議会報告

2016年3月22日

医療費助成を中学校卒業まで引き上げを〜片柳議員が条例修正提案


DSC07986katayanagi2016年第1回川崎市議会定例会最終日の3月18日、採決に先立ち、小児医療費の通院助成を小学校3年生までにするとした市長提案議案に対して、通院医療費の助成対象となる年齢を中学校卒業まで引き上げるとともに所得制限を撤廃する修正を片柳進議員(川崎区)が提案し賛同を求めました。
共産党以外の議員が反対したため成立しませんでした。
片柳議員の修正案提案説明の予定原稿は次の通りです。

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「議案第18号川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について」に対する修正案の提出についての提案説明

私は、「議案第18号川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について」の修正案について、提案者を代表して、提案説明を行います。
本修正案は、通院医療費の助成対象となる年齢を中学校卒業まで引き上げるとともに、所得制限を撤廃するために修正するものです。
今、所得制限なしで通院助成対象年齢を中学校卒業まで引き上げるべきとする理由は、川崎市の子どもの医療費負担の格差と不公平感が耐えがたいものになっているということです。東京都内をはじめ、政令市の千葉市、さいたま市など、すでに首都圏では、所得制限なしで中学校卒業までの無料化・助成が当たり前の流れになっています。多摩川を挟んで、子どもの命を守る施策に大きな格差が存在するという状況を一刻も早く解決すべきです。とりわけ、6人に1人の割合で子どもが貧困状態といわれる状況の下、お金のあるなしで医者にかかれない子どもを1人でも生み出すことは許されません。
20政令市の状況は、中学校卒業まで無料化又は助成しているのは9政令市で、そのうち所得制限なしが7市、小学校卒業までは新年度に岡山市、北九州市、福岡市が、それまでの就学前から一気に拡充し、5政令市になります。神奈川県内の市町村の新年度の状況は、中学校卒業までが14自治体で、そのうち所得制限なしが10自治体、小学校卒業まで助成する自治体は15自治体に広がります。新年度、小学校3年生まで1歳分だけ拡大する川崎市は、ようやく横浜市、茅ヶ崎市と並ぶだけで、引き続き県内で最低の対象年齢です。
さらに、所得制限があることは重大な問題です。子ども本部の推計によると、所得制限がなければ、ゼロ歳から小学3年生までの助成対象者数は12万6571人になりますが、所得制限によって、そのうち1万6741人(13.2%)が助成を受けられません。中学校卒業まで助成を拡大した場合、所得制限がなければ19万3433人が助成対象になりますが、所得制限によって、そのうち3万5187人(18.2%)が助成を受けられません。市民税の収入増に貢献している世帯や、わずかな収入の差で、所得制限で対象外になる世帯の不公平感は計り知れません。
所得制限を設けていた北九州市は、新年度10月から助成対象を就学前から一気に小学校卒業まで拡大するのと同時に、所得制限を廃止します。
所得制限を設けていない多くの自治体に共通するのは、「子どもの健康に親の所得は関係ない」という考えです。他の政令市や、財政的に苦しいといわれる県内の多くの市町村でできるのに、財政力指数が20政令市トップで、「財政が厳しい」といえなくなっている川崎市ができないはずはありません。所得制限をただちに撤廃すべきです。
以上、子育て世代の切実な願いに応え、所得制限を撤廃し、中学校卒業まで医療費を無料化するための条例修正案にご賛同を心からお願い致しまして、提案理由の説明とさせていただきます。