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2014年3月25日

福祉・くらし・中小企業優先の予算に~予算組み替え動議を提案


DSC060323月24日の2014年第1回川崎市議会定例会において、日本共産党川崎市議団は予算組替え動議を提出、石川建二議員(宮前区)が代表して提案説明をおこないました。
他党は反対理由を述べることなく反対多数で否決されました。

予算組み替え動議の提案説明

私は日本共産党を代表して、2014年度川崎市一般会計予算等の組み替えを求める動議について、提案理由、基本方針及びその内容について説明いたします。
歴代政権に加え、安倍政権の暴走が市民のくらしを困難に陥らせています。
1997年から2013年の16年間で労働者の平均年収は70万円も減収し、厚生労働省が2月に発表した2013年勤労統計調査では、残業代やボーナスを含む給料総額は月平均31万4054円と前年よりも減少し、1990年以降で最低になっています。
こうした労働者賃金の減収に加え、さまざまな控除廃止による実質増税が子育て世代を直撃し、また、高齢者の年金も削減されるなど、次々と市民への負担増がとられてきたことが原因です。そのうえ、4月からの消費税増税、社会保障改悪の負担増が追い打ちをかけることになります。
こうしたなか、地方自治体には国の悪政から市民生活を守る防波堤の役割を果たすことが求められていますが、新年度予算案では、市民の福祉・くらしや市内中小企業への支援、防災対策の強化などについて、きわめて不十分なものとなっています。
その一方で、不要不急な大規模事業への予算は大幅に増えています。港湾関係では、コンテナ1号岸壁の延伸の設計費の計上、臨港道路東扇島水江町線の整備に約29億円、千鳥町再整備としてJA全農所有地取得で15億円、2階建て立体モータープールを9億円かけて整備するための設計委託費など、150億円も予算計上されているうえ、京浜臨海部国際戦略特区へ国立医薬品食品衛生研究所を誘致するための土地取得代を含めた国際戦略拠点地区整備推進事業費に約10億円などです。
わが党は、市民生活を支えるための緊急課題に絞って、次の組み替えの基本方針及び内容により、2014年度予算案の再提出を求めるものです。

第1に、経済不況の長期化で中小・零細業者の営業・くらしが深刻ななか、工場の家賃や機械リース代などの固定費補助創設で業者を直接下支えする支援を行なう。建設業の振興とともに経済波及効果が大きく、市民にとっても喜ばれる住宅リフォーム助成事業を創設することです。雇用をめぐる環境が厳しいなか、こうした取り組みにより雇用拡大を図ります。また、消費税増税による影響が大きい商店街の負担軽減策としてプレミアム付商品券のプレミアム分を補助する制度を創設することです。
第2に、子育てにかかる費用が子育て世代の大きな負担となっていることから、認可保育園の緊急増設、小児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、中学生まで拡充する。どの子もわかる授業を実現するため、小学校3年生までと、中1ギャップ解消のため、中学1年生で少人数学級を実現することなどです。
第3に、高齢者に増税・負担が集中しているもとで、安心して介護を受けられるよう、介護援助手当を復活し、特別養護老人ホームを緊急増設し、人材確保が困難な介護施設等に職員の定着・確保を図るための支援を行う。非課税世帯の障がい者の医療費を無料にし、重度障害者等入院時食事代補助制度を復活することなどです。
第4に、貧困と格差が拡大しているもとで、被保護世帯への上・下水道料金減免、入浴援護事業を復活し、低所得世帯への生活応援をはかる。小中学校の自然教室の食事代補助、生活保護・就学援助世帯の入学祝品・修学旅行支度金・卒業アルバム代補助、就学援助世帯へのメガネ支給・社会見学等の実費支給補助を復活する。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにする。市立定時制高校の夜食代補助を復活することなどです。
第5に、防災対策の第1の要である旧耐震基準の木造住宅の耐震化促進を図るため、助
成対象件数を増やす。再生可能エネルギーへの転換を図るためにも、住宅用太陽光発
電設備設置への補助を2013年度と同じ件数分行えるようにすることです。
第6に、国際コンテナ戦略港湾計画への投資や、必要のない千鳥町のJA全農からの土地取得、過大予測が危惧される2階建て立体モータープール建設費、京浜臨海部国際戦略特区への国立衛生研究所を誘致するための土地取得、高速川崎縦貫道路など不要不急の大規模事業中止・延期で、一般会計の市債発行を抑制し、後年度負担の軽減を図ることです。

組み替えの内容ですが、歳入予算として、高速川崎縦貫道路関連事業、京浜臨海部国際戦略拠点の形成関連事業、国際コンテナ戦略港湾整備関連事業、先端産業立地促進事業などを中止し、競輪施設等整備事業基金、競輪事業運営基金、港湾整備事業基金、土地開発基金等当面使用する予定のない基金からの借り入れなどで、約77億円を確保します。
歳出予算として、提案いたしましたアからテまでの事業に充当するものです。この組み替えによる総事業費は一般財源で約77億円です。市債の発行は約55億円削減できます。
長引く不況に加え、さまざまな負担増で市民のみなさんの生活が苦しさを増しているなか、こうした市民生活の実態に思いを寄せる議員各位のご賛同を心から呼びかけ、予算組み替えの提案説明とさせていただきます。