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2015年11月26日

「NPO町田市つながりの開DAYS BLG!」を視察~認知症でも安心できる社会に~


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11月11日、町田市にある「NPO町田市つながりの開 DAYS BLG!」へ、石田和子議員が視察にうかがいました。ここは、認知症高齢者など介護保険を利用したデイサービスを行っている事業所で、他の介護事業所と異なり、認知症でも市民としての社会的なつながりが広がるような仕組み作りをして、認知症の方でも、当たり前の安心した生活ができることを目指して活動しているNPO法人です。
認知症というといまなお、「何もできない」「困ったことをする」「すべて忘れる」といったレッテルを貼られがちで、本人にとっては、認知症と告知された途端に社会から取り残され、「早期発見、早期絶望」につながりかねません。
「DAYS BLG!」代表の前田さんは「認知症と診断されたからといって、ただ介護されるだけの存在になるわけじゃない。まずその人が生活者であることを取り戻して、『生活』を継続していく。そのためのサポートが必要です。当事者と町のいろいろな人との『接点』を増やしていきたい」とNPOの活動に取り組まれています。

DAYSBLG!では「はたらきたい」思いの実現を目指しています。かつて、介護サービスを受ける時間中には、活動の対価として謝礼を受け取ることは認められていませんでしたが、各方面からの働きかけ、根気良い活動が実を結び、2011年4月に厚労省から介護保険サービス利用中のボランティア活動に対する謝礼の受け取りを認める通知が出されました。はじめは企業や事業所との雇用関係を目指していたそうですが、活動を続けるうちに視野が広がり「はたらく」ということの捉え方が変化してきたそうです。車のディーラーでの朝の洗車、玉ねぎの皮むきやチラシのポスティング、クリーン活動などの対価として報酬を得る「はたらく」に加え、ボランティア活動や日常の家事も「はたらく」。DAYSBLG!での活動に関わることのすべてを広義の仕事としてとらえています。
メンバーの「はたらきたい」「役に立ちたい」思いを実現して、満足してもらうこと。あくまでも本人に満足してもらうことが目的なので、嫌いなことは押し付けないこと。本人に寄り添い、本当に望むかたちの「はたらく」を見つけることが大切にされています。「仕事で身体を動かし、充実感と達成感を持って帰る。すると、家に帰ると怒ってばかりいたメンバーが、落ち着きを取り戻し、家でくつろいでいると聞きました。本人もハッピーで、家族も助かる。社会につながることで心が満たされるのかもしれません」(前田氏―AERA 1533号より)

視察におとずれた日の10時前、活動する人たちが続々と集まってきました。慣れた様子で、いつものように体温と血圧をはかります。みなさん笑顔で、いろんな話に盛り上がっています。スタッフの点呼の後、今日やってほしい作業内容が話され、自分の希望をいいます。決まったら誰かの掛け声でそれぞれの作業場へ行き、一日の始まりです。手慣れた作業で要領よく進めていきます。今日は車の洗車にお買い物、集い場のエアコンや換気扇の掃除などです。あらかじめ決められたプログラムに従って活動を行うのではなくて、利用者本人から毎日希望を「聞いて」活動を始めることにしています。いきいきとして、笑い声が響きわたっていました。こういう取組みを川崎でも実現していきたいとの思いを強くして帰ってきました。