過去4年間だけでも、建築、土木のA、Bクラスの業者が、18社も倒産などに追い込まれています。これは、単に、景気の低迷などでかたづけられるものではなく、明らかに、過剰な低価格競争が影響しています。

まず、予定価格の事前公表についてです。

「公共工事の入札及び契約の適正化の推進に関する本年3月31日付総務省、国交省連名の通達」では、公表された価格が目安となって適正な競争が行われにくくなること、建設業者の見積努力を損なわせること、談合が一層容易に行われる可能性があること等、予定価格を事前公表することの弊害を踏まえ、予定価格の事前公表を取りやめる対応を行うこととしています。わが党がかねてより指摘してきた内容について、ようやく国も問題点を認識するにいたりました。そこで、国の通達に対してどのように対応するのか、伺います。

次に、適正な予定価格の設定についてです。

大阪の柏原市では、事前に公表された予定価格と全社同額の入札という前代未聞の事態が発生しました。事業者は、工事金額が安すぎて、予定価格通りではやってられないという、まさに「業者の一揆」ではないでしょうか。
発注者が予定価格を設定する際に、設計価格の一部を合理的な理由なしでカットする、いわゆる自治体における「歩切り(ぶぎり)」の問題が指摘されています。

業者団体からも、適正な単価設定についての要望が、繰り返し寄せられており、適正な見積もりがなされていないのではないか、歩切りが行われているのではないかとの疑念は払拭できません。川崎市では、局によって、積算単価など積算根拠について示されておりません。歩切りは行っていない、適正だとするなら、積算単価や積算数量など、示すべきですが、見解と対応を伺います。

わかりやすい積算のための設計図書の改善について、どのように取り組まれたのか伺います。

防災対策について伺います。

相次ぐ巨大地震の脅威を目の当たりにし、大規模地震がいつ起きてもおかしくないといわれる中、否応なく市民の関心は高まっています。特に、相次ぐ震災の最大の教訓である住宅の耐震化への関心が高く、岩手県南部地震以後、川崎市の耐震診断士派遣制度の申し込みが殺到し、4か月待ちという状況ということです。

しかし、実際に改修工事に至る件数は、徐々に増加していますが、木造住宅耐震改修助成制度の3年間の実績は70件で、約4万戸と想定される対象戸数に対してわずか0.1%にすぎず、あまりにも遅れていると言わざるをえません。

旧耐震基準の木造住宅の耐震改修は在来工法に対する豊富な経験と知識が不可欠であり、まさに、知識と経験が豊富な地元工務店が得意とする分野です。名古屋市は、耐震改修工事の講習会を実施したことで、816業者が登録し、耐震診断では、03年からの実績で延べ1万5千件を超え、耐震改修工事では1230件の実績をあげてきました。

本市においても、増え続ける市民の期待にこたえるため、現行のような設計と施工を区別するような形ではなく、他都市の事例を参考に、市内のすぐれた建築技術者の力をフルに活用できる制度に改善すべきと思いますが、伺います。

地震災害では決して平等に被害を受けるわけではありません。阪神大震災でも、古い木造アパートに住むお年寄りや学生が、高い確率で被害にあいました。こうした人たちは、耐震補強をすることなど自らの力ではどうすることもできません。

まさに、被災確度の高い住民への防災対策が重要な課題となっています。渋谷区などですでに実施されている耐震シェルター、防災ベッド設置費への助成について、横浜市も今年度から一部助成をはじめ、神奈川県でも市町村の状況を見て検討を始めるということです。また、神戸市では、旧耐震木造住宅の耐震改修について、総合評点1.0未満の一部の耐震補強についても補助対象としています。

改めて、これらの事業のような、被災確度の高い市民への対策を検討すべきと思いますが伺います。

区役所、支所、出張所等の機能再編について伺います。

今後2011年までに、支所・出張所の機能を地域振興と市民活動の支援、証明書発行サービスの機能に縮小し、区役所の市税部門を集約化し、財政局直轄の市税事務所として3事務所と1分室を創設するとしています。

7か所の税務課を4か所の事務所と分室に統合することや保険年金や福祉のきめ細かい相談、届け出業務などこれまで支所で済ませていた手続きができなくなり、明らかにサービス低下につながります。これでは、行革が目的としか考えられません。これをどうして、サービス向上と言えるのか。見解を伺います。

