議会報告

2009年3月25日

2009年3月予算市議会 予算組替え動議を提案し説明


2009,03,25, Wednesday

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19日提案された予算組み替え動議について佐野よしあき議員は次のように説明しました。
私は、日本共産党を代表して、2009年度川崎市一般会計予算等の、組替えを求める動議について、提案理由、基本方針およびその内容について説明いたします。
小泉内閣以来の「構造改革」で国民生活は破壊され、その上、「100年に一度の経済危機」の中、川崎市においても、派遣労働者が急増し、年収500万円未満の市民が65,7%を占めるなど、貧困と格差は一層広がり、国民の苦難はあらゆる分野に及んでいます。そのうえ、「行財政改革」による福祉切り捨てで、市民生活は極限までに追い詰められています。こうしたときこそ、市民生活をしっかりと支える市政運営に切り替えることが求められています。
こうした立場から次の組替えの基本方針及び内容により、2009年度の予算の再提出を求めるものです。
組替えの基本方針はさきにのべたように、
第1に、「100年に一度の経済危機」で中小・零細業者の営業・くらしが深刻な中、生活密着型公共工事の発注を増やすなど、中小零細企業を支援し、雇用を拡大すること、地域商店街支援の予算を増額し、商店街の活性化を図ることです。
第2に、子どもを貧困から守るための緊急策をとることです。
小中学校の自然教室の食事代補助、生活保護世帯への入学祝金・修学旅行支度金を復活し、就学援助世帯へのメガネ支給・卒業記念品費・社会見学等の実費支給補助を元に戻します。
第3に、子育て・教育にかかる費用が子育て世代の大きな負担になっているなか、この負担を軽減し、子育てしやすい環境を整えることは緊急の課題です。
認可保育園の緊急増設、私立幼稚園保育料補助の増額と入園料補助の創設、小児医療費助成制度の所得制限撤廃と対象年齢引き上げなど子育て支援を充実させること。
少人数学級を拡充し、教育費の負担が高額になるなかで、保護者負担を軽減するために施策の充実をはかること。小学校給食費の値上げを中止し、中学校給食を実現すること。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにすることなどです。
第4に、高齢者に増税・負担が集中しているもとで、安心して医療と介護を受けられる手立てをとることです。
老人医療費助成事業と介護援助手当を復活し、介護保険料の引き下げを行うこと。特別養護老人ホームを緊急増設し、人材確保が困難な介護施設等に職員の定着・確保を図るために支援を行います。
障害者自立支援法の下で過酷な負担にあえいでいる障害者がサービスを利用できなくならないよう低所得1・2の方の利用料を無料にし、負担を軽減します。
第5に、不要不急の大規模開発等を中止・延期し、一般会計および水道・工業用水道事業会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図り、市財政の健全化に向けた一歩を踏み出すものです。
組替えの内容ですが、歳入予算として高速川崎縦貫道路関連事業の中止、羽田再拡張に伴う「神奈川口構想」関連事業、羽田空港再拡張・国際化関連事業の中止、先端産業創設支援制度の中止、競輪施設等整備事業基金などからの借り入れなどで、約64億円を確保します。
歳出予算として、提案のアからヌまで列挙いたしました事業に充当するものです。
この組換えによる総事業費は、約77億6千万円で、市債と企業債の発行は約30億5千万円削減できます。
市民の切実な声に心を寄せる議員各位のご賛同を心から呼びかけ、予算の組替え提案の説明とさせていただきます。
2009年度予算案の組替え案について
1、組み替えを求める理由
小泉内閣以来の「構造改革」で国民生活は破壊され、その上、「100年に一度の経済危機」の中、川崎市においても年収5百万円未満の市民が65,7%を占めるなど、貧困と格差がいっそう広がり、国民の暮らしの苦難はあらゆる分野に及んでおり、自治体には市民生活を守るために全力を尽くすことが求められている。しかし、新年度予算は、市民税の収入増で税収が伸びているにもかかわらず、切実な市民要望に応えるどころか、中小・零細業者や高齢者関係の予算を細かく削減する一方で、不要不急の大型開発には多額の予算を計上している。
国の悪政に加え、「行革」による福祉切り捨てで極限まで追い詰められた市民生活を支えるため、次の組み替えの基本方針および内容により2009年度の予算案の再提出を要求する。
2、組み替えの基本方針
