トピックス

2012年10月8日

生活の場の中にある小水力発電~都留市を視察


CIMG8672CIMG8712

地域資源を使った自然エネルギーへの転換が求められています。

10月4日、日本共産党川崎市議団は、まちの中をながれる小さな川に発電機を設置して市役所や植物栽培施設の電力として利用している山梨県都留市を視察してきました。

都留市の中心部を民家の間をぬって流れる「家中川(かちゅうがわ)」という小さな川は、1639年に開削され、農業や生活、防火、織物産業など、さまざまな分野において地域の発展に寄与してきました。水量が豊富なため、精米・製粉の水車動力や、地域に電灯電力を提供した発電所(三の丸発電所)がつくられたりしました。

都留市は、市内において利用可能で最も期待される小水力発電の普及啓発をはかるため、家中川を利用し、市役所を供給先とする小水力発電所「元気くん1号」を建設、2006年から稼働を開始しました。2010年には「元気くん2号」が、2011年には「元気くん3号」が稼働を開始しました。水量の変化に対応するためのパワーコンディショナー(自動可変速負荷調整装置)や、ゴミ類の流れ込みを防止するための自動除塵装置も付けています。

高効率で発電することが目的ではなく、新エネルギー導入の促進と意識啓発が目的であったことから、3つの発電所は、市役所、学校、民家など、市民が生活しているすぐ隣に設置されており、水車も開放式(密閉された水路ではない水路を使用する)を採用していることから、身近にまちの中を流れる川の水が発電している姿を日常的に見ることができます。

家中川は都留市管理の「準用河川」(1級河川および2級河川でない法定河川のうち町村が指定し管理する河川)となっています。

発電所の諸元(都留市提供資料より)

CIMG8697

「元気くん1号」(都留市役所敷地内↑)
発電設備:最大出力20kW、使用水量常時0.77立方m毎秒(最大2.0立方m毎秒)、有効落差最大2.0m
水車形式:開放型下掛け水車(水車直径6m、36枚木製羽、ハイドロワット社製造(独))
総建設費:42,374,450円(水路、機械設備、設計監理、工事費、他)

 

CIMG8715CIMG8721のコピー

「元気くん2号」(上谷地地内(三の丸発電所跡地)↑)
発電設備:最大出力19kW、使用水量常時0.21立方m毎秒(最大0.99立方m毎秒)、有効落差最大3.5m
水車形式:開放型上掛け水車(水車直径3m、耐候性鋼材、ハイドロワット社製造(独))
総建設費:62,318,550円

 

CIMG8709CIMG8708のコピー

「元気くん3号」(谷村第1小学校北側↑)
発電設備:最大出力7.3kW、使用水量常時0.21立方m毎秒(最大0.99立方m毎秒)、有効落差最大1.0m
水車形式:開放型らせん水車(水車直径1.6m、耐候性鋼材、リハート社製造(独))
総建設費:35,722,050円