トピックス

2020年7月30日

新型コロナウイルス感染症対策要望書(第5次)を市長に提出しました。


第5次要望書提出 写真★ 日本共産党川崎市議団は7月30日、福田市長に対し新型コロナウイルス感染症対策の申し入れ(第5次)を行い伊藤弘副市長が応対し、懇談しました。

 宗田団長は、5月26日から行っている「新型コロナウイルス対策に関する市民アンケート」の結果をふまえ、新型コロナ感染者数が534人を超え、4月のピーク時に迫る勢いの中、PCR検査を早急に拡大することなどを中心に要望を述べました。

また、国から川崎市への臨時交付金68億円について、医療機関への支援や中小企業、個人事業主への経営支援などにあてることが切実に求められていると指摘。市民の前でどのように交付金を使うのか臨時議会を開いて議論すべきと要望しました。

伊藤副市長は、新型コロナ対策についてはきめ細かく対策を行っていくことで対応し、臨時議会ではなく、9月議会の先決議案などで補正予算を考えていきたい。経営支援については、この間制定された様々な制度が十分に使われるよう周知をしていきたい。と述べました。要望書本文は次の通りです。

要望書本文

川崎市長 福田紀彦様


新型コロナウイルス感染症対策のさらなる充実を求める要望書

                               2020年7月30日 

                            日本共産党川崎市議会議員団

                                  団長 宗田裕之

 川崎市内での新型コロナウイルス感染者数は、現在、534人を超え、1週間の新規陽性者数は4月のピーク時に迫る勢いです。これ以上の感染拡大を防ぐためにも、早急の対策が求められています。

わが党は、5月臨時会では川崎市のPCR検査数が他都市に比べて少なく、抜本的な拡充が必要なことや、休業要請や自粛などで経営が苦しい中小企業への休業協力金、特別定額給付金を早急に支給することなどを強く要望しました。6月議会では、医療機関がコロナの影響や患者受け入れのために経営危機に陥っている実態を示し、財政支援を要望し、保健所の体制の強化と職員の増員を要請しました。さらに学校再開に向けて、少人数学級の拡大、学習指導要領の弾力化などを求めました。

 わが党は5月26日から市内全戸を対象に「新型コロナウイルス対策に関する市民アンケート」を実施し、市民から3600通を超える返信があり、様々な要望が寄せられています。このアンケート結果をもとに、市長への要望として下記にまとめましたので、早急に補正予算を組んで、下記の対策を講じることを求めるものです。

●医療について

1.PCR検査について

アンケートでは、50代の夫を亡くした方から、4日間の自宅待機後、検査を望んだが検査もされず、入院もできない状況が続いた後、亡くなったとして「望む検査が受けられず、死ぬのを待つだけの今の状況は全く納得できません」という訴えがありました。医療従事者の方からは「感染症病棟で勤務、常に感染のリスクを負いながら、不安と緊張の中で仕事を」している状況や介護職の方からは「高齢者の発熱でもPCR検査受けられず」、学校や保育園の保護者からは「感染者が出たのに、子どもがPCR検査を受けられない」という声が届いています。

現在の感染拡大は、全国でいくつかの感染震源地(エピセンター)で無症状感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられます。そういう感染地域を明確にして、そこに検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止することが求められています。こういう検査を行う目的は、診断目的ではなく、無症状者を含めて「感染力」のある人を見つけ出して隔離・保護することです。そのためにもPCR検査体制を抜本的に増やすと同時に、陽性者を隔離・保護・治療する体制が求められています。

要望

① 感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR等検査を実施すること。

② 地域ごとの感染状態がどうなっているのか、七行政区ごとに検査数と陽性者数の情報を住民に開示すること。

③ PCR検査の検査数を抜本的に増やして、検査対象は濃厚接触者だけではなく、無症状感染者も無料で受けられるようにすること。特に医療・介護・福祉施設、幼稚園、保育園、学校などの職員、出入り業者への定期的な検査を実施すること。必要に応じて、施設利用者全体を対象にした検査を行うこと。

