議会報告

2007年12月6日

2007年第5回定例会(12月議会)国民負担増が続くからこそ市の助成策・支援策を守り発展させよ 代表質問に石田和子議員


2007,12,06, Thursday
12月6日、日本共産党を代表して石田和子議員が、市民生活を守る立場から市長の政治姿勢や、子育て施策、老人医療費助成制度廃止等生活に深く係わる問題について追及しました。

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冒頭、政務調査費の監査結果について、税金の使い方にたいする住民の目線からの指摘であると真摯に受け止め、誠実に対応すると見解を表明しました。

【市長の政治姿勢について】

(行革について)
これまで「行革」の名前で高齢者介護援助手当の実質廃止、重度障害者等の入院時食事補助の廃止、難病患者の療養費の廃止などがおこなわれ、さらに「新・行財政改革プラン素案」で老人医療費助成事業などを廃止しようとしているが、国民が国の悪政によって痛めつけられている中でこれら制度や施策の必要性は増すことこそあれ、薄れることはないと追及。
市長は「必要なサービスは積極的に充実を図るなど施策・制度の再構築を進め、限られた財源や資源の効率的・効果的活用につとめる」と述べるのみ。
石田議員は「持続可能で安定的な制度の再構築を名目に、地域と市民生活を支えてきたさまざまな施策を廃止してきた。制度は持続可能となったとしても地域と市民は堪え難い痛みを強いられている」と述べ、「失政、悪政の元で格差が拡大され、医療難民、介護難民、ネットカフェ難民が重大な社会問題になっている。住民の福祉の増進を使命とする地方自治体の役割が問われている。共産党は地域が元気になり、市民生活がうるおう地域循環がたの改革を進めるため全力をあげる」とのべました。

(自衛隊後援問題について)
川崎市は、これまで後援してきた「平和のつどい」や「平和マラソン」、憲法九条を守ろうと訴えるイベントの後援を、あいついで拒否する一方で自衛隊が中心となった「かわさき音楽まつり」や「神奈川自衛隊音楽まつり」の後援を始めました。
石田議員は「神奈川自衛隊音楽まつり」は第1部が入隊予定者400名の入隊激励会、第2部の音楽演奏では、在日米軍軍楽隊の「星条旗よ永遠なれ」の演奏、現職自衛官が「みなさんも誇りと希望を持って入隊してもらいたい」と呼びかけるなど、最初から最後まで入隊予定者の激励会そのものであったと指摘して、後援理由を質問しました。
市長は後援の事務取扱要項に基づき市の施策の推進に寄与するとみとめられる事業等であることをふまえて後援したと述べましたが、石田議員は「神奈川自衛隊音楽まつりは自衛官募集業務としておこなわれていたことが市民局提出資料からもはっきりしており、同様に、川崎音楽まつりも音楽文化の振興からというよりも、自衛官募集業務の一環として後援している。自衛隊の情報保全隊による市民監視活動が明らかになるなど、戦争放棄を定めた憲法に違反し、軍事組織である自衛隊の危険な動きに警戒する声が市民からもあがっている。後援を中止し、自衛官募集業務も中止すべきだ」と追及しました。

(教科書検定についての市長の見解)
沖縄戦での住民集団自決の日本軍関与を否定する検定意見に対し、撤回を求める11万6千人の県民大会が開かれ、沖縄県議会をはじめ全国の自治体から撤回を求める意見書があげられていることについて、沖縄県那覇市と友好都市である川崎の市長としての見解を問いました。那覇市の意見書でも「日本軍による命令・強奪・誘導なしに、起こりえなかったことは、紛れも無い事実」とされ、沖縄戦研究では常識とされているとの再度の質問にも、市長は「沖縄戦の事実関係等について詳細な資料の研究に基づき熟知していないので軽々しく見解はのべられないと逃げの答弁に終始しました。