川崎区では、支所にあった保健所や税務課が区役所に統廃合されました。その結果、子育て中の市民や、高齢者障害者にとってサービスが低下し、一方的な決定に不満の声が寄せられました。また、中原区や高津区などの区役所では、人口の急増の中で相談問い合わせの集中、窓口の混雑など新たな困難や課題が生まれています。こうした課題にこたえるなら、支所、出張所の創設により機能の分担を図ることが必要ではないでしょうか。

特に、交通不便地域に住む人たちにとって、バスを乗り継いでいかなければならない区役所ではなく、歩いていける距離に区役所機能を分散することこそ、市民にとっての利便性につながるのではないでしょうか。見解を伺います。

市民にとって一番身近な窓口の機能をかえることを、なぜ、市民とともに検討しないのでしょうか。一方的な組織再編を改め、市民参加による検討会を立ち上げ、市民の願いに応える区役所機能の充実を図るべきですが、見解を伺います。
また、機能再編計画についてパブリックコメントの前に各区で市民説明会を開催すべきです。対応を伺います。

神奈川口連絡道路について伺います。

日本野鳥の会は、本年9月5日の勉強会の報告で、「羽田空港と神奈川県の道路は、国道と首都高速横羽線・湾岸線の3本が5Kmの間にあり、それ以上の連絡道路の必要性はあるか疑問です」「神奈川口連絡道路の計画も水面下で進行し」「その重要な時期についての、行政側からの情報公開は十分ではありません」「抽象的な文言で、具体的なデータなども示さない内に結論が出る可能性があります」と問題を指摘しています。こうした声にどうこたえるのか、市長の見解を伺います。

市長は、羽田空港再拡張を視察し、土地利用カルテ等を策定するということですが、肝心の大田区との話し合いは、どのように進んでいるのか、伺います。

連絡道路整備に伴い、大田区側が懸念している交通量の流入による影響についてどのように検討されているのか、川崎側への交通量流入の影響についても伺います。

これまで空港関連施設の誘導などが検討されましたが、いずれも白紙になっています。そうした中で、近隣都市との機能分担とはどういうことを想定しているのか、市長に伺います。

さらに、殿町地域に航空会社の機内食のケータリング機能等の整備が予定されていますが、連絡道路の整備を条件としているのか伺います。

「報告第16号 23法人の経営

状況について」のうち、財団法人かながわ廃棄物処理事業団についてです。

収支計算書を見ると、事業活動収支差額は、県、横浜市、川崎市の負担金4億円余を入れても約1億2千万円しかありません。そこで、施設建設基金を3億9千万円取り崩して、長期借入金の返済の6億2100万円をおこなったというのが実態です。この施設建設基金は、3年間で10億5800万円も取り崩して赤字を埋めています。

提案説明で、赤字の理由は廃棄物処理事業収入が減ったからだと述べられましたが、減ったどころの問題ではありません。事業体としてはまったく収支が合わない事態が続いているということです。現在は県と横浜、川崎が、それぞれ毎年1億3800万円の負担金ですんでいますが、この先、莫大な税金を投入することにならないか、懸念します。

本来産業廃棄物は排出者が処理するものであり、この施設は、民間処理施設の設置を促進するために、公が調査研究や普及啓発をするために作ったものです。そのことを踏まえて今後どう対応されるのか、川崎市の考えをうかがいます。
以上で質問を終わります。

(再質問)

再質問に入る前に、地球温暖化対策について、意見を申し上げます。

いま必要なのは、基本的な世界の流れを踏まえて、地方自治体として実効ある対策をとることです。

国連の「気候変動に関する政府間パネル」報告書は、気温上昇を2度以内に抑えるために、(1)長期目標として、2050年までに、温室効果ガスを90年比で、先進国は80%以上削減すること、(2)中期目標として、先進国は2020年までに25~40%削減すること。(3)以上の目標達成によって、今世紀末までに人類が排出する二酸化炭素を1兆8000億トン以下に抑え、大気中の二酸化炭素濃度を安定させることが、気温上昇を2度以下に抑えるための鍵になると強調しています。

これに基づき、各国が具体的なCO2削減の数値目標を設定して、積極的に取り組もうとしています。そういう流れの中で、東京都のような条例を制定する動きも広がっているのです。

