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2007年5月19日

あらためてビジネスホテル建設の中止を申し入れる(2007.5.18)


2007,05,19, Saturday

先の川崎市議選で「ビジネスホテル建設の中止」を訴えた共産党だけが議席増・前進したことをうけ、同市議団は5月18日、阿部市長あてに、あらためてホテル建設の中止・計画変更を申し入れました。共産党から竹間幸一団長ら6人の議員が参加し、砂田慎治副市長が応対しました。
申し入れでは、「選挙結果はホテル建設の中止を願う世論の大きさを示した」としたうえで、とりわけ、ホテル建設予定地の周辺は中小企業婦人会館も閉鎖され、市民が気軽に利用できる会議室・小ホール等が不足していることからも、中原消防署上階への複合施設は、ホテル建設をやめ、市民利用施設に計画変更する手続きを早急にとるよう求めています。
また、ホテル建設問題に関わって、阿部市長が4月9日記者会見で共産党の前進について「まやかし」「でたらめ」「詐欺」等々と誹諦・中傷した問題について、「わが党の主張に嘘、偽りはまったくない。正々堂々と政策を訴えて前進したわが党に対し、『詐欺』呼ばわりするなど常軌を逸した暴言で公党の名誉を傷つけた阿部市長にきびしく抗議する」として、市長の発言内容に反論。「市民の声をまったく聞こうとせず、市長の政策や事業に批判的な意見や政党に対しては、事実をゆがめた誹誘・中傷で徹底的に攻撃・排除しようとする阿部市長の反民主主義的態度は、首長としての資質が根本から問われる」と指摘しています。

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川崎市長 阿部孝夫 様

川崎市議選の結果をうけ、あらためて、ビジネスホテル建設の中止・計画変更を求めるとともに、記者会見での市長発言にきびしく抗議する
2007年5月18日
日本共産党川崎市会議員団
竹間幸一 市古映美 佐野仁昭 宮原春夫 石田和子
斉藤隆司 石川建二 井口真美 勝又光江 大庭裕子
(1)わが党の議席増・前進に示された市民の声を真摯に受けとめ中原消防署上階へのホテル建設の中止・計画変更の決断を
4月8日におこなわれた川崎市議会議員選挙では、川崎市のビジネスホテル建設の中止を訴えた日本共産党だけが議席を増やし前進した。
昨年来、わが党がおこなった市民アンケート結果(回答数4783通)で、ビジネスホテル建設の中止を求める圧倒的な市民世論(「中止」62%、「推進」11%)が示され、その結果を紹介した今年3月議会で阿部市長は、「信ぴょう性がない」などとアンケートそのものを否定する態度をとったが、選挙中も多くの市民から「ホテル建設は民間がやることだ。なぜ自治体がやるのか」との怒りの声が寄せられ、選挙の結果は、あらためて、ホテル建設の中止を願う世論の大きさを示すものとなった。阿部市長は、この結果を真摯に受けとめ、中原消防署上階へのビジネスホテル建設の中止を決断するよう強く求めるものである。
とりわけ、ホテル建設予定地の周辺は超高層マンションが乱立する一方で、中小企業婦人会館も閉鎖され、市民が気軽に利用できる会議室・小ホール等の市民利用施設が不足していることからも、建設中の中原消防署の上階への複合施設は、ホテル建設をただちに中止・凍結し、早急に市民利用施設への計画変更手続きをとるよう求める。
(2)定例記者会見の場を公党への悪宣伝に利用する阿部市長にきびしく抗議する
このビジネスホテル建設問題にかかわって、「統一地方選挙の結果」が議題となった4月9日の市長定例記者会見で、阿部市長は、市議選で日本共産党が議席を増やして前進したことについて、次のように、「詐欺」呼ばわりしてわが党を攻撃した。
「公約、選挙公報でごまかしを書いている。ホテル付きの消防署を建てる44億円を使って、保育所が15ヵ所できるという、あれはまやかしです。それはもう財源が全然違うのですから」などと述べ、消防署を除いてもホテル部分だけ(土地代を含む)で事業費が44億円かかることを、「ホテル付き消防署で44億円」などと事実を歪曲する言い換えをしたうえで、「そういうでたらめに市民がまどわされたとしたら、あれは詐欺の一種だと私は思います」「そういう嘘をついてまで人の席を横取りするようなことまでしながら、自分たちの勢力を伸ばすというやり方に対して私は怒りを覚える」等々と、誹謗・中傷の発言を長々とくり返した。
わが党の主張に嘘・偽りはまったくない。正々堂々と政策を訴えて前進したわが党にたいし、「詐欺」呼ばわりするなど常軌を逸した暴言で、公党の名誉を傷つけた阿部市長にきびしく抗議するものである。
地方自治体の第一の任務は「住民福祉の増進」(地方自治法第1条)であり、ホテル建設は自治体がやるべき仕事ではないとの立場から、わが党は、ビジネスホテル建設そのものの中止を強く求めてきた。
市長は、ホテルと保育園は財源が違うと述べ、「ホテルをやらなければ、その分で保育所ができるという話ではまったくありません」などと居直っている。事業費とは、特定財源(補助金、市債など)と一般財源から構成されており、この事業をやめれば他の事業にまわせるということではないことは財政論の常識であり、「バーター関係にない」ことはわかっていることだ。深刻な保育園不足という実態があるのに、民間が経営するホテルを、いま市が借金してまで建設するという、市予算の使い方をわが党は問題にしているのである。07年4月に解消するとしていた保育園の待機児が4月時点で460人を超えるという異常事態を直視するならば、わが党が「ビジネスホテルよりも保育園の建設を」と訴えたのは当然である。
市長は、市が直接税金を投入しない(借金で行なう)から、ホテル建設が市の事業ではないかのように言っているが、ホテル建設は、市長の政策判断で計画・実行され、市予算にも盛り込まれた、川崎市の公共事業である。市債を財源にした事業といえども、一般に「税金の使われ方」として問われるのが常識であることを強調しておく。
(3)市民の声を聞こうとせず、市長の政策に反対する者を攻撃する態度は、首長としての資質が根本から問われる
市長の発言は、選挙という民主的な過程を経で市民から付託された市議会議員を侮辱し、その議員を選択した市民をも侮辱する、反民主主義的、反市民的な態度といわねばならない。
また、市長の公務として行なわれる定例記者会見の場を、市政の課題から大きく逸脱して、公党への悪宣伝の場に利用するような行為を決して認めるわけにはいかない。
市民の反対世論が強いビジネスホテル建設問題での市長の言動にみられるように、市民の声をまったく聞こうとせず、市長の政策や事業に批判的な意見や政党にたいして、事実をゆがめた誹謗・中傷で徹底的に攻撃し、排除しようとする反民主主義的な阿部市長の態度は、136万市民の首長としての資質が根本から問われることをきびしく指摘しなければならない。
以上