政策・提案 • 資料室

2015年2月13日

「地域住民生活等緊急支援交付金」を活用したプレミアム商品券発行など申し入れ


交付金活用申し入れ消費税増税や円安による物価上昇などに苦しむ住民の生活と地域経済の支援の財源として、政府が2014年度補正予算案に「地域住民生活等緊急支援のための交付金」(4200億円)を盛り込んだことを受けて、共産党川崎市議団は2月13日、市が検討中の交付金活用の具体化作業にあたり、市民の願いにこたえて地域の消費喚起につながる緊急対策を実行するよう、福田市長あてに申し入れました。砂田慎治副市長が対応しました。
この交付金の活用問題で、多摩区商連や内閣府で聞き取り調査をしてきた斉藤隆司、石川建二両議員が申し入れの要点を説明、「実効性のあるプレミアム付き商品券発行事業への具体的提案」として、商品券で購入できる商品・サービス、プレミアム率、取扱店、商品券の換金、事務手続きへの支援などを具体的に提案。国は住宅リフォーム助成にも使えると説明していることを紹介し、創設するよう要求。金融支援や、子育て支援の拡充、安定雇用の創出・拡大策なども要望しました。
対応した砂田副市長が、川崎市で使える交付金の規模や施策の具体化の検討状況などを話しました。

申し入れ文は次の通りです

政府補正予算の「地域住民生活等緊急支援交付金」を活用して、プレミアム商品券発行、住宅リフォーム助成、金融支援、安定雇用、子育て支援等の拡充など緊急対策を求める申し入れ

川崎市長 福田紀彦 様

2015年2月13日
日本共産党川崎市議会議員団
団長 市古映美

消費税増税や円安による物価上昇などに苦しむ住民の生活と地域経済の支援の財源として、政府は2014年度補正予算案に「地域住民生活等緊急支援のための交付金」(4200億円)を盛り込みました。同交付金は「地域消費喚起・生活支援型」(2500億円)と「地方創生先行型」(1700億円)で、緊急支援の対象は原則ソフト事業を想定しています。「地域消費喚起・生活支援型」の目的は、自治体が実施する、地域における消費喚起策やこれに直接効果を有する生活支援策に対して国が支援するもので、メニュー事例として、プレミアム付商品券(域内消費)、低所得者向け灯油等購入助成、低所得者向け商品・サービス購入券、多子世帯支援策(プレミアム付商品券に多子世帯割引率アップ、子育て応援券の増配布等)などが例示されています。現在、市が検討中の交付金活用の具体化作業にあたり、以下の施策を実行するよう要望します。

《実効性のあるプレミアム付商品券発行事業への具体的提案》

商品券の販売価格より1~2割程度多い金額分の買い物ができるプレミアム付き商品券は、市民に喜ばれ、地域の商店街での消費喚起に抜群の波及効果があるとして、市議会で我が党はくり返し実現を求めてきました。この交付金を活用して、実効性のあるプレミアム付商品券発行事業を創設するよう求めます。川崎市域では近年、区単位の商連や単会の商店会がプレミアム付き商品券を発行した経験はありますが、全市規模での額面数十億単位での発行は初めてのこととなります。制度の創設、具体化にあたって次のような制度設計と配慮などを提案します。
1.商品券で購入できる商品・サービスについて…物販だけでなく、各種サービス、福祉的サービス、公的サービスにも使えるようにする。住宅リフォームの支払いにも使えるようにする。
「低所得者層向け生活支援」や「多子世帯に対する支援」として、商品券を活用する。プレミアム率を上乗せするなどの工夫も行なうこと。
2.プレミアム率について…10%~20%の範囲で可能とのことですが、消費税8%への増税によりプレミアム分が10%程度ではほとんどが消費税分で消えてしまうことになり、真に消費喚起を呼びおこすにはプレミアム率をめいっぱいの20%に近く設定すること。
3.取扱店について…商品券を扱う商店などにプレミアム分の一部負担、換金手数料、その他いっさいの負担を求めない。商連に加盟していない商店などにも、商品券の周知を十分に行なう。
大型店やショッピングセンターなどに商品券の使用が偏らないように特別の配慮を行なうとともに、商品券の発売や使用に関わって商店街がイベントやセールなどを企画・開催する際には団体ごとに特別の支援を行なう。
小規模・個人商店などが気軽に取扱店になれるよう、取扱店の登録、商品の種類などに特段の配慮を行ない、市内すべての店で使える商品券のシステムにする。
4.商品券の換金について…取扱店は商品券を現金と同様に受け取らなければならないので、受け取った商品券の現金への換金には十分配慮する。特に小規模・個人商店や、日々仕入れ品の支払いをする商店など、取扱店の都度の請求に応じるようにする。少額の換金請求には即時換金に応じるようにし、口座振込だけでなく、現金への換金にも応じるようにする。換金窓口は市内の幅広い金融機関にも設ける。換金にかかる手数料は取扱店に求めない。
5.事務手続きへの支援について…事務手続きの人員確保のための人件費にも交付金を活用できることを生かし、そのための市商連の人員確保などを支援すること。
その他…商品券の印刷について、市内業者に発注すること。
商品券の発売について、低所得者でも購入できるように配慮すること。

