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2008年5月28日

ビラ「ごぞんじですか?川崎市の住民投票条例素案」を作成・配布


2008,05,28, Wednesday

共産党市議団は6月議会に提案される予定の「住民投票条例(案)」の問題点を指摘した内容の「明るい川崎」(177号)を作成、市民の皆様にお届けしています。みなさまのご意見をお寄せください。次のような内容です。

2008,05,28, WednesdayA

ご存知ですか?川崎市の住民投票条例素案
素案4つの重要な問題点
1、住民の発議には11万人以上の署名・押印が必要です。
2、住民投票の対象になるか否かは市長が決めます。
3、議会が反対すれば実施できません。
4、投票日は選挙と同じ日のため、自由な運動ができません。
市民が投票によって市政を動かせるものとして期待が高い住民投票条例。しかし、川崎市の阿部市長が6月議会に提案しようとしている住民投票条例(素案)は、私たちが期待するものとは似ても似つかない内容となっています。市民が本当に利用しやすい住民投票条例にするため、ぜひみなさんのこ意見をお聞かせください。
これで本当に”住民”投票条例といえるのでしょうか
素案の内容はこのようなものです
問題点1 住民が発議するのに11万人以上も必要!
住民投票を発議できるのは、住民のほか、議会と市長もできます。(川崎市が参考にした政令市の広島市では、市長や議会は意見表明の機会はたくさんあるからと住民だけが発議権者とされました。)
住民が発議するのに必要な署名数は、資格者総数の10分の1以上、川崎市では11万人以上が必要です。いまの直接請求(地方自治法第74条)に必要な50分の1(約2万2千)に比べ、非常に厳しい要件です。
市は「直接請求で過去35年間で10万人以上集めたことが3回あることや、請願・陳情で7件あり、決して不可能ではない」こと、さらに乱発防止も理由にあげています。
しかし、35年間で3事例あることが説得力をもつでしょうか。また、何カ月もかけて集める請願・陳情と、期間が限定されている住民投票を比較することも無理があります。
乱発防止といいますが、地方自治法第74条の直接請求も、それらを考慮したうえで50分の1が妥当だとしたのではないでしょうか。
問題点2 投票の対象となるかどうかは市長が決める
住民投票の対象となるのは、「市政に係る重要事項」であり、「住民、議会又は市長との間に重大な意見の相違がある」ものでなければなりません。
さらに、議会・市長が意思決定している事項は除外されます。
しかし、重要事項にあたるかどうかの判断は「意見の相違がある」一方の当事者である市長がするとされています。
これでは、市長の判断しだいで住民投票ができなくなることもおこるのではないでしょうか。
大和市では…
市民が一定数の署名と集めるということは、それ自体が重要事項だといえるとして、対象事項の判断者を決めていません。
問題点3 議会が反対すれば実施できません
住民発議に必要な署名数を集めたとしても、3分の2以上の議員が反対すれば実施できないものとなっています。こうした要件をつけ加えるのは、全国の条例でもまったく例がありません。
住民投票条例は市民が主権者としての意思を表明するものです。議会の関与を要件として付け加えるのは住民投票制度の趣旨を否定するものではないでしょうか。
問題点4 投票日は選挙と同日 公選法の規制を受けます
投票期日は、原則として「実施の告示の日から60日経過後に行われる直近の選挙に併せて投票日を定める」としています。
選挙と同日となれば、住民投票運動は政治活動として公職選挙法などの規制を受け、自由な活動ができなくなります。市民が主権者として権利を行使する大事な機会です。投票期日は選挙とは別に行うべきではないでしょうか。
高浜市では…
全国で初めて常設型の住民投票条例をつくった愛知県高浜市では、投票の機会を十分に保障するために、選挙とは別の日に実施するとしています。
もっと使いやすい条例にするために声を上げましょう
素案では、住民発議は、第1段階として市長が「市政にかかわる重要事項」と判断することが必要とされ、第2段階として資格者総数の10分の1以上の署名を2ヶ月間で集めなければなりません。そしてこれらをクリアできたとしても、議会が反対の意思を表明すれば、結局住民投票は実施できないことになります。
このように、二重三重の厳格な要件が課せられることで住民発議は極めて困難となります。これでは、住民投票拒否条例ではないでしょうか。
主権者住民の権利行便をできるだけ認めないような条例ではなく、市民が本当に使いやすいものにつくり変えるよう、声を上げていきましょう。