【子育て支援】

(市民・こども局再編について)
石田議員は、子育て支援施策の一体的推進と地域社会での子育て支援等の推進を目的に「市民・子ども局」が編成されるが、児童福祉法はじめ福祉的な根拠法律が事業にしっかりと位置づけられるか質問。総務局長は、従来から行っている児童福祉法、児童虐待の防止等に関する法律、母子及び寡婦福祉法に基づく事業等の福祉的業務について子ども本部が所管すると答弁。石田議員は、そうならば現在も健康福祉局に「こども事業本部」があることから「市民・子ども局」でなく「健康福祉・こども局」として福祉的業務の位置づけを明確にすべきと再質問。総務局長は、現在の「こども事業本部」所管の業務に加えて、障がい児支援、小児医療費助成、青少年育成などに関する業務もあわせ所管し、一体・総合的なこども支援策の推進を図るとともに、地域事情に詳しい区役所とも連携を図り地域社会と一体となった総合的な子ども支援を推進することができると答弁しました。

(妊婦健診の助成について)
未受診で出産した場合は子どもの死亡率が17.6倍という調査結果のある妊婦健診の助成回数を増やすことを14回まで増やすべきと述べ、市が検討中の回数、スケジュールを質問。健康福祉局長は、妊婦健診は現在全妊婦対象に2回、出産当日35歳以上の超音波健診を公費負担しているが、重要性と必要性は十分認識しており充実に向けた検討をしていくと表明。石田議員は抜本的に増やすべきと時期と内容について質問、市長は、見直し充実を検討すると述べました。

(総合周産期母子医療センター整備について)
安心して出産できる体制作りとして「総合周産期母子医療センター」の早期整備について、聖マリアンナ病院への整備状況、市内中核病院、協力病院などのネットワークづくりを質問。健康福祉局長は市内医療機関との連携について検討中で、聖マリアンナ病院とは具体的整備に向けた協議を始めていると答弁。

(幼稚園の整備について)
「私立幼稚園で一斉に入学願書が配付された10月15日、朝8時に徹夜組も含めて50人以上が幼稚園前に行列をつくり、9時ごろには募集60人に対し200人近くになっていたとのこと。会社を休むか遅刻して並ぶお父さんが多く、祖父、祖母も、家族が手分けして複数の園に並んでいたそうです。11月1日に一斉に願書提出と面接が行われ入園が決定されるが、入れなかった場合はその場から携帯電話で定員が埋まっていない他の園を探し、見つかればその日のうちに願書を再提出しに移動する。ほとんどの幼稚園が入園決定したその日に10万円~15万円の入園料をおさめなければならない」と幼稚園申し込みの実態を述べ、こうした実態を把握しているのか、見解を質問。入園させるために大変な苦労をせざるを得ない地域教育の場を市の責任で保証し、公立幼稚園の廃止を撤回して新たに整備すべきと質問。教育長は、私立幼稚園85園は2万3千人余の園児を受け入れ「保護者のニーズに応えられる状況」にあると答弁。新城幼稚園の後継施設には認定子ども園を、生田幼稚園の後については検討中であると答弁。
再質問で、結果的に入園できていても、自宅から遠い幼稚園に行ってでも我が子を幼稚園難民にしないよう幾カ所も願書をもらいに行かざるを得ない市民の実態を真摯に受け止めるべきと質問。35人以上の学級編成等の調査・把握について質問しました。教育長は、募集当日の聞き取り速報によると余裕のある園も見られ、幼稚園協会が中心となり各園の情報交換や相互連携でおおむね園児の受け入れの対応が図られたと答弁。学級編成は35人を超えている園もあるようだが補助教員を配置するなど各園で工夫していると答弁。
再々質問で、募集当日の調査などについて質問。小学校でも35人以下学級が進められているのだから幼稚園が35人でよいということでなく、幼児の育つ環境としての適切な学級集団をきちんと保証するのが行政の役割だと質問。教育長は、私立幼稚園85園中49園で受け入れに余裕があったとし、これまで最終的には入園希望者を受け入れた実績があると答弁。市として私立幼稚園の支援を行いながら幼児教育の推進に努めると答弁。
石田議員は、今年の実態からいっても定員を超過して受け入れている園があると予測され、中原区と高津区の一部で「新城幼稚園が今年から募集を打ち切ったため例年より入園させるのが大変」の声があがったとも聞いたと述べ、人口急増地域や定員超過率の高い地域に公立幼稚園の整備を要求しました。