《交付金を活用し、住宅リフォーム助成制度の創設を求めます》

今回の地域消費喚起・生活支援型の交付金は、制度設計を工夫すれば、住宅リフォーム助成制度にも活用することができると、国会で答弁されています。2月6日、我が党市議団が内閣府担当官からレクチャーを受けたところ、担当官は「住宅所有者への支払いでなく、施工業者へ直接支払いする制度なら可能」と例示しており、実際、リフォーム助成に活用する事前計画を出している自治体も数十に及んでいると紹介されました。
これまで市議会で我が党が住宅リフォーム助成制度をくり返し求めてきましたが、前市長や経済労働局も「一時的」としながら経済波及効果を認めてきたところです。この機会に交付金を活用して川崎市でも住宅リフォーム助成制度を創設し、住宅リフォームの需要を喚起・底支えし、地域経済の活性化と住宅環境改善の市民要望に応えるよう求めます。
リニューアルされた商店が新たな消費を喚起することから、高崎市のような「商店街リフォーム助成」も交付金で取り組むよう求めます。

《円安に苦しむ事業者への金融支援を求めます》

現在、川崎市で不況対策資金として、金利の引き下げを行ない、5年型/年1・4%以上、10年型/年1・6%以上となっています。今回、国の緊急経済対策において、事業者への支援として「原材料高騰に対応する低利融資制度の創設など中小企業・小規模事業者の資金繰り、事業再生支援事業」があげられています。交付金を活用し、事業者の不況対策資金の金利をゼロにし、申し込み期間(現在、2015年3月31日)のさらなる延長を行なうことを求めます。

《子育て支援等の拡充について、以下の事業を求めます》

◎子ども・高齢者のインフルエンザ予防接種への助成。
◎就学援助で市教委が予算要求している小中学生の体育実技用具費を援助項目に追加する。
◎子育て支援センター、子ども文化センターの施設修繕、備品・消耗品購入に補助する。
◎新設される認可保育園の保育士確保策として家賃補助を創設する。
◎公立小中高校の児童生徒用の古くなった机・椅子などの備品更新、古くなったサッカーゴール、バスネットゴールなど体育用具の更新。
◎公立小中高校の理科室・家庭科室の特別教室へのエアコン設置(普通教室は設置完了済み)。
◎子ども・高齢者・障がい児者の紙おむつ購入補助(プレミアム商品券のプレミアム率上乗せ等)

《安定雇用の創出・拡大策への支援について、以下の事業を求めます》

◎従業者を非正規雇用から正規雇用に転換した市内中小企業に補助金を交付する制度を創設する。
◎川崎市立の定時制高校で就職を希望する高校生に対する若者サポートステーションの相談支援事業が打ち切られたが、相談員を配置して事業を復活・継続する。
以上