議会報告

2012年6月25日

「議場における国旗及び市旗の掲揚に関する決議」に対する反対討論


SONY DSC 6月22日、自民、公明、民主、みんなの各党が共同で「議場における国旗及び市旗の掲揚に関する決議」案を提出したことに対して、竹間幸一市議団長が反対討論を行いました。

竹間議員は、「日の丸」は侵略戦争の旗印として使われてきた歴史的事実があり、国旗制定に際しても国民世論が賛成・反対に二分される状況となったことから掲揚の義務づけはおこなわないとされた経過があり、多様な価値観を持つ市民を代表する議員が論議を尽くす「言論の府」であり多様な思想信条宗派の市民が傍聴者として参加する「民主主義の府」でもある市議会本会議場に、今でもさまざまに意見のかわれる日の丸を掲揚することは、市民に日の丸掲揚の受容を強要することになりかねず、自由な言論の府にふさわしくないと述べ、反対であることを表明しました。

この問題をめぐっては12日に、市民15人と、自由法曹団神奈川支部が掲揚反対の意見書をそれぞれ各会派に提出していました。自由法曹団神奈川支部は「掲揚していないのは、成熟した民主主義社会の議会の証しとして誇るべきこと」と述べています。

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竹間議員の反対討論はつぎのとおりです。

私は、日本共産党を代表して、ただいま提案されました、決議案第1号「議場における国旗及び市旗の掲揚に関する決議」について反対討論をおこないます。

「国旗国歌法」、すなわち、日の丸を国旗とする法律は、1999年に制定されました。

「日の丸」は、第二次世界大戦において、日本が中国をはじめアジア諸国を侵略したとき、侵略の旗印として使われてきたという歴史的事実があり、そうした事実から「日の丸」掲揚に反対する国民が多数存在し、制定に対しては大きな反対運動も起き、国民世論が賛成・反対に文字通り二分される状況となりました。

そうした背景もあって、法制化に際しては、「国旗」(日の丸)について、「掲揚の義務付けをおこなうことは考えていない」と、当時の小渕総理大臣も、国会で答弁しています。

本会議場は、多様な価値観を持つ市民を代表する議員が、自由な論議を尽くす"言論の府"です。また、本会議場は、議員だけでなく、思想・信条・宗派の多様な市民が傍聴者として参加する"民主主義の府"でもあります。

しかも、川崎市には、侵略戦争で多くの犠牲者を出したアジアの人々をはじめ、多くの外国人、また様々なルーツを持つ方々が住んでいる街です。

そこに、今でもさまざまに意見が分かれる「日の丸」を掲揚することは、市民に「国旗」(日の丸)掲揚の受容を強要することになりかねず、自由な言論の府に相応しくないものといわなければなりません。

以上から、決議案第1号「議場における国旗及び市旗の掲揚に関する決議」については反対であることを表明して、討論を終わります。