議会報告

2020年6月2日

小規模事業者臨時給付金などについて質問~小堀議員が代表質疑


IMG_4643川崎市議会第4回定例会で6月1日、日本共産党の小堀祥子議員が、先議議案として提案された補正予算案に対して代表質疑をおこないました。

音楽のまち・かわさき応援事業費、小規模事業者臨時給付金、テイクアウト等参入促進事業補助金、テレワーク導入促進事業費について、質問しました。

小堀議員の質問原稿(初回分)はつぎのとおりです(議事録ではありません)。

日本共産党代表質疑

私は、日本共産党を代表して提案された議案第102号令和2年度川崎市一般会計補正予算について質問を行ないます。

音楽のまち・かわさき応援事業費についてです。

この事業は、川崎市がフランチャイズオーケストラとして提携している公益財団法人東京交響楽団の活動機会を確保するとともに、市民の音楽芸術を享受する機会を促進することを目的としたものです。

3640万円の予算のうち2640万円で、無観客WEBコンサートを3回開催するための支援を行い、残りの1000万円はWEBコンサートで楽団に寄せられた市民からの寄付金と同額相当分の支援を行うものです。具体的にはコロナウイルス感染症が収束した後に行われる予定の公演について寄付金同額相当分のチケットを「市民招待枠」として市が確保して、楽団を支援するとともに市民に音楽鑑賞の機会を提供するという枠組みです。

同楽団はフランチャイズ提携の下、ミューザかわさきシンフォニーホールで行う「子どもたちの音楽教室」をはじめ、高齢者施設や児童施設などでの少人数の公演など市民の音楽鑑賞の機会創出に貢献しています。川崎市は楽団の主催公演や練習などの際のミューザの使用料金を半額とするほか、ミューザから年間30回の依頼公演を行う形で支援をしています。しかし、コロナウイルスの広がりの下で楽団の公演は3月21日を最後にすべて中止か延期となっており、公演の収入がほぼゼロになっています。楽団は楽団員と事務局員あわせて100人を超えるスタッフの人件費をはじめ保険や固定費だけでも毎月約4千万円を超える支出があり、雇用調整助成金をはじめ様々な公私の支援策の利用をすすめているものの深刻な事態にあるとのことです。

団員の皆さんの生活を支えるためにも支援のスピードが問われています。無観客WEBコンサートはいつ頃行うことを想定しているのか、伺います。迅速な支援のできる枠組みとなっているのか、伺います。

関連して、フランチャイズオーケストラとともに幅広く文化芸術を支える担い手の方々を支援することが必要です。本市はインターネットの動画配信を通じて文化芸術活動を支援する事業を行いますが、東京都の同様の事業「アートにエールを!東京プロジェクト」は、1日で1万6千人以上からの申し込みがあり、想定していた4000人の4倍に達したため、即日募集を打ち切ったとのことです。本市の動画配信の事業も申し込みが多数寄せられることが想定されます。募集枠の拡大を検討すべきですが、伺います。

本市の動画配信の支援事業は「主として文化芸術活動に係る収入により生計を維持している者」が対象とされているため、もっぱら音楽やダンス教室の講師活動をされている方は文化芸術の重要な担い手であるにもかかわらず、この事業の対象になりません。支援の取り組みを行うべきですが、伺います。

5月臨時会で例に挙げた北海道のような文化芸術を支える音響、照明などの事業者を対象とした支援を検討すべきですが、伺います。横浜市は、新型コロナウイルス収束後の活動を再開するまでにかかる経費などについて上限30万円の支援金を給付する事業を行います。公演や展示、上映等の企画や制作、運営にかかわる事業者や施設運営者も含めた文化芸術の担い手であり、公演などで対価を得た実績のある方を対象に、活動や表現の機会が減少している場合に支援を行うものです。これと同様の文化芸術活動の経費も含めて支援する取り組みを行うべきですが、伺います。