川崎市は、新しい評価方式で取り組むということですが、肝心な2020年の中期目標についてはこれから検討していくということで、明確なCO2削減目標すら設定できません。温暖化対策に真剣に取り組むというなら、明確な数値目標を設定して取り組むべきです。

自然エネルギーへの転換についても、目標を引き下げることなく、公共施設への設置、市民の取り組みに対する支援の拡充など、積極的に取り組むよう強く求めておきます。

再質問を行います。

行財政改革についてです。

選択型公共サービスは受益者負担が前提となってメニューはいろいろ示されたとしても、選ぶに選べない、まさに絵にかいた餅にならないかなどの質問に明確に答えませんでした。答弁では「今後についても、的確かつ安全な公共サービスの提供に努めていく」とのことでしたが、安心してサービスの提供を受けられる、つまり絵にかいた餅のような状況にはならないとはっきりいえるのか、市長に伺います。

適正な職員配置の問題でも、いま慢性的な時間外勤務がどの職場でもひろがっています。6時までは時間外手当を付けないという職場の実態を紹介しましたが、「うちの職場は7時まではつけていない」ということも聞きました。これでも市長は「業務に見合った適正な職員配置を行っている」というのですか、うかがいます。

青年の雇用・生活支援についてです。

不安定な雇用形態のもとで、正社員として就職できない、リストラにあった、当座の生活費すらないなど、社会的課題として連日マスコミに報道されない日はありません。川崎市は、国任せではなく、東京都のように実態に即して、住宅資金の貸し付け制度や家賃補助などの制度を、市長の判断で実施すべきです。伺います。

少人数学級について、再度うかがいます。

少人数学級で県の研究指定枝になった学校の報告書をみると「概ね好意的な評価」どころか、軒並み「少人数指導ではその効果は学習面にでるが、少人数学級では生活指導および学校生活への適応指導においても大きな効果をあげることができた」「個に応じて理解ができるまで教えることが可能になった。特に理解するのに時間がかかる児童にとっては、成果が著しくあがった」「もっと、学年を拡大してほしい」保護者も「この方法であれば担任に安心して任せられる」「次年度も継続してほしい」など、少人数学級における指導の有効性、わかる授業の効果は歴然です。

児童、生徒、教師、保護者みんな元気になれる、これだけ、効果は明瞭になっているわけです。同時に学校現場では「各家庭における生活行動及び価値観の多様化に伴って児童が集団生活や学習面に適応しきれないで、個別の支援が必要な児童が増加している。35人を超えるような学級では、その指導に困難が生じている」「特別支援の対象児童も在籍しており、少人数による学級編成が必要」などの報告が多数あがっています。

県や国に要請すると同時に、広島市のように川崎市独自で正規教諭を雇って、小中学校全学年に年次計画をたてて少人数学級の実現に取り組む時期にきているのではないですか、うかがいます。

中学校のランチサービスについてです。

平成18年の12月議会で、教育長は、中学校については、基本はお弁当持参ではあるけれども、持ってこられない生徒のために、ランチサービスを提供するとのことでした。しかし、はるひ野中学校では、家庭からお弁当を持参していた生徒もランチサーピスに変更しているとのことです。給食室で調理した温かいランチを喫食できることが生徒に好評とのことです。これこそが待たれていたのではないでしょうか。

6月議会では、はるひ野中学校の喫食率の上昇の理由に、周辺にコンビニエンスストア-などの店舗がないからということを言われていましたが、麻生区には、コンビニのない地域はほかにもあり、そこでの喫食率は、2.5%です。喫食率とは関係はありません。WEBシステムも導入してからも、2.2%、2.4%と変化がなく、周知を図っても喫食率はとても上がるとは思えません。20倍もの開きがあるのは、川崎市の公立中学校に通う生徒同士の間で、あまりにも不公平ではないでしょうか。

はるひ野中学校以外でも、温かい食事の提供が待たれています。デリバリー方式に戻すなど今こそ公費で行う中学校給食にすべきです。伺います。

総務局長に、再度、市職員の長期療養者への対応についてうかがいます。

「必要となる臨時的任用職員を代替職員として配置している」ということですが、長期療養者が生じた職場には、すべて代替職員を配置してきたのか、うかがいます。

メンタルヘルス不調についてですが、リワーク研修は時間短縮で行われますが、本格研修の2ヶ月間は現職職場で、土日・休日以外は休みなし。時間短縮もなしで、交通費も支給されず公務災害の対象にならない状態で勤めあげなければならないと聞きましたが、これは事実ではないというのですか、うかがいます。

