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2010年10月13日

学習会「消費税の仕組み・増税は必要? これからの税制を考える」開く


DSCF121510月8日、中山直子税理士を講師に、消費税の仕組みをあらためて学び直し、消費税増税の問題点を学習しました。市議団主催。

中山さんは、民主党は「消費税の議論が必要」と主張、自民党等を取り込み、マスコミも総動員して財源問題=消費税問題だとおもわせて消費税増税を論じる事をあおっているとのべ、消費税の仕組みと計算方法や、さまざまな問題点を説明しました。

そもそも、消費税を販売価格に上乗せするかどうかは業者の判断であって、消費税の徴収は義務ではなく任意であること、したがって源泉徴収のような「預かり金」ではないこと、消費税を上乗せできない業者は自腹を切って納入する事になります。
消費税の納入額の計算原則は「(課税売上額−課税仕入額)×5%」です(課税売上額、課税仕入額は税抜き額。「収入のうち課税対象にかかる消費税額−支出のうち課税対象にかかる消費税額」)。
消費税の不合理生は、たとえば国内で販売する調剤薬局は、保険請求による調剤の売上は非課税のため消費税は徴収できないにもかかわらず販売する薬等の購入には消費税を支払うため多額の消費費税を自己負担している、一方で、自動車等輸出大企業は、輸出販売は0%課税であり輸出分含めてすべての仕入れで支払った税額を控除できるため多額の消費税還付金が発生しています。そのため愛知・豊田税務署は1050億円、神奈川税務署は364億円の赤字になっています(いずれも05年)。
また消費税は、受入派遣の人件費にかかる消費税は控除できるが給与はできないため正規雇用を派遣に置き換える圧力になっている事、収入の少ない人ほど消費税の負担割合が高い事(逆進性)、小さい業者ほど売上に転化できていない事などもあります。
そして、消費税の導入・税率引き上げにあわせて、証券税制の引き下げ、所得税・住民税の最高税率引き下げ、法人税率の引き下げなどがおこなわれてきたため、ほとんどが大企業減税の穴埋めに消えましました。
中山税理士は、消費税はそもそもどんな税金かとして、(1)物価上昇を招き、景気を底から冷やす、(2)低所得ほど負担が重く最低生活費にも課税される、(3)徹底した大企業優遇税制、(4)リストラ推進税制、(5)中小業者を破壊する税制、(6)滞納税額を贈財させる税制、(7)不透明でわかりにくく消費者と事業者を対立させる、とまとめ、憲法が要請している税は、応能負担・最低生活費非課税が原則であり、庶民は所得再配分機能を持つ税制を積極的に選択すべきであり、消費税増税では格差・貧困問題も、内需低迷の解決もできないとしめくくりました。