議会報告

2011年11月29日

給与水準下落の悪循環を断て~職員給与引き下げ案に井口議員が代表質疑


DSC0148328日、「川崎市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」案について、日本共産党を代表して井口真美議員(多摩区)が質疑しました。
この条例案では市職員の給与が、中高年を中心に引き下げられ、モデルケースで40歳係長で1万4000円、50歳課長で2万円の減収(年間)になります。
井口議員は、「『職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員ならびに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなけばならない』とされ、低いところに合わせよということになっているわけではない。人事委員会の勧告制度は、職員の適正な処遇を確保するために勧告を行うものであり、職員の給与水準を民間の給与水準に合わせるものではない」、「公務員給与が多くの職種の基準とされてきたことから中小企業の賃金水準も左右している。(中略)地域経済活性化の観点から公務員の給与水準を率先して見直すことが必要」と質問しました。
市長も人事委員会委員長も「『情勢適応の原則』や『均衡の原則』に基づき、職員の給与を民間の勤労者の水準に合わせることを基本に行っている」と答弁するのみで、職員給与の引き下げが民間給与を巻き込んだ給与水準引き下げのスパイラルの起点になっていくことについて考慮することなく行っていることを吐露しました。
井口議員は「民間給与が下がり、それを参考に公務員給与が下がる。それを理由にまた民間が下がり、公務員がまた下がる。こんなことを続けていったら、いったい市民生活はどうなっていくのか」と指摘して、市長にこの悪循環を断ち切るために引き下げは見送るという判断を求めました。市長は「民間給与に準拠することが、最も合理的であり納得をえられるもの」と繰り返しました。

井口議員の調査では、50歳課長級の職員のモデルケースで、2003年と比較すると120万円の減収(年間)となっています。