小規模事業者臨時給付金についてです。

 今回の給付金制度は、1か月の売上高が前年度比で30%以上50%未満減少した小規模事業者に対し、支援金を10万円給付するというもので、対象は約2万事業所、総額は20億円。財源は減債基金からの借入で対応するということです。県内の給付型支援制度としては、市の給付金は、県内33自治体の中で27番目と非常に遅い給付金制度となります。

 対象者についてです。小規模事業者ということで、商業、サービス業では従業員5人以下、製造業、その他では従業員20人以下ということですが、フリーランスの方も対象になるのか、伺います。対象が、単月の売り上げが前年同月比で30%以上50%未満減少した事業所ということで、売り上げ減少幅の対象範囲はわずか20%で、あまりにも狭すぎます。しかも、前年度比30%未満の事業者でも損失は数十万円になるわけです。対象範囲を拡充して、30%未満の事業者も対象にすべきです、伺います。申請数は小規模事業所数27600件の2/3の19000件と想定しています。20%しかない対象範囲で、なぜ、小規模事業者の2/3も申請すると想定しているのか、伺います。

10万円という支給額についてです。政令市の給付金としては、大阪市、堺市の中小企業100万円、個人事業主50万円など、ほとんどが50万円前後、固定費補助にしても神戸市はオーナーに200万円、福岡市は家賃の8割、50万円など他の政令市と比べても、川崎市の10万円というのは、最も低いレベルです。通常の飲食店で売上が5割減までいかない事業者は、国の持続化給付金は使えません。市の10万円では、家賃1か月分も従業員1人分の給与も払えません。10万円という給付額について、どういう根拠があるのか、伺います。

他の給付金との併用についてです。県の新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の対象者は、併用してもこの制度の対象となるのか、伺います。

 申請手続きについてです。申請に必要な書類としては、昨年度の確定申告書、法人市民税納付書などと今年度の売上がわかる帳簿、売上台帳などが必要ということです。しかし、少なくない個人商店では、売上台帳などつけていないことも多いのが実態です。持続化給付金の申請では、メモ書きなどをもとに売上の一覧表をつければ、今年度の売り上げの書類として認められるということですが、市の給付金でも認められるのか、伺います。前年度の確定申告をしていない方は、今から申告しても、それが必要書類として認められるのか、伺います。申請から給付までの期間、申請開始時期を伺います。申請が、予定よりも多ければ、追加の予算を組むのか、伺います。

テイクアウト等参入促進事業補助金についてです。

この補助金は、市内中小飲食店やサービス事業者の多様な販売手法の導入や、サービスへの参入に要する経費を補助するものです。対象は、テイクアウトやデリバリーなどを新たに始める事業所、Web配信を行っている事業所、また商店街も対象になるということで、総額6215万円を計上しています。対象になる経費は、デリバリーの配送手数料、容器、チラシなど広報、Webの機材、WiFi環境などで、補助率は3/4、上限は1事業者10万円で申請数は350件を見込んでいます。商店街に対しては、補助率3/4、上限20万円で、申請数は50件を見込んでいます。

他の市町村では、もうすでに、こういう支援は実施しており、川崎市の対応は、あまりに遅すぎます。神戸市では4月10日から開始をしていますし、東京都では4月22日から開始して、6月5日締め切り予定が、申請が殺到して5月9日で終了してしまいました。多くの商店が、コロナ対応のためにテイクアウト、デリバリーを実施していますが、この制度はさかのぼって適用するのか、伺います。申請が想定よりも多くなれば追加予算を組むことも考えているのか、伺います。

補助金の上限額についてです。先ほど述べた東京都では、「業態転換支援事業助成金」としてデリバリー・テイクアウト・通販対策に使える助成金を実施しており、対象は個人事業主を含む中小企業者です。助成対象は、宅配用の車両代、印刷物、PR映像、広告掲載費などで、助成率4/5、上限は100万円。その他、愛知県の90万円、政令市でも神戸市のほかに北九州市では50万円となっており、他と比べると川崎市の10万円というのは、上限が小さすぎます。実際に、デリバリーを新たに始めるとなると、相当の費用が掛かります。例えば、行政区の半分の世帯、約5万世帯を対象にすると、チラシ印刷に8万円、配布に10万円、新聞折込に15万円など宣伝1回分だけで、20万円を超えます。さらにデリバリーのためのバイクレンタルに1日5000円もかかります。とても、10万円では新たにデリバリーをしようとは思いません。新たにデリバリーを始めるときに、店舗の初期費用としてどれくらい必要と考えているのか、伺います。これからのコロナ対策として、各店舗でも「新しい生活様式」が求められていますが、そのための店舗リニューアルの費用などは対象になるのか、伺います。

