議会報告

2012年6月25日

「原子力発電所の最稼働を認めないことを求める意見書」案を提出


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6月22日、日本共産党は標題の意見書案を提出し、佐野仁昭議員が提案説明を行いました。

佐野議員は、広島、長崎の原爆被ばくに続き福島原発事故による放射線被ばくで日本国民は3度も放射能の脅威にさらされたと述べ、放射能汚染された土地に戻れない人々の苦しみや、まきちらされた放射能により外部・内部被ばくから命と健康を守るために多くの対策と時間を費やしてきたこと等を指摘して、もう2度と同じ過ちを絶対に繰り返さないことは日本国民共通の願いであると同時に被爆国政府の当然の使命と指摘。福島原発の事故原因究明がされておらず、理由とする電力不足の説明が不明確で、今後の原発の継続的運転に道を開くものであることから、今回の最稼働は国民の命と安全を危険にさらすもので到底納得できないと述べました。

この日(22日)の夕、大飯原発の最稼働を決めた野田政権に対して4万5千人が首相官邸をかこむ抗議行動をおこない、決定の撤回を求めています(しんぶん赤旗6月23日付)。

意見書案は自民、公明、民主、みんな各党の反対で否決されした。
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意見書案はつぎのとおりです

「原子力発電所の再稼動を認めないことを求める意見書」

今般、野田佳彦首相は、記者会見で関西電力株式会社の原子力発電所てある大飯発電所を再稼働すべきと判断すると表明した。

しかし、その内容は、次のとおり国民の命と安全を危険にさらすものと言わざるを得ず、到底納得を得られるものではない。

第1に、福島の原子力発電所の事故の原因究明がなされておらず、安全対策が十分である。免震重要棟とフィルター付きベント設備は、3年後にならないと設置されず、また、原子力発電所をどのような地震・津波が襲う危険があるのかも明らかにされていない。

第2に、計画停電で国民生活が混乱すると言いながら、その原因となる電力不足について具体的根拠を示していない。夏場の電力需給について、需要のピーク時はどれくらいの時間帯・日数にわたるのか、原子力発電所を稼働しない場合に他の発電方法の活用や電力融通、節電なとどによって、どれだけ需要を減らし、供給を増やせるのかといったことが明らかにされていない。

第3に、原子力発電を「重要な電源」と位置付けて再稼動の判断をしたとのことであるが、この考えは、今後の原子力発電所の継続的な運転に道を開くものである。

よって、国におかれては、大飯発電所の再稼働の方針を撤回するとともに、今後のエネルギー政策において、原子力発電所の再稼働や継続的な運転を前提とするのではなく、原子力発電からの脱却を決断し、代替エネルギーの利用を進められるよう強く要望するものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。