(私立幼稚園保育料補助について)
視察に行った福井市では公立と私立の父母負担の差がほとんどなく、川崎市の私立幼稚園の入園料が10~15万円、保育料が月額3万円~3万5千円とうい状況は、私立幼稚園の保育料補助こそ見あう額に増額すべきと質問。教育長は川崎市の保育料補助は国の定める補助ランクを超えて支給、市単独事業の補助ランクを設定して保護者負担軽減を図っていると答弁。

(地域子育て支援センターについて)
身近にいけるこども文化センターに地域子育て支援センター機能の整備をと提案してきたが、専任職員の配置、運営、施設の補修、児童の発達・衛生面を考慮した遊具や設備について質問。健康福祉局長は、子育て親子の支援に意欲のある者で知識と経験を有する者を担当者として1名以上配置し、運営は社会福祉法人等に委託すると答弁。

(保育基本計画と保育緊急5カ年計画について)
保育緊急5カ年計画の新事業である小規模認可保育園とかわさき保育室について、安全確保のため2階までに制限し、園庭代わりに近くに公園を利用する場合は川崎市が周辺道路の交通量、歩行者安全の整備状況等を調査すべきと質問。健康福祉局長は階数が高くても国基準で避難用設備の整備要件が定められているから子ども安全は確保されているとし、国の通知で公園の園庭代替えが認めれれているとして、認可保育所には緊急災害時の対応の明確化、周辺環境の確認調査を求めると答弁。石田議員は、設備要件といっても屋外階段のことであり、緊急時にはおんぶやだっこして一度に園児を避難させなければならないことを考えれば2階以上にすべきでないと要望。3歳園児が散歩中にトラックと接触して重傷を負う事故が起きていると指摘し、国の基準だとしても認可するのは川崎市だから市の責任で、安全確保に厳しい条件と事前の周辺環境調査・確認をすべきと要求しました。

(公立保育園の民営化)
保育園に市が直接関与していれば保護者から直接苦情を受け、問題点を把握でき適切に対処できるとして、公立の役割の位置づけを質問。保育基本計画改訂版で公立の職員配置を国基準を参考に見直すとしているが、国基準以上に加配されてきた現在からすれば職員配置の切り下げになり、子育て・親育て・地域の子育て支援の役割をになっている職員の配置切り下げはすべきでないと質問。健康福祉局長は、保育施策は保育を提供するとともに保育サービスを提供する環境を整備することだとし、保育所の役割や運営形態は社会状況とともに変化すると答弁。また職員配置基準は効率的な運営を図るため国基準や民営を参考に見直しを図ると答弁。石田議員は、人間としての基礎を培う乳幼児期にふさわしい生活・体験を保証するために必要な保育の質の確保は欠かせないと質問。公立保育園が育児相談、子育てサロンなど出前講座への講師派遣など地域子育て支援の役割を担ってきたことの評価と継続を質問。健康福祉局長は人的・物的環境の適切な保持は前提として効率的運営を図ると答弁。公立、民間を問わず、保育所は地域の子どもや保護者から好評を得ており、地域の実情やニーズなどをふまえ引き続き実施すると答弁。
かわさき保育室への移行支援・援助など地域保育園への相談を強めるべきとの質問に、健康福祉局長は相談に適宜対応すると答弁。

(小児医療費助成制度について)
県が4歳児以上の通院1回200円、入院1日100円の負担金を新たに求めることを決めたが、川崎市内では通院だけで年間1億円の市民負担になる。「お金の心配をしないで医者にかかりたい」という親の願いに反するものであり、市が独自負担しても導入すべきでないと質問。健康福祉局長は県内他都市の動向をみてからと答弁。再度、石田議員は既に導入したところでは受診抑制が起こっているという報告もされていると述べ、県が小児医療費の補助金を就学前まで引き上げることにより川崎市は年間2億5800万円軽減されるのだから、一部負担金をなくし、所得制限も段階的に引き上げるべきと質問。4000万円でひとり親家庭の一部負担金も導入しなくてすむと質問。健康福祉局長は、小児医療費助成は県の補助事業でもあるから県内他都市の動向を注視するとくりかえし、所得制限の見直しは運営状況を見据えながら検討すると答弁。
段階的に所得制限撤廃の年齢をあげていくべきとの質問に、健康福祉局長は昨年4月に引き上げたばかりだが、重要な子育て支援だから見直しを検討するとの答弁。