メンタルヘルス不調による長期療養者で中途で退職した職員数をうかがいます。

区役所・支所・出張所等の機能再編についてです。

「一度の来庁により、さまざまな手続きを済ませる」ことがサービスの向上になるとの答弁でしたが、住んでいる地域から離れ、交通の便も悪いところへ行かされることが、なぜ、サービスの向上になるのでしょうか。支所や出張所は大切な役割を果たしてきました。行政の機能が身近にあることは、サービス向上の重要な視点です。
宮前区では、向丘出張所所轄の生活エリアと区役所所轄の生活エリアは 大きく分かれ、向丘地域から区役所に行くバスはラッシュ時を除けば、1時間に1便から2便しかありません。利便性については、サービスの低下になりますが 改めて伺います。

住民への説明についてですが、パブリックコメントや必要に応じ説明会を開催するとのことですが、住民の生活に大きな影響を及ぼすことです、対象地域で必ず説明会を行うべきですが、伺います。

また、寄せられた意見で現在の機能を存続してほしいとなった場合、機能再編の計画を見直すのかも伺います。

? 入札制度に関連して予定価格の事前公表の見直しについて再度、財政局長に伺います。

答弁では、入札契約制度のあり方を再検証していきたいということですが、早急に見直しの結論を出すべきです。いつまでに結論を出すのか、伺います。

保育緊急5カ年計画についてです。

民営化園の選定理由についてですが、将来においても継続的に保育需要や長時間延長保育の利用が見込まれる地域であることから選定したとのことです。しかし3園については定員増はなく、待機児解消には全くつながっておりません。保育需要は現在、どこでも高まっていますからとりわけこの5園の選定根拠にはならないと考えますが伺います。

長時間延長保育について、「過去に行ったニーズ調査で7時以降のニーズが多数寄せられていたので、新設保育所や民営化園において実施する」ということです。これでは「なぜうちの保育園が民営化なのか」という保護者の率直な疑問にこたえられません。個別の園ごとにニーズ調査を行った上で根拠を示すべきですが伺います。

あらためて伺いますが、児童福祉法24条で保護者の保育園を選ぶ権利と、そこで保育を受ける権利があると思いますが、これに照らして保護者の同意なしに民営化はするべきでないと考えますが伺います。

引き継ぎ期間があるから不安をもつことはないと言っていますが、引き継ぎ保育士は各年齢に一人で限られた人数です。乳幼児の育ちには「安定した環境」と「信頼できる保育者」が何より大切です。子供を真ん中にして保護者と保育者との信頼関係も大切です。これまで築いてきたそうした信頼関係を断ち切られる理不尽さを、特にものを言えない園児に負わせることについて、どう考えるのか伺います。

民営化は保育環境の混乱と保護者や保育士の心身を疲弊させます。このことについて心を痛めないのか伺います。
次に民営化で5千万円運営費を削減できるといっています。このことは、運営費の8割を占める人件費を下げざるを得ないということです。保育園にはベテラン、中堅、若い保育士とバランスよい配置が必要で専門性と継続性が大切です。親育てや地域の子育て支援も担ううえでもベテラン保育士の一定の割合での配置は不可欠です。人件費を切り下げることは、ベテランの比率を下げざるをえないと考えますが伺います。

 

次は、原油・原材料高騰で大きな打撃を受けている中小・零細企業支援についてです。

不況対策資金の利率の引き下げを継続するとの答弁でした。これは10月以降も継続すると理解します。では、いつまで続け、利率はいくつになるのか伺います。

練馬区は「原油等価格高騰対策特別貸付」利率0.1%です。練馬区に近づけるべきですが伺います。

又、特別相談窓口では、金融に関する相談が最も増えています。景気の悪化などで利用がさらに増えてきた場合の対応についも伺います。

政府は、原油等価格高騰に関する緊急対策について具体化し、自治体でも支援策が広がっています。渋谷区ではクリーニング店への年額20万円の助成、練馬区の公衆浴場燃料費助成を具体化しています。本市もこのように具体化すべきです。伺います。