④ 検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療する体制を緊急に作り上げること。

2.医療機関・従事者への支援について

アンケートでは、「医療従事者のため仕事が休みにならず、危険手当もない」、「感染症病棟で勤務、常に感染のリスクを負いながら、不安と緊張の中で仕事を行っているが、安全の保障や手当は少ない」、「職場がコロナ受け入れ病院で経営が大変に」などの声が寄せられています。東京女子医大でも当初ボーナスが支給されず、400人もの方が退職希望を出すという報道もありました。早急に、医療機関、医療従事者への財政的支援が必要です。

要望

国の財政支援では足りません。市の独自予算で、医療機関、医療従事者に対する財政的支援を早急に実施すること。

●生活支援について

1.税金・保険料について

アンケートでは「勤務時間を減らされ、家賃、保険料が払えない」「収入が激減、水光熱費、家賃など特別定額給付金では足りない」などの声が出ています。

要望

税金・保険料の減免制度の周知、拡充すること。特に新型コロナに対応するための措置である国民健康保険料の減免制度の周知・徹底すること。水道料金、下水道使用料の減免制度の創設すること。

2.新生児への支援について

特別定額給付金の対象が4月27日までに生まれた新生児に限られているため、アンケートでは「毎月の産婦人科検査に数万円かかり、これから出産も費用が必要です。10万円の『特別給付金』は妊娠中の子どもが対象となりません」、「もうすぐ産まれる子どもに対しても何かしら支援を」などの声が出ています。

要望

4月28日以降に生まれた新生児に対する市独自の給付金制度を創設すること。

3.特別定額給付金について

アンケートでは「10万円給付が遅すぎる」「6月末でも給付金の用紙が来ていない」、お年寄りの方からは「申請書の書き方がよくわからなかった」「投函に行けない」などの声が出ています。

要望

高齢者で独り暮らしの方などへの再度の周知・徹底すること。

●中小企業・個人事業主への支援について

アンケートでは「小規模事業者で持続化給付金を申請したがまだ入金なし。家賃補助を」「4/1からフリー、持続化給付金の対象にならず」「家賃はないが、店舗のローンが払えない」などの声が出ています。また、融資についても、「相談はしたが、いろいろな条件に合わないと断られた」などの声も出ています。

要望

中小企業・個人事業主、フリーランスを対象に市独自の給付金を創設し、対象も新規に事業を始めた方も含み、回数も1回のみではなく、コロナの影響が続く期間、給付金を継続すること。融資について、条件を緩和し、「事後審査」を導入するなど迅速な融資決定、支給を行うこと。

●雇用への支援について

アンケートでは「バイト先が休業になったことで、水光熱費、家賃など給付金では足りない」「雇止めにあった」、学生からは「バイトのシフトが減らされて収入が減り家賃が払えない」などの声が出ています。

要望

パート、アルバイト、学生の方への市独自の家賃補助制度を創設すること。国の住居確保給付金や新制度である家賃支援給付金の周知・徹底すること。新しくできた国の休業支援金について、会社から休業手当がもらえない方はハローワークで申請できることを、パート、アルバイト、学生の方に周知・徹底すること。

●教育について

1.学級編成と教育課程の編成について

アンケートでは「学校行事がことごとく中止、体験・経験する機会を奪わないでほしい」「子どもの勉強の遅れが心配」「パソコン、通信費などの出費が増大」などの声が出ています。各学校では、夏休み、冬休みの短縮、学校行事の中止や教員、児童生徒への過重負担などの心配の声が出されています。

要望

教員を増員して少人数学級の拡大・具体化すること。行事について、一律に中止とはせず、自主的に判断ができるように、また、学習指導要領については弾力的な運用を求める。

●最後に

国から臨時交付金が68億円降りてきていますが、どのように使うか、いまだに議会で審議されていません。しかし、医療機関や中小企業、個人事業主の経営危機は、待ったなしの状況ですし、非正規労働者を中心に仕事が減り、雇止めも起きており、生活支援は待ったなしの状況です。さらにコロナ第2波に近い状況で感染拡大防止策も早急に求められています。早急に臨時会を開き、補正予算を組んで、支援策や感染拡大防止策を組むことを強く要望します。