(わくわくプラザについて)
わくわくプラザを7時まで時間延長する事業は、新たに就労支援として市の単独事業として行われるが、月額2,500円の有料でなく、わくわくプラザ同様、市の負担で行うべきと質問。常勤職員、障がい児対応職員等の配置についても質問。「就労支援」として自主学童保育にも支援を行うべきで、国補助金の増額分は老朽化が激しい子ども文化センターの施設改修や自主学童保育に対する財政支援に使うべきと質問。市民局長は公平性の観点から受益者負担を求めると述べ、職員配置は利用者8名毎に職員1名を配置する(最低2名)、自主学童は下水道使用料減免、不審者情報等の提供などの活動支援をしていると答弁。財政局長は、一般財源を予定していた事業費に国庫支出金が充当されて7,245万円捻出されたことから、こども文化センターの空調機設置の今年度中完了と、わくわくプラザ室の時間延長に3,965万円を使用し、残りを財政調整基金に積み立てたと答弁。

(高校進学における経済的支援について)
私学進学には大変な費用がかかり経済事情から退学や修学旅行断念の生徒もうまれているが、根本は公立高校の門が狭いことが原因だとしてこれ以上の県立高校の統廃合を中止するよう県に要求することを求めました。授業料を下げるために私学助成の抜本的増額も市から要求するよう求ました。奨学金の応募者は年々増加し今年度986人の申し込みに対し採用人数は350人に減らされており、この予算を抜本的に増額して子どもたちの学ぶ権利を守るべきと質問。3月に入学金等60万円前後が必要になるため、高校入試合格をもってして成績要件を撤廃すべきと質問。教育長は奨学金は現状の人数、給付額を維持すると答弁。成績が優秀であるとが受給資格であり、成績要件は撤廃できないと答弁。県内私立校への進学者には入学金・授業料の負担軽減制度があるが、県外私学進学者への対象拡大も要望していると答弁。

【障がい者施策】

石田議員は、余りにも重い利用者負担、複雑な制度による混乱で障がい者、事業者、現場担当者が翻弄されてきたが、根源は障害者自立支援法の欠陥にあり、政府与党は障がい者施策と介護保険の統合構想を撤回し応益負担を応能負担にみなおすことを明らかにしたが、この抜本的改正を強く求めると述べました。
障がい者の生活を守る市の独自施策を来年度以降も続けるべきと質問。昨年度障害者福祉事業費が15億円も不要額を発生させたのはサービスを利用したくてもできない人たちがいたことが原因で、低所得者1・2の方の利用料は無料にすべきと質問。健康福祉局長は、国の動向を注視すると答弁。
移動支援とふれあいガイドヘルパーが少なく深刻な問題になっているとして、ヘルパーの現状と、需要、増員について質問。健康福祉局長は、82事業者がサービスを提供、現行ではサービス需要に対応できているとしながらサービス従事者の養成に努めていると答弁。
障がい者支援施設みずさわでは、障害者自立支援法のもとで夜間の職員配置があまりにもすくない基準となっており職員配置にとても苦労していたと視察の結果を示し、夜間の人員配置の市独自の支援、土日の日中活動のための運営加算をおこなうよう質問。健康福祉局長は、運営開始1年未満なので今後の経営状況を十分に把握していくと答弁。
障がい者入所施設の定員260名に対し、これから入所を希望する人は305名にのぼるとして、心身障害者総合リハビリテーションセンターの再編整備にあたっては入所定員を削減せず必要な施設を整備すべきと質問。再編整備計画の検討状況を質問。健康福祉局長は、現行定員を基本に見直しなどを検討すると答弁。再編整備基本計画を策定中と答弁。