運輸関連事業者も深刻な事態です。荷主団体に対し、国と一緒になって協力要請を行い、トラック輸送における燃料サーチャジ制の導入を促進すべきですが伺います。

中小企業金融公庫及び国民生活金融公庫によるセーフティネット貸付について融資限度額の別枠倍増加、元本返済据え置き期間の延長を緊急に図るよう国とともに働きかけるべきです。伺います。

福祉施設や社会福祉法人等に対する福祉ガソリン支援を検討すべきです。伺います。

障害者施策についてです。

川崎市心身障害者手当の見直しについて検討を始めているとのことでした。この手当の対象になっている方は、在宅の重度の障害者です。私の友人は寝たきりの重複障害のお子さんを、自宅で介護しています。彼女は毎日お子さんにつきっきりで、不況でご主人の仕事がたいへんになっても、障害があるがゆえにかかる負担を減らすこともできません。この手当があることが、どれだけ経済的にも精神的にも助かっているか。県が見直していることを聞いた障害者の皆さんが、「削減しないでほしい」と声を上げています。障害者年金しか収入のない人たちにとって、それまであった手当が減らされることは、命を削られるような思いがするのです。

本市の心身障害者手当の削減は絶対に行ってはなりません。この手当には精神障害者が対象になっていないという問題があり、精神障害を含む拡充の方向で見直すべきです。うかがいます。

リハビリテーション福祉・医療センター再編整備基本計画についてです。

中央リハビリテーションセンターと中央療育センターともに、運営形態は民間法人とのことです。

中央リハビリテーションセンターは地域リハビリテーションセンター4か所との連換に加え、診療機能、機能訓練機能、総合就労支援施設の機能を持ち、さらに重度障害者等生活施設との連換も必要としています。さらに井田病院との連携も行うわけです。

中央療育センターについても地域療育センター4か所のほか、医療機関、保健所や保育、教育機関との連携をとるわけです。

乳幼児から高齢者に至るまですべての年齢層のすべての障碍者を対象に、連続性をもって、総合的・系統的なリハビリテーションサービスを担うのですから、各機関がそれぞれ異なる民間法人の運営になれば、総合的、系統的な運営は困難になるのではないでしょうか。この理念と機能を果たすためには公営にすべきと考えますが再度伺います。

介誕保険について再度うかがいます。

実態調査全体を通しても介謹保険料が高い、と感じている方が多いということです。

介護給付費準備基金の残高は約37億円と答弁されました。第1号被保険者数は21万人ということで、その3年間分で概略計算した場合、全部取り崩すと1人当たり年平均5,900円ほどです。これだけ、負担感があり、そのうえ後期高齢者医療でも保険料を徴収され、ほんとうに高齢者は踏んだり蹴ったりです。この基金はできる限り全額、個人の保険料に還元すべきです。うかがいます。

防災対策に関連して、木造住宅耐震改修事業について、まちづくり局長に伺います。

人命を守り、被災を最小限に食い止めること、災害救助、物資の輸送等に支障をきたさないために、直面する地震災害への備えとして、住宅の耐震化は、地震防災対策の最優先課題として取り組むべき問題です。
初回の質問で取り上げたように、住宅の耐震診断が4か月待ち。一方、耐震補強については、今年度ようやく78件の申請という状況です。先ほど指摘した対象戸数からすると、このままのぺースで本当に市民の命を守りきれるのか、切迫感が感じられません。

診断の申し込みが増えている一方で、登録診断士が、当初の100名から現時点で86名と減っているとのことです。
川崎市として、講習会等を開催し、川崎市の責任で診断士を育成すること、また、市内工務店の最大の活躍場である耐震補強工事についても、川崎市として養成し登録業者を増やすなど、規模とスピードを上げるために全力を尽くすべきではないでしょうか、伺います。

(再々質問)

さらに質問をする前に、保育緊急5カ年計画について意見要望を申し上げます。

5園の選定の根拠ですが、個別園のニーズ調査を行なわずに「見込まれる」というあいまいな理由での選定では保護者の納得は得られないのではないでしょうか。

根拠としている過去のニーズ調査は、次世代育成支援行動計画策定のための調査として平成16年2月、4年も前に実施されたものです。しかも、全市的な調査であって地域限定でない調査であり、将来のみこまれる地域の推計までできるはずはありません。このニーズ調査をもって、選定根拠にはなりません。