(1)中小・零細業者の営業・くらしが深刻な中、生活密着型の公共工事の発注を増やし、中小・零細業者の支援、雇用を拡大する。地域商店街支援の予算を増額し、商店街の活性化をはかる。
(2)子どもを貧困から守るための緊急策として、「行革」で削減した、小中学校の自然教室の食事代補助、生活保護世帯の入学祝金・修学旅行支度金、就学援助世帯へのメガネ支給・卒業記念品費・社会見学等の実費支給補助を復活し元に戻す。
(3)子育て・教育にかかる費用が子育て世代の大きな負担となっていることから、認可保育園の緊急増設、私立幼稚園保育料補助増額と入園料補助創設、小児医療費助成制度の所得制限撤廃・対象年齢の引き上げなど、保護者の負担を軽減し、子育て支援を充実する。
どの子もわかる授業を実現するため、少人数学級を拡充する。小学校給食費の値上げ中止、中学校給食を実現し、高額な保護者の教育費負担の軽減をはかる。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにする。市立定時制高校の夜食代補助を復活する。
(4)高齢者に増税・負担が集中しているもとで、安心して医療と介護を受けられるよう、老人医療費助成事業と介護援助手当を復活する。介護保険給付準備金の取り崩しで第1号被保険者の保険料を引き下げる。特別養護老人ホームを緊急増設し、人材確保が困難な介護施設等に職員の定着・確保をはかるための支援をおこなう。
障害者自立支援法のもとで過酷な負担にあえいでいる障害者がサービスを利用できなくなる人が出ないよう低所得1,2の方の利用料を無料にし、負担を大幅に軽減する。結核・精神医療付加金給付制度、重度障害者等食事代補助制度を復活する。
被保護世帯への上・下水道料金減免、入浴援護事業を復活し、低所得世帯の生活応援をはかる。
(5)高速川崎縦貫道路事業など不要不急の大規模事業等を中止・延期し、一般会計および水道・工業用水道事業会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図る。
3、組み替えの内容
不要不急の大規模事業の中止並びに基金からの借り入れなどにより、約71億円を確保し、下記「②歳出予算の組み替え」の施策を実施する。
(1)歳入予算等の組み替え
ア、 高速川崎縦貫道路関連事業(市負担金及び409号新設・共同溝工事)の中止(1億5843万円 市債発行の抑制21億2100万円)
イ、羽田空港再拡張にともなう「神奈川口構想」関連事業(羽田再拡張事業貸付金及び羽田空港再拡張・国際化関連事業)の中止(1億9147万円 市債発行の抑制10億9400万円)
ウ、殿町3丁目地区(神奈川口)先行土地利用エリア整備事業(4千万円)
エ、先端産業創出支援制度(イノベート川崎)(167万円)
オ、税外債権回収対策強化事業の拡充(約276万円)
カ、仮称市税事務所整備の推進(1億7千万円 市債発行の抑制約3億2千万円)
キ、鹿島田駅西地区市街地再開発事業(約5921万円
ク、仮称道路公園事務所・仮称都市基盤整備事務所の整備(1億2852万円)
ケ、臨港道路東扇島水江町線の整備(7百万円 市債発行の抑制6300万円)
コ、競輪施設等整備事業基金、港湾整備事業基金、土地開発基金等の当面使用する予定のない基金からの借り入れ(約64億円)
サ、介護保険給付準備金の取り崩し(1千万円)
(2)歳出予算の組み替え
ア、介護援助手当の復活
イ、特別養護老人ホーム増設
ウ、介護保険・老健施設人材確保支援
エ、老人医療費助成制度を復活する
オ、敬老祝品・長寿夫妻記念品の復活
カ、障害者の福祉サービス利用料を低所得1,2の方をゼロにする
キ、重度障害者との入院時食事代補助の復活
ク、結核・精神医療付加給付金制度の復活
ケ、被保護世帯への上・下水道料金の基本料金減免を復活する。
コ、被保護世帯入浴援護事業をもとに戻す
サ、福祉措置による特別乗車証の復活
シ、小児医療費助成の所得制限を撤廃し、小学生まで無料化
ス、私立幼稚園保育料補助を月1万円増額(A~D)と入園料10万円補助
セ、認可保育園を緊急増設する
ソ、少人数学級を拡充する
タ、就学援助費を元に戻す(校外活動費・卒業記念品費・メガネ給付、生保世帯への入学祝金・就学旅行支度金・卒業アルバム代補助)
チ、小・中学校の自然教室の食事代補助を復活する
ツ、中学校給食をデリバリー方式で実施する(喫食率5割)
テ、定時制高校夜食費を復活する
ト、高校奨学金を平成16年度の実績に戻す
ナ、生活コア商業活性化支援事業費の増
二、コーディネート支援事業費の増(コーディネーターを10倍加)
ヌ、第1号被保険者の介護保険料を引き下げる
「議案第24号 平成21年度川崎市一般会計予算」等の組み替えを求める動議の提出について
上記の動議を別紙のとおり、川崎市議会会議規則第15条の規定により提出いたします。