(重度障がい者医療費助成制度の見直しについて)
約4割が人工透析患者と言われる重度障害者医療助成制度の見直しで、所得360万円以上、新規65歳以上は対象外にされようとしている問題で、人工透析の患者さんたちから「月1万円の負担になる。生涯透析を続けなければならないのに、こんな負担には耐えられない」「この助成は命綱。絶対になくさないでほしい」という声が上がっていると述べ、県に制度の存続を強く要望するとともに、県が廃止を強行した場合は市独自の助成を行うべきと質問。健康福祉局長は、県の事業なので県内他都市の動向をみると答弁。

【高齢者福祉】

(健康診断について)
視察に訪れた佐久市では保健指導や健診への積極的に取り組んで、医療費総額を抑えてきていることがよくわかったとして、市民が天寿をまっとうできるよう、市独自に予防を重視した積極的取り組みが必要と質問。市長は、市民が主体的に健康作りに取組むよう支援してきたと答弁。
基本健康診断から特定健診に変わるにともない、検診項目、がん検診の回数、検診率向上、自己負担について質問。健康福祉局長は、平成20年度からはじまる特定健康診査はメタボリックシンドロームに特化した健診で、身長、体重、腹囲の測定、血液検査、尿検査、医師判断による心電図、眼底検査、貧血検査と答弁。がん検診は肺がん、胃がん、大腸がんは年1回、乳がん、子宮がんは2年に1回実施する。現在40、50歳以外は区保健福祉センターで各種がん検診を受けているが平成20年から市内医療機関でも受診できる体制を整備すると答弁。自己負担額は23年間同じとしながら、見直しについて検討すると答弁。
再質問で石田議員は、国基準のみならず川崎市独自の取り組みを強めて市民の健康を守っていくことが大切で、今の検診内容は維持すべきと質問。後期高齢者の検診も、川崎市が上乗せして、いままでどおりの検診内容で全ての後期高齢者を対象にした健診制度にすべきと質問。また、がん検診について自己負担が増えてなぜ受診率向上が見込めるのか質問。健康福祉局長は国の指針に基づいた健診項目を基本としながら詳細は協議・調整中と答弁。基本健康診査の「がん検査」は平成20年からは「がん検診」として継続すると答弁。後期高齢者の検診は財源が保険料であることから広域連合で実施率が10%と見積もられ、健診項目は市町村国保と同様になると答弁。40歳50歳以外も平成20年度から医療機関で特定健診とがん検診が同時に受信できるよう受診機会の拡充を図ることにより受診率の国情が見込まれると答弁。 石田議員は再々質問で、健康診断について、川崎市独自でやっていた基本健康診断の財源もあるわけだから健康診断項目の後退をするべきでないと質問。健康福祉局長はこれまでの健康診査では肥満者の増加など健康状態および生活習慣の改善がみられないから、国が保健指導に重点を置いた制度へと見直し健診項目に予防効果が期待できるものに特化、市はこれに従うと答弁。

(後期高齢者医療制度について)
神奈川県の後期高齢者医療制度の保険料が年金受給で年収224万円の方7,720円は全国トップクラスの高額であり、東京が特別の処置をとって保険料を引き下げたように、神奈川県の一般会計からの繰り入れや参加自治体の拠出金で保険料を下げることはできるから、川崎市が保険料低減を提起するようもとめました。健康福祉局長は、更なる市町村負担を提案することは困難と答弁。
法定減免があるが、もともと生活困難者・困窮者に対して抜本的な軽減策が必要で、保険料対象にしないで連合自治体による公費負担で実施すべきと質問。健康福祉局長は、法定減免以外に、災害や所得減少等特別な事情の場合の減免を定めているので様子を見ると答弁。
自治体毎に独自の減免処置をつくることは問題ないはずであるから広域連合で行わないなら、市独自でも減免制度を作るべきと質問。健康福祉局長は、保険料の賦課決定権が広域連合にあるから独自減免は困難と答弁。
老人保険法では原則資格証の発行はしないとされていたが、広域連合の基本的考え方はどうなのか、資格証の発行はしないとする自治体も増えてきているが川崎市はどうするのかと質問。健康福祉局長は、広域連合内の統一基準で法令に従い慎重勝つ適切に対応するとしつつ広域連合が交付を決定した場合は差し止めはできないと答弁。
広域連合が予定する健康診断はどのようになるのか、市独自の上乗せで現状と同様の内容で全員を対象とすべきと質問。健康福祉局長は、高齢者の特定健康診査は75歳未満の市町村国保の特定健診と同様に実施すると答弁。健診項目は詳細は協議・調製中と答弁。