多様化する保育需要に柔軟に対応するための手法としていますが、公立保育園でもすでに19時まで延長保育を実施しているのですから20時までの保育が可能なはずです。

保育士の配置も、公と民の運営費の差はおおむね人件費ですから、人件費を抑制するために民営化の際に経験年数が少ない職員に入れ替えざるを得ないのが実態です。川崎市職員人事に関する統計報告によると公営時の経験年数は21.4年ですが、民営化後は3.3年から5.6年の間です。経験を蓄積するには「継続的な雇用に資する適正な人件賀」が保障されなければなりません。特に企業参入は保育の市場化、競争化で環境の後退が危慎されます。子供の育つ場にコスト・効率最優先はなじまないことを強く指摘しておきます。

? では再度うかがいます。

行財政改革についてですが、「絵にかいた餅」にはならないとのことですが、問題は適正な受益と負担の関係がどうなるかです。負担が増加すれば、ニーズはあったとしてもサービスは抑制せざるを得ないという事態が現実に広がっています。「絵にかいた餅」にならない、つまり、誰でもサービスを使いたいときに使えるようにする負担の在り方をどう考えているのか、うかがいます。

職員配置についても、保育園の定員増にみあって職員は増員されているのでしょうか。生活保護世帯が増え続けている福祉事務所で長期療養者が生まれると、その担当ケースを分担して、基準の80ケースを100ケース以上相当して頑張っている職場に、組織スラック、組織スラックとは余力とか余裕とかいう意味だそうですが、それを活用して乗り切れと言い続けるのでしょうか。いずれも市長の見解をうかがいます。

青年の雇用、生活支援についてです。

市長は、正規で働きたいのに非正規で働かざるをえない青年たちについて、就業意欲がないという認識なのでしょうか。必死で働いていてもまともな生活ができないという現状をとらえれば、国任せにするのではなく、未来ある青年たちを支援する市の独自の制度が求められているのです。市長の見解をうかがいます。

? 防災対策の要である木造住宅の耐霞補強工事についてです。

今どうしても必要なのは、旧耐震基準の木造住宅の耐震補強だということは、相次ぐ地震災害の最大の教訓です。
しかし、現状では、耐震化の進捗率は、0.1%という状況です。耐震診断事業ができる建築士さんは、86人ということで、フルに活動しても1か月100件が限界ということです。

具体的な耐震補強のテンポを上げていかなければ、大規模地震が発生したら、多くの命が奪われることにどうすることもできません。家屋が倒壊すれば、火災の危険が増大します。さらに、救援活動にも支障をきたします。行政は莫大な費用をかけ、道路をふさぐがれきを撤去しなければならなくなります。

改めて、防災対策の要である旧耐震木造住宅の耐震補強推進のために、名古屋市で行われているような制度を参考に抜本的な対策の強化を急ぐべきではないでしょうか。市長の見解を伺います。

 

(最後の意見)

市長の答弁には本当に驚きました。私が挙げた福祉事務所の例は、一人のケースワーカーが100人ものケースを担当しているということなのですよ。国の基準は80人までで、それでも多いといわれているのに、長期療養者の穴埋めをしないために、事実上国基準を大きくうわまわる100人ものケースを受け持たざるを得なくなっているのです。長期療養者の補充をする責任を放棄し、「余力を活用してやっている」と言い切ったことに私は怒りすら感じます。その結果、本来行うべき、一人一人を訪問し、その人の生活を支えるという仕事ができなくなっているではありませんか。一連の市長の発言を現場の職員が聞いたら、どんな思いがするでしょう。

私は質問の最初に、地方自治体の財政悪化は国の悪政が主な要因であること、しかしその中でも本市は比較的柔軟な財政構造になっており、こういう状況の中でどういう市政運営が必要かという問題提起をしました。

市長は徹底したアウトソーシングをはじめ、行革路線を推し進めることに固執しました。

しかし、それでは市民生活は守れないことを、質問を通じて明らかにしてきました。そうではなく、職員の皆さんと力を合わせて、国の悪政から市民を守る防波堤となって市民生活をこそ暖め、市内中小企業を守れば、地域で経済が循環し、結果として本市の財政にも好循環をもたらすものです。

そうした方向こそ、市民の福祉を増進する地方自治体のあり方であり、私たちはこの立場でいっそう奮闘することを述べて、質問を終わります。