政策・提案 • 議会報告

2011年3月17日

予算組替え動議を提案〜佐野議員が提案説明


DSC08035 3月16日の3月議会最終日、日本共産党川崎市議団は予算組替え動議を提出し、佐野よしあき副団長が提案説明を行ないました。
佐野議員は、雇用とくらしを守り、市民生活を支えるために緊急に必要な課題を解決するため、次のような予算案の組替えの基本方針を説明し、予算案の再提出を求めました。
第1に、経済危機の長期化で中小・零細業者の営業・くらしが深刻ななか、工場の家賃や機械リース代などの固定費補助創設で中小・零細業者を直接下支えする支援を行なうこと、建設業の振興とともに経済波及効果が大きく、市民にも喜ばれる住宅リフォーム資金助成条例を創設することなど。
第2に、貧困と格差が拡大している中で、被保護世帯への上・下水道料金減免、入浴援護事業を復活し、低所得世帯への生活支援をはかる。「行革」で削減した小中学校の自然教室の食事代補助、生活保護・就学援助世帯への入学祝品・修学旅行支度金・卒業アルバム代補助、就学援助世帯へのメガネ支給・社会見学等の実費支給補助を復活する。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにする。市立定時制高校の夜食代補助を復活することなど。
第3に、子育てにかかる費用が子育て世代の大きな負担となっていることから、認可保育園の緊急増設、私立幼稚園保育料補助増額、小児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、中学生まで拡充する。どの子もわかる授業を実現するため、小学校3年生まで少人数学級を拡充する。中学校給食を実施することなど。
第4に、高齢者が安心して介護を受けられるよう、特別養護老人ホームを緊急増設し、介護援助手当を復活する。低所得1,2の障がい者の医療費を無料にし、重度障害者等入院時食事代補助制度を復活することなど。
第5に、少なく見積もって1000億円以上かかる国際コンテナ戦略港湾計画への投資や、高速川崎縦貫道路など不要不急の大規模事業を中止・延期で、一般会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図る。
第6に、歳入予算として、高速川崎縦貫道路関連事業、羽田空港再拡張にともなう「神奈川口構想」関連事業の中止、臨港道路東扇島水江町線の整備をはじめとする国際コンテナ戦略港湾計画への投資などを中止・延期し、競輪施設等整備事業基金、競輪事業運営基金、港湾整備事業基金、土地開発基金等の当面使用する予定のない基金の中からの借り入れなどで、約72億円を確保する。
この組み換えによる総事業費は一般財源で約72億円で、市債と企業債の発行は約40億円削減できる。

