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2020年10月19日

ジェンダー平等学習会を開催


ジェンダー学習会10月17日、日本婦人団体連合回副会長の堀江ゆりさんを講師に共産党市議団主催でジェンダー平等学習会を開催しました。

「ジェンダー」という言葉は、1995年北京での国連世界女性会議ですでに使われていたといいます。このときは日本もさまざまな団体から約5千人参加したとのこと。

 ここでは、これまでの男女平等からジェンダー平等へ これまでは性別、すなわち、セックスで表現していたが、「社会的文化的(歴史的)性差・性別」を表すジェンダーという言葉になったということです。(ちなみに日本共産党綱領は、ジェンダーについて、時々の支配階級が人民を支配抑圧するために政治的につくり歴史的に押し付けてきた性差、と規定した)。

ジェンダー学習会 (2) 「世界人権宣言」には①性と生殖に関する権利も②暴力を受けない権利も書かれていないが、「北京宣言」では、「女性の権利は人権」「女性のエンパワーメント」ということが規定され、「北京行動綱領」では「女性と男性の平等の達成は人権の問題であり、社会正義の条件」だとされた。そして、あらゆる問題をジェンダーの視点で見直していくことが共有された。

したがって、ジェンダー平等社会とは性別にかかわりなく、誰もが平等に尊厳をもち、自らの力を存分に発揮できるようになる社会をいい、ジェンダー平等社会のたたかいは、女性の女性による女性のための運動から、人権・個人の尊厳実現のための運動へと運動の対象も担い手も拡大している。

 ところが、北京会議から25年の日本は、2019年のGGI(ジェンダー格差指数)は153か国中121位に後退・停滞。4分野のうち、健康や教育ではほぼ「1」に近いのに、経済分野では115位0.598、政治分野ではなんと144位0.049。政治家20人に1人の割合しか女性はいない。世界各国は前進しているのに、日本はジェンダー平等停滞国になっている。世界各国とどこが異なるのか。

2003年の女性差別撤廃条約は、「女子に対する差別は権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するもの」「あらゆる分野において女子が男子と平等な条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し」「女子差別を撤廃するための必要な措置を取ることを決意」とあるが、

⇒日本では、ジェンダー平等の和訳を「男女共同参画」としている点。

(男女共同参画社会法「男女が社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、…共に責任を担うべき社会」と定義づけられ、目的に「男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かな社会を実現…男女共同参画社会の形成を推進することを目的」とされている。)

ジェンダー学習会 (3) また、「北京行動綱領」では、「女性と男性の平等は、人権の問題であり、社会正義への条件である」とされているのに、

⇒「いまだに活用されていない資源の最たるもの。それが女性の力」(2014年「世界経済フォーラム」年次会議安倍首相冒頭演説)という捉え方の違いがジェンダー平等の遅れを招いている原因だ。

さらに、①大企業財界の利益最優先政策②古い男尊女卑・国家主義への回帰などがジェンダー平等停滞の要因である、と喝破。

 そのうえで、2019年から女性の権利を国際基準にするための運動として、女性差別撤廃条約実現アクションの取り組みを紹介。若い人たちも含め、広がりをみせているが、さらに大きな運動としていこうと講演を締めくくられた。参加者にとって、確信のわく講演会となった。