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2014年9月15日

再選定の教科書を採択 川崎市 教育委員会


市民「裏切られた気持ち」

川崎市教育委員会(硲正人委員長)は8月30日、高津区の総合教育センターで臨時会を開き、橘高校(全日制)と高津高校(定時制)の来年度使用教科書について、実教出版「日本史A」を除外して再選定させた教科書で採択しました。橘高校は東京書院「日本史A 現代からの歴史」、高津高校は実教出版「新日本史A」です。

市教委は、市教科用図書選定審議会の「(実教出版「日本史A」は)さまざまな方面から議論を呼んでいる」などとする補足意見を受けた17日の会議で、両校に対して「当該教科書以外の教科書から、再度、候補を選定するよう依頼する」と決定していました。

30日は、71人の市民らが傍聴しました。委員らは再選定の教科書を採択。その後、市教委の再考依頼にかんして撤回を求めるものなど5件の請願を審議しましたが、いずれも不採択にしました。議事日程終了後、突然、採択区見直しの議論が始まり、傍聴席から「日程にない。おかしい」と抗議の声が上がりました。採択区は現行の4採択区となりました。

高校生の親として陳述した請願提出者の五十嵐八千代さん(52)は「(請願の取り扱いが)あらかじめ決まっていたと感じました」と憤りました。当該教科書を排除した採択についても「裏切られた気持ち」だと述べました。