(川崎市老人医療費助成制度の廃止について)
老人医療費助成制度の廃止を知った多くの市民から怒りと不安の声が上がってきており、老齢者控除の廃止、公的年金控除の見直し、住民税の定率減税の廃止に連動する国保料の負担増など、連続した負担増に追い討ちをかける老人医療費助成の廃止は、国が70歳から74歳の2割負担を1年延期するのだから、やめるべきと質問。健康福祉局長は、医療制度を「安定した持続可能なものとする」ため廃止すると答弁。
5年前の老人保険法改定で、市立病院における外来通院患者数、一人当たりの医療費の変化を質問。廃止により、受診抑制でかえって市財政を圧迫することにつながるのではと質問。健康福祉局長は、制度廃止による受診抑制は少ないものと考えていると答弁。
石田議員は再質問で受診抑制が起きないなら財政削減影響額15億円が67~69歳の負担に転化されると窓口負担は一人当たり年間5万円負担増になり、かってない大幅な負担増で受診抑制や中断の心配は当然と質問。健康福祉局長は従来の制度改正時においても入院・通院に係る対象者一人当たりの受診状況には、おおきな変化が生じていないと答弁。制度廃止で負担割合が増加する人には70歳まで2割負担で年額1万円の支給の支援策を3年間実施するから受診抑制等の影響は少ないと答弁。
再々質問で、局長は受診抑制は無いとするが実態からするととてもそうは思えないとのべ、健康で高齢期を迎えたいと願いは、健康診断と健康づくり、病気の早期発見早期治療がともなって実現でき、そのことが医療費を抑制する道だと指摘して、「一割負担ですむと思っていたのにがっかりした」の声も寄せられており、「市長が決断すれば存続できるが」と質問。市長は、国の制度改悪に合わせ制度を廃止すると冷たくつきはなす答弁。

【中小企業振興策】

川崎再生フロンティアプランやかわさき産業振興プランは市内中小零細企業の実態にかみ合っていないとして、これまでの実態調査での中小・零細企業の方の声はどのように施策に反映しているのか質問。
アンケート調査用紙すら届いていない個人事業者をはじめ、すべての中小企業者を把握し訪問調査を行い、直面している困難などを打開するための新たな発展への支援へとつなげるべきと質問。経済局長は、振興財団で無料相談、専門家派遣、出張キャラバン隊、各種セミナー等の事業を通じて支援していると答弁。
商店街の訪問調査の成果について質問。経済局長は、地区毎の担当者が商店街を訪問し商店街のイベント、施設整備計画、現状や課題についてヒヤリングを行い、支援制度の紹介をおこなっている。その結果「生活コア商業活性化支援事業」や「中小企業団体活性化支援研究会事業」などの支援事業を活用して、活性化事業に取組む商店街も増えていると答弁。石田議員は商店街の訪問調査について商店街が求める支援を強め後退させないよう要望しました。
実態調査について、従業員数1~4名の企業数は24,554社で全体の58.5%になり、大阪市では実態調査に基づき大手企業と中小企業を結びつけるビジネスマッチングをおこなっているとして、川崎市でも専門体制を確立して全企業を対象に実態調査を進め実情とニーズにあった支援策を関係局の連携で進めるべきと質問。経済局長は、アンケート調査や窓口相談、出張キャラバン隊事業、工業・商業・建設業等各団体と意見交換により実態把握に努めていると答弁。今後国の支援メニューの活用をはかり支援に務めると答弁。

