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2019年7月31日

川崎建設業協会・県中小企業建設業協会川崎支部と懇談会


DSC_06257月23日に日本共産党川崎市議会議員団は、(一社)川崎建設業協会(村松久会長)、神奈川県中小企業建設業協会川崎支部(福島圭一支部長)(以下協会)と懇談会を行い、要望等について意見交換しました。

今年度の新規要望として(1)「働き方改革」について、(2)PFI・PPPの導入推進について(建築)、(3)財政局資産管理部契約課各係への「技術系職員」の配属について(土木)、(4)年度末(3月末)に完成期限が設定される工事の4月末ないし5月末への完成期限繰越設定について(土木)、が出されました。

(1)「働き方改革」で現場作業を週休2日制にすることは工期や労務費等に大きな影響があり、「適切な補正係数を導入」するよう要望しています。協会として、工期期間12ヶ月のものは14~15ヶ月へ延長、労務単価は現状の1.2倍とし、工期延長・労務単価の見直しによる直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費のすべての見直しを要望しています。
神奈川県発注工事で4週8休以上を達成した場合の「経費補正」係数は土木工事で労務費は1.05、機械経費1.04、共通仮設費1.04、現場管理費1.05、建築工事では労務費が1.05となっていますが、これは「ゼネコン対象の数字」であり、日雇い労働者に1週間の賃金を保障するには労務費は1.2倍が必要であり、全体的に1.2倍を目標にと協会は述べています。川崎市は今年度より「週休2日制確保モデル工事」の試行を全庁的に広げるとしています。

(2)協会は、ヨネッティー堤根の整備手法で検討されているPFI、PPPなどの手法では地元企業の参入が難しいとして、オペレーションノウハウを持っていない地元企業も参加しやすい仕組み、ノウハウの習得を考慮した方法、オペレーションを切り離すことのできる建設部分の分離などを要望しています。

(3)「入札参加資格」の条件設定や試行中の「受注機会確保方式」が採用されない理由など、入札業者として疑問に思うケースが少なからず存在しているとして、発注者の責務として発注案件のすべてにおいて入札参加資格の条件設定に関して多くの入札参加業者が納得できる理由付ができるよう「技術系職員」の配置を協会は要望しています。

(4)協会は、職員の移動、国補助金、予算の執行などの理由から完成期限が3月末の工事が多くあるが、新年度当初に供給開始しなければならない案件を除き工事の完成期限を4月末、5月末に設定してあれば、受注者とすれば工程的に無理なく安全や品質の確保をより重視した工事を行うことができ、発注者としても第4四半期に頻発する「入札不調」を少なくし、年度末に集中する完成検査職員の疲弊等も防ぐことができるとして、債務負担行為や繰越明許を活用して完成期限繰越設定を活用するよう要望しています。

また継続要望事項として

(5)市の補助金を利用した事業において市内業者へ優先発注するように義務付けること

(6)「専門工事事業者育成型入札」の試行案件で、塗装業者は建設工事に入札参加できるけれど建設業者が塗装工事に入札制限される状況の改善

(7)土木系業種において発注件数と入札参加者のアンバランスからいつどのような工事を受注できるか全く予想がつかず(くじ運に任せる)会社維持に厳しい状況があることから、入札参加者数の制限、年度末・年度始めの発注案件への「受注機会確保方式」の適用、下水管内管きょ緊急補修工事や取付管布設工事は地域別でA・B混合にする、などの発注の具体策

(8)事業者の技術力の向上及び社会的貢献への意欲をいっそう高めるため、一部の一般競争 入札において「主観評価項目の合計点40点以上」を入札参加資格とした入札を今年度4月より実施する ことになったが、40点では入札参加者数は条件が設定されていない案件とほとんど変わることがないことから50点~70点以上に設定された案件も試行する

(9)近年の人手不足から特にC、Dランクを中心に技術者を雇用できない状況があることから、全ての発注案件に余裕期間制度を適用して配置予定技術者が3月中に従事中でも4月以降に配置することを可とするような工事請負契約の実施、を要望しています。

 

【受注機会確保方式】川崎市HPより
公告日・ 開札日・入札参加資格が同一の工事をグループ化し、そのグループ内の案件については、く じ引きにより落札できる件数を1者1件とする方式です。
(1)目的 ○同じ入札参加者による複数受注が減り、多数の入札参加者の受注機会が確保されます。 ○受注機会確保方式を実施することにより、1件目の入札の落札候補者となった者は以降の 入札では「無効」となるので、配置できる技術者が1名でも複数の入札に参加することが可 能となります。 ○過大な受注を避けることにより、粗雑工事や工事遅延の防止など、工事の品質確保につながります。
(2)受注機会確保方式の対象
発注件数が多く、くじ引きの発生率の高い工事のうち、公告日・開札日・入札参加資格 が同一の工事を対象とします。

【余裕期間制度】国交省HPより
契約ごとに、工期の30%を超えず、かつ、4ヶ月を超えない範囲内で「余裕期間」を設定して発注し、工事の始期(工事開始日)もしくは終期(工事完了期限日)を発注者が指定、または、受注者が選択できる制度。余裕期間は、契約期間内であるが、工期外であるため、受注者は監理技術者等の配置が不要であり、工事に着手してはならない期間である。 工事着手以外の工事のための準備は、受注者の裁量で行うことが出来る。