他の補助金との併用についてです。全国どこでも使える補助金として、日本商工会議所が実施している小規模事業者持続化補助金があります。対象は「テイクアウト・来店型集客のWebサイト構築」する事業者で、補助率2/3、最大50万円。さらに特別枠は対象が「新たに通販・デリバリー・テイクアウトをWeb上で始める事業者」で補助率2/3、最大100万円となっています。小規模事業者持続化補助金は、市の制度と併用して使えるのか、伺います。神奈川県でも5月20日から「中小企業・小規模企業再起促進事業費補助金」を創設し、最大100万円補助しますが、これとの併用は可能なのか、伺います。

テレワーク導入促進事業費についてです。

この事業は、市内中小事業者のテレワーク導入に要する経費を補助するもので、補助率2分の1設備費用20万円、コンサルティング費用5万円で上限額合計25万円を支援、補助件数は50件で支給総額は1250万円です。

すでに国では、コロナ感染症対策のためのテレワークの新規導入に取り組む中小企業主に対し、テレワーク用通信機器の導入・運用に対する助成を2月17日から5月31日までの期間で、補助率2分の1、上限額100万円を支援する助成を行っており、この事業が終わるのに合わせて、川崎市でもコロナ感染症により在宅でテレワークする個人事業主も含む中小企業者に対し、テレワークに必要な機器の設置のサポートや購入費の補助を行うとのことです。

福岡市では、すでに、5月7日から5月31日の期間で「福岡市テレワーク促進事業支援金」の申請を行っており、コンサルティング費用上限10万円、機器購入・リース費用など上限40万円、合計で最大50万円の支援を行っています。支給総額は1億円で補助件数は200人とのことです。申込者が多く、締め切り期間を待たずにいっぱいになり、2次募集を行ったとのことです。

本市の支給上限25万、補助件数50人は、福岡市と比べても少なすぎます。支給総額を増やすべきです。伺います。

応募期間中に、予定申請数に達した場合の対応について、伺います。

助成の対象となる事業の実施期間、公募の周知について、伺います。

働き方改革推進事業費についてです。

 この事業費は、国の雇用調整助成金の活用をアドバイスするなど、現在、社会保険労務士の支援のもとで実施している「雇用・労働相談窓口」を拡充するものです。補正予算では1400万円を計上し、電話を2回線にする他、受付職員を配置して体制をはかります。9時から5時まで、電話で受け付けたあと、コールバックで社会保険労務士が、書類等の書き方や申請の仕方など、相談を受けるというものです。

私たちは、3月議会、5月の臨時議会で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたことで、雇用の継続できなくなった事業主や労働者に雇用調整助成金を周知し、相談窓口を開設すべきと求めてきましたが、本市が、5月7日から、社会保険労務士による「雇用・労働特別相談窓口」を開設したことは重要です。5月7日から19日のまで47件から相談があり、その主な相談内容の6割が雇用調整助成金だったとのことです。

専門家がアドバイスすることによって、雇用調整助成金の申請者が増えていくことが期待されます。周知方法について伺います。申請書類の簡素化が求められるところですが、複雑で時間がかかると聞いています。相談時間は十分に保障されるのか。平均相談時間について、合わせて伺います。実際に、助成金の給付に結びつくことが求められます。これまでの申請件数と給付件数を伺います。申請から給付までの日数についても伺います。

雇用調整助成金を活用できることが市民に広がれば、相談が増えることが推測され、さらなる拡充が求められます。見解を伺います。