提案した予算組替え動議は次の内容です。

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「議案第39号平成23年度川崎市一般会計予算」等の組替えを求める動議
「議案第39号平成23年度川崎市一般会計予算」、「議案第40号平成23年度川崎市競輪事業特別会計予算」、「議案第47号平成23年度川崎市港湾整備事業特別会計予算」、「礒案第50号平成23年度川崎市生田緑地ゴルフ場事業特別会計予算」、「議案第51号平成23年度川崎市公共用地先行取得等事業特別会計予算」、「議案第54号平成23年度川崎市下水道事業会計予算」、「議案第55号平成23年度川崎市水道事業会計予算」、「議案第56号平成2’3年度川崎市工業用水道事業会計子算」について、市長は別紙要領により速やかに組替えをなし、再提出することを要求する。
(別紙)
1 組替えを求める理由
自公政権に続き、民主党政権にも引き継がれた「構造改革」、「新自由主義」路線により、国民の福祉と暮らしは破壊され、地域経済も深刻な状態となっている中、地方自治体には市民生活を支える市政運営が求められているが、新年度予算案は、長引く経済不況に苦しむ市民の福祉・暮らしや市内中小企業への支援が実効性の薄いものになっている一方、破綻した KCTの問題に対する反省もなく、1,000億円以上もかかると試算されている国際コンテナ戦略港湾計画に乗り出そうとしている。
我が党は、市民隼活を支えるための緊急な課題に絞って、次の組替えの基本方針及び内容により平成23年度の予算案の再提出を要求する。
2 組替えの基本方針
(1)経済危機の長期化で中小・零細業者の営業・暮らしが深刻な中、工場の家賃や機械リース代などの固定費補助創設などで市内中小・零細業者を直接下支えする支援を行う。建設業の振興とともに経済波及効果が大きく、市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成事業を創設する。
(2)貧困と格差が拡大している下で、被保護世帯への上・下水道料金減免及び入浴援護事業を復活し、低所得世帯への生活応援を図る。「行革」で削減した小・中学校の自然教室の食事代補助、生活保護・就学援助世帯への入学祝金・修学旅行支度金・卒業アルバム代補助、就学援助世帯への眼鏡支給・社会見学等の実費支給補助を復活し、元に戻す。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにする。市立定時制高校の夜食代補助を復活する。
(3〉子育て・教育にかかる費用が子育て世代の大きな負担となっていることから、認可保育園の緊急増設及び私立幼稚園保育料補助の増額を行うとともに、小児.医療費助成制度の所得制限を撤廃し、中学生まで拡充する。どの子も分かる授業を実現するため、小学3年生まで少人数学級を拡充する。食教育の一環として中学校給食を実施する。
(4)高齢者が安心して介護を受けられるよう、介護援助手当を復活する。特別養護老人ホームを緊急増設する。非課税世帯の障がい者の医療費を無料にし、重度障害者等入院時食事代補助制度を復活する。
(5)少なく見積もっても1,000億円かかる国際コンテナ戦略港湾計画への投資や、高速川崎縦貫道路など不要不急の大規模事業の中止・延期で、一般会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図る。
3 組替えの内容
不要不急の大規模事業の中止と基金からの借入れなどにより、約72億円を確保し、次の「(2)歳出予算の組替え」の施策を実施する。
(1)歳入予算等の組替え
ア 高速川崎縦貫道路関連事業(川崎縦貫道市負担金、縦貫道関連409号新設改築等)の中止(約8,493万円、市債発行の抑制約5億3,934万円)
イ 羽田空港再拡張に伴う「神奈川口構想」関連事業(羽田連絡道路の整備促進事業及び羽田空港アクセス改善推進事業)の中止(約1,404万円)
ウ 臨海部再生関連事業(戦略拠点等整備推進事業、殿町3丁目地区中核施設整備事業等)の中止(約5,907万円、市債発行の抑制約900万円)
エ 広域連携による港湾物流拠点の形成に関わる事業(京浜港広域連携の推進及び臨港道路の維持・整備(東扇島水江町線の整備等))、廃棄物埋立護岸の整備等の中止・延期(約3億3,406万円、市債発行の抑制約48億2,900万円)
オ 先端産業創出支援助成(イノベート川崎)の中止(約2億8,993万円)
カ 仮称市税事務所整備の推進の中止(約2億9,468万円)
キ 上水道・工業用水道・下水道事業の国際展開事業の中止(約2,962万円)
ク 生田緑地ゴルフ場の整備の中止(市債発行の抑制約2億円)
ケ 基金、競輪施設等整備事業基金(約55億円)、競輪事業運営基金(約19億円)、港湾整備事業基金(約37億円)、士地開発基金(約14億円)等の当面使用する予定のない基金からの借入れ(約61億円)
(2)歳出予算の組替え
ア 介護援助手当の復活
イ 特別養護老人ホームの緊急増設
ウ 障がい者で低所得1、2の方の医療費の無料化
エ 重度障害者等の入院時食事代補助の復活
オ 被保護世帯への上・下水道料金の基本料金減免の復活
カ 被保護世帯入浴援護事業の復活
キ 小児医療費助成の所得制限を撤廃し、中学生まで無料化
ク 私立幼稚園保育料補助を,月1万円増額(A~D)
ケ 認可保育園の緊急増設
コ 少人数学級を小学3年生まで拡充
サ 小・中学校の就学援助費の復活(生活保護世帯への入学祝金・修学旅行支度金、眼鏡支給・卒業記念品費・社会見学費等)
シ 小・中学校の自然教室の食事代補助の復活
ス 中学校給食をデリバリー方式で実施
セ 定時制高校夜食費の復活
ソ 高校奨学金を平成16年度の実績に戻す
タ 中小・零細企業への固定費(貸工場の家賃、機械のリース代等)の補助
チ 住宅リフォーム助成事業の創設