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2011年5月19日

ミューザ川崎シンフォニーホールの天井崩落現場を議員に公開~復旧費20~30億円見込み


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5月13日、川崎市は、3月11日の東日本大地震で被災したミューザ川崎シンフォニーホールの現場を、市会議員に公開しました。
同ホールは、天井仕上げ材等をはじめ、付属する音響・照明・空調設備等の相当部分が落下、ホール内の壁仕上げ、床仕上げ、客席等も損傷しました。パイプオルガンについても、落下物や粉塵の侵入、スプリンクラーの放水などのために修復や調律が必要になっています。現場視察をした様子からは、崩落した天井材や音響材などが2~4階席を埋めて1階席になだれ込み、軽量鉄骨が椅子に突き刺さるなどの様子がみてとれました。
市は基本的考え方として、同ホールの早期復旧をめざすとともに、原因の究明に向けた調査を行い、その結果をホールの設計・施行に活かし、評価の高い音響の復元と安全性の確保を図りたいとしています。
市は財団法人日本建築防災協会と、学識経験者による被害調査委員会の設置(東京大学名誉教授・坂本功委員長、他13名)と専門業者による実地調査を内容とする震災被害調査業務委託契約を結びました。
市は調査報告書が出される前から設計を開始、2012年度末完了をめどに解体・設備設置工事を行う計画です。事業費用は6月議会に補正予算として計上される予定(20~30億円見込み)で、6億円を超えるとされるため工事契約の締結には議会の承認も必要とされます。
市は、11日当日3月中の公演中を公表、16日に9月までの公演中止を公表するなど、事態の見通しと掌握に2転3転しています。天井崩落による人的被害が無かったとはいえ、公演中の地震であれば重大事態になった可能性のあった事故だけに徹底した原因解明が必要です。