【若者が人間らしい生活を営むための雇用支援・融資制度について】

厚生労働省による調査結果から推計すれば川崎市では、「住居喪失不安定就労者」は100~200人になるとして、川崎市でもこうした人の実態を正確に調査すべきと質問。
東京都がネットカフェ難民や低所得者の自立支援のため敷金50万円や職業訓練を受ける生活資金60万円等の助成する計画を紹介し、川崎市でも、住居を構え安定した職に就くための生活資金となる融資制度を作るべきと質問。
横浜市の若年無業者にたいする就労支援プログラムを示して川崎市でもキャリアカウンセリングや就職準備セミナーなどの到達点をふまえて職業訓練など実践的な支援も検討すべきと質問。市民局長は、すでに実施している「若年者のキャリアカウンセリング」の相談内容や国の調査結果も参考にしながら支援に努めると答弁。生活資金等の融資は既存の融資制度の情報提供を行うと答弁。職業訓練等の支援は国や県が行っているセミナーなどの情報提供を行うと答弁。
これに対し石田議員はキャリアサポートでの実績を質問。既存の融資制度でネットカフェ難民が利用できる制度があるのか、住居を借りることができる額に値するのか質問。
市民局長は、平成18年度で22人、本年度14人が就職決定したことを明らかにし、融資制度は、県・市では住所など一定要件にもとづき融資制度を実施しており、融資の可否・金額は個々の審査にゆだねられていると答弁。住居喪失者にはうけられる融資制度がないことが明らかになりました。
石田議員は再々質問で、若者の就業支援で、既存の融資制度があるといいながら住所喪失者には実際には借りられないという答弁からは、真剣に自立を模索して悩んでいる若者に心を寄せようとしない対応に心からの怒りを禁じえない。県とも強調しながら喫緊の課題で検討すべきと質問。市民局長は個々のケースにより融資が可能となる場合とそうでない場合があるとし、既存の融資制度の活用にとどめる答弁をしました。

【住みよい生活環境】

(緑の保全について)
現状では緑地の保全は開発との競争であり、「緑の基本計画の改定について」でも「A・Bランクの緑地保全に努める」としており、積極的な保全策を講じる必要があるとして、川崎市でも、買い取り、代替地の提供、あらた基金の創設など知恵を絞った対策が必要と質問。環境局長は181ヘクタールの斜面緑地を保全しており、保全策の推進には「斜面緑地総合評価」「斜面緑地保全カルテ」により保全すべき斜面を見極めて効率的なとりくみで保全に努めてきたと答弁。新たな緑地保全策については、「企業・市民による緑地保全とラストの支援」「保全配慮地区における緑地保全指針の策定」「事業者の意識高揚に向けた取り組み」など新たな対策を講じると答弁しました。

(まちづくりのあり方について)
高津区の溝口末長・長谷工マンションや新作・ゴールドクレストによるアセス逃れ問題、トナミ運輸倉庫増築における住民無視・川崎市規則違反問題など、川崎市のまちづくりにたいする重大な挑戦ともいうべき事業計画が相次ぎ、良好な住環境と秩序あるまちづくりをそがいする問題として川崎市の姿勢が厳しく問われていると指摘して、総合調整条例に、土地取得前に届けることなどあらたな制度を盛り込むべきと質問。
工場地域のマンション開発に高さ制限は一定制限がかけられたが日影規制は野放し状態であり、日影規制についても実質可能になるような制度の検討をすべきと質問。
複合アセスがもりこまれてもアセスを逃れるケースが後を絶たず、審査書に基づく指導がなされても全く改善されない事態が相次ぎ、環境影響評価制度の根幹を揺るがす事態になっているとして、今後どのように見直していくか質問。
計画段階、政策段階での環境影響評価制度について検討すべきと質問。
経済局長は、これまでの環境影響評価制度で効果が得られてきたと答弁。複合開発は、その開発事業の条件の見直しについて検討をすすめると答弁。計画段階の影響評価について、川崎市にはすでに環境配慮計画書の制度があるが、環境省から戦略的アセスメント導入ガイドラインが示されたので、対応について検討すると答弁。まちづくり局長は、総合調整条例について条例制定以後一定の目的を果たしてきたとしながらも条例の趣旨に沿ってより円滑な調整が図られるよう事業者を指導すると答弁。事業計画案が定まっていない土地取得前における届出を義務づけるのことは適切でないと答弁。工業地域の高度地区の北側斜線の変更などを検討すると答弁。
再質問で、北側斜線の変更などをいつまでに具体化するのかと質問。まちづくり局長は高度地区の変更は今年度に具体的な変更内容を検討、来年度には素案を作成し都市計画の手続きに入ると答弁。

