議会報告

2020年6月3日

小規模事業者臨時給付金の増額を〜大庭議員が賛成討論


6月3日の第4回川崎市議会定例会で川崎市一般会計補正予算案(先議議案)の採決に先立ち、日本共産党を代表して大庭裕子議員が討論を行ました。
大庭議員は、音楽のまち・かわさき応援事業費について東京交響楽団への支援だけでなく文化芸術活動に関わる方々への支援を広げること、小規模事業者臨時給付金について県内他市町村と比べて川崎市の10万円は少なすぎることから引き上げを要望。テイクアウト等参入促進事業補助金やテレワーク導入促進事業費の引き上げなどを要望しました。今回の補正予算案の財源は川崎市の減債基金等からの繰入金です。
共産党は、同議案には賛成しました。
大庭議員の討論原稿は次のとおりです(議事録ではありません)。

代表討論

私は日本共産党を代表して、提案された議案第102号令和2年度川崎市一般会計補正予算について討論を行ないます。

音楽のまち・かわさき応援事業費についてです。
WEBコンサートは6月下旬から3回の開催を予定しており、その後のチケットを買い取る部分も含めて概算払いで早期に支出をするとのことでした。楽団員の皆さんの深刻な現状をふまえて速やかな対応を要望します。
インターネットを通じた動画配信により文化芸術活動を支援する取り組みについては、早急に募集枠の拡大を行うよう求めます。
文化芸術は多くの方々によって支えられています。市内に拠点を持つ劇団をはじめ文化芸術にかかわる皆さんの事務所や稽古場の家賃や様々な維持費、音響や照明などにかかわる事業者や文化芸術の講師活動を主にされている皆さんの生計費や諸経費、演劇やダンスなどの文化活動にスペースを提供している事業者の皆さんについても、支援がなければ文化芸術活動が中断されてしまいます。横浜市が取り組んでいるような経費を対象にした支援や、北海道のようなエンターテインメントにかかわる事業者への支援策を、本市も行うよう要望します。

小規模事業者臨時給付金についてです。
 質疑では、対象者について、フリーランスも含めた個人事業主も対象になること。他の給付金との併用については、県の協力金とも併用は可能であること。申請手続きについては、メモ書きなどをもとに売上の一覧表をつければ、今年度の売り上げの書類として認められることが明らかになりました。また、前年度の確定申告をしていない方は、今から申告しても、それが必要書類として認められること。申請開始時期は、5月25日から受付を開始しており、申請から給付までの期間は概ね10日間であることも明らかになりました。
しかし、対象事業者が、売り上げの50%未満の事業者、小規模事業者の2/3を対象に事業費を算定していながら、対象を30%以上と限定しています。30%という下限を取り払って、30%未満であっても収入が減少している方すべてを対象にすることを要望します。また、10万円という給付額についてですが、県内の市町村の給付額から見ても、川崎市の給付額は少なすぎます。給付額の引き上げを要望します。

テイクアウト等参入促進事業補助金についてです。
 質疑では、制度の適用期間について、さかのぼって4月1日から適用すること。対象になる経費について、デリバリーの配送手数料、容器、チラシなど広報、Webの機材、WiFi環境の費用だけでなく、テイクアウト用カウンターの設備費や感染防止のためのついたて、ビニールカーテンの購入費など、テイクアウトや感染防止のために店舗をリニューアルした費用も含まれることも明らかになりました。また、国が全国商工会議所に委託している「小規模事業者持続化補助金」や県の「中小企業・小規模企業再起促進事業費補助金」との併用については、対象経費を分けることができれば併用は可能であることが明らかになりました。
 補助金の上限額10万円については他の都市と比べて低く、実際にデリバリーなどの初期費用としては少なすぎます。上限額の引き上げを要望します。

テレワーク導入促進事業費についてです。
 この事業は、テレワークの新規導入に取り組む中小事業主に対し、国が行った上限額100万円の助成事業が、5月31日に終了することに合わせて行う事業です。すでに同じ事業を行った福岡市の、上限額50万円補助件数200人で支給総額1億円に比べ、本市の上限額25万円、補助件数は50人、支給総額1250万円はあまりにも少なすぎることから、支給総額を増やすべきとの質問に、「執行状況を踏まえ、関係局と協議し、検討していく」との答弁でした。福岡では、申込者が多く、締め切り期間24日を待たずにいっぱいになったとのことで、すぐに、再度の受付を行ったとのことです。本市でも4月1日以降に、すでに実施した取り組みについても対象にするとのことです。であればなおのこと、執行状況を踏まえてなどと言わず、支給総額をすぐにでも引き上げることを、求めておきます。

働き方改革推進事業費についてです。
「雇用・労働特別相談窓口」の周知方法についてです。
答弁では、「区役所・支所等をはじめ、市産業振興財団、川崎商工会議所、ハローワーク等の関係機関や、市工業団体連合会等の各団体を通じた周知、市政だよりや市ホームページ等を活用した情報発信等」さらに「様々な機会を通じた幅広い広報を行っている」とのことでした。国は、第2次補正予算案で雇用調整助成金が、日額上限を8330円から1万5000円に引き上げるとのことですが、日々変更もあり、情報が行き届かない場合があります。雇用調整助成金制度を利用したい事業者また労働者の方々「相談窓口があるということを知らなかった」「知っていても制度を理解していないため相談できなかった」とならないよう、従来の方法にとどめず、周知を徹底することを求めておきます。
支給までのスピードの問題についてです。
全国で、雇用調整助成金の相談件数は40万件を超え、6月1日時点で申請は8万4395件、支給決定は4万8840件と、申請と支給がおいついていません。
神奈川労働局でも、2月から直近の5月26日までで、2787件の申請数です。ハローワークでは、職員は、窓口の相談者が増える中、感染リスクを避け、苦労しながら取次など対応におわれていると伺いました。本市の「雇用・労働特別相談窓口」は、社会保険労務士の1回当たりの相談は概ね30分以内とのことです。専門家が窓口のそばで待機をしていないため、相談者が専門家からコールバックされるまで、タイムラグがおきることが予想されます。
また、相談後、申請してから給付まで「約1か月支給等の決定がなされる」とのことですが、これでは現金が手元に入るまで、さらに伸びることになります。電話回線は2本では少なすぎます。回線数を増やすとともに、専門家の体制の強化を求めたところ、「国の制度変更へのきめ細かい対応」「相談体制の充実を検討」していくとの答弁でした。申請から給付までスピードを強化するためにも、人的な配置が決定的です。国まちにすることなく、速やかな対応を要望しておきます。

以上要望し、議案第102号「令和2年度川崎市一般会計補正予算」には賛成することを表明して、討論を終わります。