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2014年6月20日

強力な長時間労働規制こそ必要〜市古議員が意見書提案


DSC063966月19日、第2回定例会で、市古映美議員が、提案者を代表して、「労働時間規制をなくす制度導入に反対する意見書」の提案説明をおこないました。日本共産党、民主党、無所属議員1名の共同で提案した意見書です。
意見書案は、政府の産業競争力会議が、働いた時間の長さと関係なく、成果に対して賃金を払う新たな制度を導入することを決めたことについて、国に対して、長時間労働を是正し、労働者の健康確保を徹底するために、労働時間規制をなくす制度の導入を断念することを強く要望する内容となっています。

提案者以外の反対で意見書の提出は否決されました。

******** 市古映美議員の提案説明 **********

私は、今議題になりました意見書案第7号「労働時間規制をなくす制度導入に反対する意見書」につきまして提案者の方々を代表して、提案説明をいたします。
安倍首相を議長とする政府の産業競争力会議は5月28日、財界や大企業の要求に応えて、働いた時間の長さと関係なく、成果に対して賃金を払う新たな制度を導入することで一致し、これにより、政府が6月にまとめる成長戦略に、40時間を基本とした労働時間の規制に大穴をあける新たな賃金制度の導入が盛り込まれることになりました。
この日の会議では民間委員から、当たな制度の対象などとする層について、企業の研究開発部門などで働く幹部候補生などとする追加案も示されましたが、現在でもブラック企業が新入社員を幹部候補生という名目で採用し、厳しい競争に駆り立てている実態があることからすれば、運用によっては対象範囲が際限なく広がる可能性が懸念されます。
労働基準法では、労働時間を原則1日8時間、週40時間と定めているにも関わらず、厚生労働省の調査でも2012年の1人当たり平均年間総実労働時間は1765時間と、欧州主要国などに比べ、依然として長時間労働が続いており、さらに、サービス残業や、若者を使い捨てにするブラック企業もあとを絶たない状況で、労働時間規制がなくなれば労働者は残業代ゼロで長時間働かされ、過労死しても自己責任として片づけられかねません。
安倍首相は2007年にも同様の制度の導入を検討しましたが、「残業代ゼロで過労死を促進する」制度だとして批判を浴び、断念に追い込まれた経過があります。
アメリカでは、オバマ大統領が、残業代を払わなくてもいいホワイトカラー・エグゼンプションの見直しを指示したとの報道があり、また、国内では過労死等防止対策推進法が全会一致で今国会で成立する見込みとなっている中で、今回の産業成長力会議の方針決定は、これらの動きに全く逆行するものであります。
過労死やうつ病などが頻発する今の日本には、長時間労働をなくすための実効的で強力な規制こそが求められています。
よって、国におかれましては、長時間労働を是正し、労働者の健康確保を徹底するために、労働時間規制をなくす制度の導入を断念されるように強く要望するものです。
議員各位におかれましては、日本の労働者と家族を守り、真の日本経済の発展のためにもこの趣旨を十分にご理解いただき、本意見書にご賛同いただけますよう、お願い申しあげまして、提案説明とさせていただきます。