(小杉駅周辺地区開発の環境影響評価似ついて)
武蔵小杉駅周辺地区について全体としての影響を調査するため、市として環境影響評価を実施すべきと質問。まちづくり局長は武蔵小杉駅種辺地区について、個々の事業の基本計画が定まった段階で先行事業の影響をとらえて、複合的な環境影響評価を行ってきたと答弁。
これに対し石田議員は、武蔵小杉駅種辺地区再開発の影響調査について計画人口が1万5千から2万人増加すると見込まれる人口急増密集地区は市内でかってない事態であり、事業全体が完成した場合に全体として、高層ビル群が周辺に与える影響、人口急増による保育園、学校施設、介護施設など生活基盤施設の不足、鉄道交通機関への影響、自動車交通量の増など交通負荷への影響など市の責任で環境影響調査をするべきと質問。まちづくり局長は各再開発促進区ごとに計画・方針を評価、事業計画が具体化した段階で条例に基づき予測と評価をおこなっていると答弁。

【住民投票条例骨子案について】

住民発議は、まず市長が市政に係わる重要事項と判断し、次に資格者総数の10分の1以上の署名(10万以上が想定される)を2ヶ月間で集め、さらに議会で「3分の2以上の議員の反対がない」ことを要件とすることは全国の条例でも例を見ないもので、これでは住民発議はきわめて困難となるとして、本来主権は住民の側にあるのであって議会は市民が行使する決定権を信託されているに過ぎず、住民の権利行使を事実上困難とするような「議会の関与」を要件に付け加えるべきではないと質問。総合企画局長は、地方自治制度は議会と市長による間接民主主義をもとにしているから、直接民主主義と間接民主主義の整合を図る上で、住民投票の実施にあたり住民の代表である議会の意見を踏まえることが望ましいとのため、住民から実施の請求があった場合に、議会の3分の2以上の議員の反対がないことを要件とすることにより、整合をはかり、安定性の高い政策の決定・実施をおこなえるようにしたと答弁。
【議案139号、146号、152号について】
(議案139号)
川崎市心身障害者扶養共済条例の一部改定について、生活できる基礎年金の基本が十分になっていない状況の下で、この共済制度は障がい者の生活を支えるうえで大切な役割を果たしているとして、一時金などの増額はあるものの給付月額2万円は据え置いたままで掛金額を35歳未満新規加入者は3,500年から9,300円と2.7倍に、概加入者でも3,500円から5,600円と1.6倍の値上げ、60歳未満新規加入は現行1.9倍の20,700円となり、掛け続けられるか心配されるため、さらなる公費の負担を増やすことを国に求めるべきと質問。さらに市独自の減免の拡充をもとめました。健康福祉局長は、今回の改定により公費負担の投入期間の延長、増額をおこなうとし、現在の減免は継続すると答弁。

(議案146号)
川崎市市営住宅条例および川崎市特定公賃貸住宅条例の一部を改定する条例制定について、暴力団員は入居できないことを周知し、また暴力団員でないことの確約書、暴力団員であることが判明した場合は明け渡し請求することとした国交省住宅局長通知の見解を質問。条例では入居時にも使用者または同居者が暴力団員かを警察に照会するのかと質問。まちづくり局長は、既入居者について県警に問い合わせ、新入居者は一定条件に該当する申込者について県警に照会し、暴力団員かどうかの報告を求めると答弁。

(議案152号)
一般会計補正予算案が、粗大ごみ収集を来年から民間委託する契約を締結することを含んでいる点について、この行革縮減効果、委託期間、市の現有保有車両のあつかい、不法投棄の委託、リサイクル家具の収集について質問。環境局長は、事業効果は年間約2億円の削減を見込み、期間は3年、ふれあい収集は直営で実施、車両はリサイクル品の収集・運搬、災害対策などに活用し、一部車両を財団法人川崎市リサイクル環境公社にリースを引き継ぐと答弁。リサイクル家具は、これまでどおり直営と指定管理者で対応すると答弁。
(2007/12/6)